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【製造業エンジニアの人事評価】評価不満から87.0%が転職を意識、4割超が「静かな退職」状態に。その最大の要因は?
2026/10/27

【製造業エンジニアの人事評価】評価不満から87.0%が転職を意識、4割超が「静かな退職」状態に。その最大の要因は?

目次

【製造業】エンジニアの人事評価に関する実態調査

製造業エンジニアは専門性が高く、成果が数値化しづらいため、人事評価に不満が出やすいといわれています。

アンドプロでは、自社サービスに登録した製造業エンジニア391人に、人事評価に関するアンケート調査を実施。製造業エンジニアの「人事評価に対するホンネ」と「評価に不満が生じる構造的な課題」をまとめました。

【満足度の実態】製造業エンジニアの過半数(51.9%)が人事評価に不満

【図1】評価と評価制度に対する満足度

人事評価の満足度。51.9%が人事評価に不満を感じている。

現在の会社での「評価」や「評価制度」に対する満足度を聞いたところ、過半数となる51.9%(「不満」12.8%、「どちらかといえば不満」39.1%)が不満を感じていることがわかりました【図1】。

【年代別】20代は3割弱が「満足」も不満層も48.3%と二極化傾向

【図2】年代別:評価と評価制度に対する満足度

20代は27.6%が「満足」な一方、不満層も48.3%と二極化傾向

20代〜50代までの年代別に見ると、20代は「満足」が27.6%と突出して高い一方で、不満層も48.3%(「不満」10.4%、「どちらかといえば不満」37.9%)存在します。

20代はキャリア初期で評価制度に対する不信感が小さく、制度が整った企業に属している層は素直に満足しやすい半面、十分な制度がない企業に属している、もしくは正当に評価されていないと感じた層は一気に不満へ傾く「二極化」傾向にあると考えられます。

50代は不満層が59.5%と全年代でトップに

50代は不満層が59.5%(「不満」13.8%、「どちらかといえば不満」45.7%)と、全年代で最も多い結果となりました。

50代は役職定年や給与テーブルの上限に直面する年代で、現場での貢献が昇給・昇進につながらなかったり、若手育成や組織全体のバランスを取るために調整が行われて評価が抑え込まれたりするケースもあることが、不満の背景にあるものと推察されます。

【職種別】「研究開発」「生産技術」など特定職種で不満が突出

【図3】職種別:現職の評価制度に対する満足度

職種別:現職の評価制度に対する満足度。研究開発は70.8%(「不満」20.8%、「どちらかといえば不満」50.0%)が不満。生産技術・製造技術は63.1%(「不満」15.4%、「どちらかといえば不満」47.7%)が不満。

職種別に見ると、不満を抱える割合が最も高かったのは「研究開発」で70.8%(「不満」20.8%、「どちらかといえば不満」50.0%)、次いで「生産技術・製造技術」の63.1%(「不満」15.4%、「どちらかといえば不満」47.7%)となりました【図3】。

中長期的な成果を求められる研究開発の場合、短期的な成果主義では評価に不満が出やすいことや、通常業務とトラブル対応が入り混じる生産技術などにおいては画一的な評価フォーマットがマッチしていない実態がうかがえます。

【役職別】中間層の「リーダー・主任級」の不満度が55.1%と最も高い

【図4】役職別:現職の評価制度に対する満足度

役職別:現職の評価制度に対する満足度。不満と回答した割合が最も高かったのは「リーダー・主任級」で55.1%(「不満」11.0%、「どちらかといえば不満」44.1%)

また、役職別に満足度を見ると、不満と回答した割合が最も高かったのは「リーダー・主任級」で55.1%(「不満」11.0%、「どちらかといえば不満」44.1%)でした【図4】。

現場の実務をこなしながらマネジメントや調整業務も担う中間層の業務負荷に対して、評価や待遇が見合っていないと感じる層が多いと考えられます。

【不満の要因】運用の不透明さや、相対評価による評価引き下げに不満が集まる

【評価制度】54.9%が「評価基準が不透明・あいまい」と回答

【図5】評価制度に不満を感じる主な理由(複数回答)

評価制度に不満を感じる主な理由:「何がどう評価されるのか、評価基準が不透明・あいまい」54.9%、「目標設定や評価フィードバックの面談が形骸化している」34.0%

評価制度に不満を感じる主な理由を聞いたところ、最も多かった回答は「何がどう評価されるのか、評価基準が不透明・あいまい」で54.9%でした【図5】。

次いで「目標設定や評価フィードバックの面談が形骸化している」が34.0%となっており、運用の不透明さや制度そのものが形骸化していることに多くの人が不満を感じていることが浮き彫りになりました。

成果を出しても報われないことへの不満も

また、「成果を出しても『年功序列』や『部署内の相対評価』で調整される」(32.5%)、「評価結果が報酬・昇給に反映されない」(23.3%)と、社内調整や評価と給与の連動といった組織的な課題によって、成果を出しても報われないことへの不満も多く寄せられました。

評価制度に不満を感じる理由(自由記述)

「上司によって評価の厳しさが異なっているように感じる」(組み込みエンジニア 20代女性)

「評価制度のフォーマットが職種を問わず同じで、記入しにくいだけでなく、これで適正な評価ができるのか疑問」(機械設計・金型設計 40代 男性)

「同じ部署内でもグループやチームによって求められる業務量や仕事の質に大きな違いがある」(設備保全 30代 男性)

「人員構成の問題から部署内に評価者がおらず、まったく畑違いの部門長によって評価される」(品質管理・品質保証 40代 男性)

「評価項目が結果に偏りすぎており、プロセスに対する評価が薄い」(技術法規対応 50代 男性)

「評価が低かった理由を上司に確認したところ、年功序列だからと言われた」(生産技術・製造技術 40代 男性)

【評価プロセス】38.6%が「人事部や経営層の都合によるバランス調整」に不満

【図6】評価プロセスに対する不満(複数回答)

評価プロセスに対する不満:「最終的に人事部や経営層の都合(全体のバランス調整)で評価を下げられる」38.6%

評価プロセスについての不満では、「最終的に人事部や経営層の都合(全体のバランス調整)で評価を下げられる」(38.6%)がトップとなりました【図6】。

次いで「普段の現場での動きを見てもらえておらず、結果や表面的な印象だけで判断される」(32.0%)、「評価理由の説明(フィードバック面談)が適当・不十分で、納得がいかない」(27.6%)となっています。

直属の上司が良い評価をつけても、最終的な相対評価のバランス調整で理由なく評価が下げられる理不尽さや、不透明なフィードバックに対する不満が多く寄せられました。

評価プロセスに対する不満(自由記述)

「残業をすると評価されるような古い風習が残っている」(機械設計・金型設計 30代 男性)

「そもそも評価者が誰なのか定まっていない」(研究開発 40代 男性)

「一次評価者(直属上司)の評価が、二次評価者によって覆される。全部署でのラウンドテーブルで評価調整が入り、評価をフラットにされるため高評価が得られない」(生産技術・製造技術 40代 男性)

「現場に任せる風潮が強く、管理層がどの程度現場の状況を認識しているのか不透明」(組み込みエンジニア 30代 男性)

【評価されない業務】リファクタリングなど「見えない貢献」が正当に評価されていない

【図7】正当に評価されていないと感じる業務やスキル(複数回答)

正当に評価されていないと感じる業務やスキル:「定量化しにくい技術的な改善・リファクタリング」(42.2%)、「トラブルや急な仕様変更への対応作業」(35.5%)、「不具合を未然に防ぐ品質維持・事前検証」(31.5%)

「守りの業務」や「未然のトラブル防止」は評価されにくい

エンジニア・技術者として「正当に評価されていない」と感じる業務やスキルを聞いたところ、トップは「定量化しにくい技術的な改善・リファクタリング」(42.2%)でした【図7】。

次いで、「トラブルや急な仕様変更への対応作業」(35.5%)、「不具合を未然に防ぐ品質維持・事前検証」(31.5%)という結果になりました。

システムや製品を裏側から支える「守りの業務」や「未然のトラブル防止」は、大きな問題が起きない限り目立ちにくく、成果として評価されにくいという構造的な課題があることがうかがえます。

正当に評価されていないと感じる業務やスキル(自由記述)

「次の製品で使われるかもしれない新しい技術対応」(電気設計・回路設計 40代 男性)

「本来は担当外だが、なし崩し的に担当させられている業務がまったく評価されなかった」(設備保全 30代 男性)

「新しい技術や素材などの選定と適用、自動化や工程見直しなど」(生産技術・製造技術 50代 男性)

【上司の理解】約4割(37.8%)が「上司に技術や業務内容を理解されていない」と実感

【図8】上司はあなたの技術や業務内容を理解しているか

上司はあなたの技術や業務内容を理解しているか:「理解している」が62.2%(「よく理解している」15.4%、「ある程度理解している」46.8%)、「理解していない」が37.8%(「まったく理解していない」8.4%、「あまり理解していない」29.4%)

【図9】年代別:上司はあなたの技術や業務内容を理解しているか

上司はあなたの技術や業務内容を理解しているか(年代別):「よく理解している」が20代は31.1%、30代は17.5%、40代は13.5%、50代は11.2%)

評価者である上司は、あなたの技術や業務内容をどれくらい理解しているかという質問に対しては、62.2%が「理解している」(「よく理解している」15.4%、「ある程度理解している」46.8%)と回答した一方で、「理解していない」という回答も37.8%(「まったく理解していない」8.4%、「あまり理解していない」29.4%)となり、約4割が上司の理解不足を感じている結果となりました【図8】。

評価制度に不満を感じる主な理由(【図5】)でも、「評価する上司が、自分の技術や業務内容を理解していない」(27.2%)、「評価する上司が、単なる好き嫌いや表面的な印象だけで評価している」(18.4%)という回答が寄せられており、「上司の理解不足」が不満の一因となっていることがうかがえます。

年代が上がるほど業務が高度化、不満が強まりやすい

年代別に見ると、20代では「よく理解している」が31.1%と全年代中で最も高い結果となりましたが、30代(17.5%)、40代(13.5%)、50代(11.2%)と年代が上がるにつれて減少しています【図9】。

また、50代では「まったく理解していない」が12.1%と全年代で最も高い結果となり、「あまり理解していない」(30.2%)と合わせると、42.3%が上司の理解に不満を持っていることがわかりました。

年齢が上がり、業務内容が高度化、専門化するにつれ、評価者である上司が部下の技術や業務内容などを把握しきれなくなり、「自分の仕事の難易度や貢献度を理解してもらえない」という不満が強まりやすい構造があることがうかがえます。


【評価と給与の連動】「給与・キャリアに適正に反映されている」と回答したのは28.1%にとどまる

【図10】評価と給与・キャリアの連動について(複数回答)

評価と給与・キャリアの連動について:「評価結果が給与・キャリアに適正に反映されている」は28.1%、「まったく反映されない」は19.9%

評価と「給与・キャリア」の連動について質問したところ、28.1%が「評価結果が給与・キャリアに適正に反映されている」と回答した一方、約2割(19.9%)の人が「まったく反映されない」と回答しています【図10】。

評価が昇進・昇給につながらない「制度の形骸化」が浮き彫りに

また、評価が「昇進・昇格につながらない(28.1%)」「給与・ボーナスに反映されない(27.4%)」「担当案件や役割に反映されない(25.3%)」がほぼ同率で並んでおり、高評価を得ても待遇アップ・キャリアアップに結びつきにくい「評価制度の形骸化」の実態が浮き彫りとなりました。

評価と給与・キャリアの連動について(自由記述)

「高い評価を得るよりも、無駄に残業したほうが稼げる制度になっている」(生産技術・製造技術 30代 男性)

「力量の有無より、昇格要件のセミナーを受けたなど一定のタスクをこなした人が年功序列で昇格する」(品質管理・品質保証 40代 女性)

「人材確保のためか若年層ばかり厚遇され、年配者は高い評価を得てもまったく昇給しない」(生産技術・製造技術 50代 男性)

「評価結果とボーナス査定の関係性を人事に問い合わせても回答が得られない。評価制度自体が形骸化しているように感じる」(品質管理・品質保証 40代 男性)

【評価と転職】87.0%が評価への不満から「転職を意識」と回答

4割超が「必要以上に頑張らなくなった」と回答、「静かな退職」状態に

【図11】人事評価に不満を感じた時の意識や行動の変化(複数回答)

人事評価に不満を感じた時の意識や行動の変化:「パフォーマンスには影響しないが、必要以上に頑張らなくなった」が43.5%、「仕事に対するモチベーションが低下したが、パフォーマンスには影響しなかった」が41.4%、「上司や会社への信頼が薄まったが態度には出さなかった」が39.6%

人事評価に不満を感じた時、意識や行動にどのような変化があったか聞いたところ、最も多かったのは「パフォーマンスには影響しないが、必要以上に頑張らなくなった」(43.5%)でした【図11】。

次いで「仕事に対するモチベーションが低下したが、パフォーマンスには影響しなかった」が41.4%、「上司や会社への信頼が薄まったが態度には出さなかった」が39.6%という結果となりました。

評価に不満を感じても表面的には業務をこなして波風を立てないものの、見えないところでエンゲージメントが著しく低下する「静かな退職」の状態に陥っていることがわかります。

【転職意欲への影響】40代では95.2%が評価への不満から「転職を意識」

【図12】評価への不満から転職を意識したことがあるか

評価への不満から転職を意識したことがあるか:「ある」が87.0%(「大いにある」29.7%、「ある」34.3%、「少しある」23.0%)

【図13】年代別:評価への不満から転職を意識したことがあるか

評価への不満から転職を意識したことがあるか(年代別):20代は「ある」が69.0%(「大いにある」が27.6%、「ある」が31.0%、「少しある」が10.4%)、「ない」は31.0%。40代は95.2%が「ある」と回答

過去の勤務先での経験も含めて、人事評価への不満から転職を意識したことがあるか尋ねたところ、87.0%が「ある」(「大いにある」29.7%、「ある」34.3%、「少しある」23.0%)と回答しました【図12】。

20代では「ない」が31.0%と突出して多い結果に

年代別に見ると、20代は「ない」と回答した人が31.0%と他の年代より突出して多い結果となりました。キャリアが浅く、評価制度への不信感が小さいためと思われます。

一方、40代で「ない」と回答した人は、わずか4.8%にとどまり、95.2%(「大いにある」32.5%、「ある」34.9%、「少しある」18.1%)の人が人事評価への不満から転職を意識した経験を持っていることがわかりました【図13】。

40代はプレイヤーとして高度な業務を担当する一方、チームの取りまとめや若手育成など業務領域が多岐にわたる時期です。加えて、会社での昇進ルートや年収の上限(頭打ち)が見え始める年代でもあるため、「この会社では自分は報われない」などと評価への不満が転職に踏み出す動きにつながりやすいと考えられます。

評価制度や評価に対する本音や納得できなかったことなど(自由記述)

「自分しかできない作業や社内で新しい作業の内製化を実施しても昇格判断には繋がらない」(設備保全 50代 男性)

「会社が業績不振を抱えているため昇格が見送られている。昇格試験に合格しても、上司の一存で昇格を止められてしまうため転職を決断した」(機械設計・金型設計 30代 男性)

「普段業務に関わりがなく自分の仕事も見ていない人物を評価者に据えられて、まともな評価を得られるとは思えなく、転職意欲が加速した」(電気設計・回路設計 30代 男性)

「海外転勤の話が出たが、子供が産まれたばかりだったため断ったところ評価が下がった」(電気設計・回路設計  40代 男性)

「担当している部品が課題を抱えていて、試行錯誤しながらもようやく課題を解決したのに評価されるどころか、達成が遅いから開発スケジュールが遅れていると上司にたしなめられた」(機械設計・金型設計 20代 男性)

「何をどうすれば評価されるかわからないまま評価面談に臨み、あいまいな根拠で説明を受け、業務に対するモチベーションが著しく低下した」(研究開発 20代 男性)

「アウトプットの量や利益への貢献度が全く考慮されておらず、評価面談では必ずBが提示される。上司に理由を聞いても定量的な評価は示されず、『あと少しなんだけど』といったあいまいな言葉しか返ってこない」(プロジェクト管理 40代 男性)

【転職活動】転職を意識した人の86.5%が実際に転職活動を開始

【図14】転職を意識した後の行動

転職を意識した後の行動:「実際に転職した」53.3%、「転職活動を始めた」33.2%、「検討はしたが行動しなかった」が6.9%、「特に何もしていない」が6.6%

【図15】年代別:転職を意識した後の行動

転職を意識した後の行動(年代別):20代は90.9%が実際に転職、もしくは転職活動を開始(「実際に転職した」54.5%、「転職活動を始めた」36.4%)

また、評価への不満から転職を意識したことがある人を対象に、その後の行動について聞いたところ、86.5%(「実際に転職した」53.3%、「転職活動を始めた」33.2%)が評価結果への不満をきっかけに具体的な行動を起こしていることが明らかになりました【図14】。

評価に不満を感じたエンジニアの多くが、表面上は波風を立てずに業務をこなしていても、水面下では着実に離職の準備を進めている実態が浮き彫りになりました。

20代では90.9%が転職へ向けて行動を起こしている

年代別に見ると、20代は9割以上(90.9%)が実際に転職、もしくは転職活動を開始しており(「実際に転職した」54.5%、「転職活動を始めた」36.4%)、悩んでとどまった層は4.6%と全年代で最も少ない結果となっています【図15】。

現在、20代の技術者は転職市場での需要が極めて高く、転職しやすい環境にあります。そのため、無理に会社にとどまって我慢するよりも、人事評価に納得がいかなければ「評価してくれる会社へ転職する」という決断・行動へのハードルが低いものと考えられます。

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調査概要

内容

【製造業エンジニア】人事評価に関する意識調査

調査期間

2026年8月28日(金)〜9月8日(火)

調査対象

自社サービスに登録した全国の製造業エンジニア

調査方法

インターネット調査

有効回答数

391件

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