書類選考で通る自己PRの書き方|アピールポイント+職種別例文つき
自己PRは応募先企業に自分をアピールする大切な場。企業に好印象を与えるため、履歴書の自己PR欄では、どんなことを伝えればいいのでしょうか?
この記事では、書類選考を通過できる自己PRの書き方を解説するほか、「アピールポイント別」「職種別」の例文を25種類紹介。20年以上にわたり転職支援に携わり、企業の採用戦略についても熟知している結城賢治さんに解説してもらいます。
履歴書の自己PRで伝えるべきことは?
採用担当者は、履歴書の自己PRから「これまでの経験・スキルが自社にマッチしているかどうか」を見ています。そのため、ただ単に自分のよいところや強みを伝えてもアピールにはなりません。
応募先の企業・職種で何が求められているのかを、求人票の「応募要件」や企業ホームページの「社員紹介」などから読み取ったうえで、「この人は自社にマッチしている」と感じてもらえるような経験・スキルをピックアップして伝えましょう。
応募先企業が求めている能力や経験を読み取る方法について、くわしくは「思いつかない場合はどうする?アピール内容の探し方」の章で紹介します。

結城賢治さん
自分が強みや長所だと感じている点であっても、それが相手のニーズや求めている要素に合致していなければ、魅力的に映らないことがあります。
応募先の企業の特徴や応募要件に焦点を当て、そのなかで自分の強みを引き立てるようなアピールを心がけましょう。相手に「この人は、私たちの求める要素にピッタリ合っているんだ」と伝えるために、相手が何を求めているかを理解し、それに基づいたアピール内容を構築することが重要です。
職務経歴書の自己PRとの違いは?
履歴書の自己PRは「要点を絞ってアピール内容を伝える」ためのもの、職務経歴書の自己PRは「具体的にアピール内容を伝える」ためのものという役割の違いがあります。
話題や内容は同じで構いませんが、職務経歴書ではエピソードや実績も交えて話を膨らませましょう。

▼職務経歴書の自己PRの書き方・例文はこちら
3つの要素で完成!自己PRの書き方
履歴書の自己PRに書くべきことは、ある程度決まっています。
「(1)業務経験をもとにした自分の強み」→「(2)根拠となるエピソード」→「(3)自分の強みをどう活かせるのか」の3つの要素を、順番に書いていきましょう。
なお要点が伝わりやすくなるように、文字数は200~350文字に収めるのがおすすめです。
〈履歴書の自己PRの例文〉
(1)
お客様の潜在的な要望を汲み取り、それに応える姿勢が強みです。
(2)
成約に繋がる営業活動を行うには、お客様が伝えてくださる直接的なニーズを満たすだけでなく、潜在的な要望も汲み取り、その目的を達成できる提案をすることが大切だと考えております。そのためにはビジネスの背景を知ることが必要だと考え、毎日業界紙を読み、競合他社の売れ行きや開発動向等の情報収集を行っておりました。
情報をもとにお客様が抱えている課題と解決策を整理し、提案も丁寧に行ったことで、お客様との信頼関係の構築にも成功しております。その結果、昨年度は60件以上の受注に成功し、毎年対前年比115%前後で売上を達成してきました。
(3)
業績の達成には、こうしたお客様に満足いただける選択を後押しすることが重要だと考えております。お客様の潜在的な要望に寄り添う姿勢を貴社でも活かし、貢献していきたいと考えております。
1 業務経験をもとにした自分の強み
自己PRの結論として、強みを宣言するパートです。「〇〇が強みです」と言い切るか「前職では△△を担当しておりました。その経験から〇〇が強みです」と、簡潔に説明しましょう。
自己PRでアピールするスキル・強みで定番のものは、下記のとおり。応募先が求める人物像にマッチしそうなものを選んでアピールしてください。
〈定番のスキル・強み〉
協調性 / 責任感 / 向上心 / 傾聴力 / コミュニケーション能力 / リーダーシップ / 業務の効率化 / チャレンジ精神 / 主体性 / 柔軟性 / 集中力 / 計画性 / 忍耐力 …など
2 根拠となるエピソード
(1)で宣言した強みの根拠となるエピソードを伝えることで、納得感を高めるパートです。
応募先の企業でも活かせる経験やスキル・能力を持っていることが伝わるように、自分がどういった考えで行動して、どんな結果が得られたかをくわしく書きましょう。
〈エピソードを書くときのポイント〉
- エピソードの流れは「自身やチームが抱えていた課題に対して」→「どういった考えで行動して」→「どんな結果が得られたか」の3段構成にすると、読みやすくなる。
- 得られた結果は「◯◯件の受注に成功した」「売り上げを◯%改善した」など、数字で表現できるとベター。
3 自分の強みをどう活かせるのか
自己PRの締めとして、自身のスキルや強みを発揮してどのように応募先企業に貢献できるかを伝えるパートです。
下記の例文のように「(エピソードで紹介した強み)を活かして」+「転職後にどうしていきたいか」をまとめましょう。
〈自己PRの締め方の例〉
「こうした経験を貴社の△△業務でも活かし、貢献していきたいと考えております」
「強みである〇〇を活かしながら、貴社でも△△を目指していきたいと考えております」

結城賢治さん
自分にとっては「できて当たり前」と思えるスキルや経験も、応募先が求めている要件であれば、相手にとって魅力的な要素になります。
目立つ実績である必要はなく、企業が重視しているスキルや経験があるかどうかを振り返り、それに基づいたエピソードを収集していきましょう。「できて当たり前」のなかにも、求められている要素が潜んでいる可能性があります。応募先の期待に応える経験を具体的に示すことが、アピールをより効果的にするポイントです。
社会人基礎力を「自分の強み」のヒントに!
経済産業省が提唱している「社会人基礎力」を自己PRで押し出す強みに使うのも一つの方法です。社会人基礎力では「主体性」や「計画性」などの12の能力要素を定義しているので、どれかを強みに選んでエピソードを考えてみるのも良いでしょう。
また、アンドプロでは「社会人基礎力のうち、どの能力を転職希望者に求めているのか」を調査しました。企業が求める能力を理解するために、あわせてチェックしてみてください。
自己PRの例文集(定番アピールポイント/職種別)
ここでは、履歴書の自己PRの例文を、一言ポイント解説とあわせて紹介します。
定番のアピールポイント別と職種別に、主要なものを25種類を用意しているので、自分の状況に近いものを確認してみましょう。
〈定番アピールポイント別〉
〈職種別〉
思いつかない場合はどうする?アピール内容の探し方
「自分の強みのうち、何をアピールすべきかわからない」「エピソードが思いつかない」という人は少なくありません。かといって、焦って過去の経験・エピソードを書き出そうとしても、なかなか思い出せないものです。
そんなときは、下記の3つのステップにそってアピール内容を探してみましょう。

結城賢治さん
アピールポイントを見つける際は、まず「応募先が求めている人物像」を理解しておくと、アプローチが効果的になります。相手が特に求めている特徴やスキルに焦点を当て、それに合致する自分の経験や能力を見つけることを意識しましょう。
アピール内容を見つけるのは難しいように感じるかもしれませんが、手順を押さえることでハードルが下がります。具体的には、下記のアプローチで進めるといいでしょう。
ステップ1:企業が求める人物像をリサーチする
繰り返しになりますが、自己PRの目的は転職先が求めている人物像と、自分の経験・スキルがマッチしていると伝えること。
そのため、まずは企業が何を求めているかをリサーチするところから始めましょう。
主な情報源は下記の5種類。求人票の応募要件で書かれているスキルや、ホームページなどに書かれている企業理念から、どんな人物が求められているかを読み取りましょう。
情報源 | 読み取れる情報・ポイント |
求人票などの「応募要件」「応募要項」 |
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求人票などの「業務内容」 |
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応募先のホームページなどの「企業理念」「行動規範」「企業の文化・風土」「社員紹介」 |
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企業や在籍社員のSNS |
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人材支援サービス(転職エージェント) |
|
ステップ2:アピールポイントを決める
ステップ1で調べた「企業が求める人物像」を参考に、どんな経験・能力をアピールしていくかを決めます。
もしスキル・経験が抽象的だったり、数が多かったりした場合は、繰り返し言っている・強調しているといった部分をヒントにして最も求められていそうなことを絞り込んでいきましょう。
企業が求めていそうなことを言語化する際は、下記の「よくあるアピールポイント」の例を参考にしてみてください。
〈よくあるアピールポイント〉
- 協調性
- 責任感
- 向上心
- 傾聴力
- コミュニケーション能力
- リーダーシップ
- 業務の効率化
- チャレンジ精神
- 主体性
- 柔軟性
- 集中力
- 計画性
- 忍耐力
ステップ3:根拠となるエピソードを集める
自己PRのアピールポイントが決まったら、アピール内容の根拠となるエピソードを集めましょう。
エピソードは、基本的に「自身やチームの課題を、どんな行動によって、改善・解決したか」を伝えるのが鉄板です。納得感のあるエピソードになるように、下記の6つの情報を集めておきましょう。
〈アピール内容の根拠として集めたい、6つの情報〉
- 今までの業務内容やスキル
- 自身やチームが抱えていた課題
- 仕事のスタンス・考え
- 解決・改善のための行動
- 結果
- 入社後にどのような影響を与えられそうか
たとえば「主体性」が求められている企業の場合は、下記のように主体性を発揮した際の情報を集めてみましょう。
1.今までの業務内容やスキル |
|
2.自身やチームが抱えていた課題 |
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3.仕事のスタンス・考え |
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4.解決・改善のための行動 |
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5.結果 |
|
6.入社後にどのような影響を与えられそうか |
|
情報が集まったら「3つの要素で完成!自己PRの書き方」の章や例文を参考に、自己PRの文章形式でまとめ直しましょう。
自分では普通だと思っていることも、アピールに使える!
「自分の強み」「根拠となるエピソード」と言われても、具体的なイメージがつかないという人もいるでしょう。「自分にはアピールできるような強みやエピソードはない」と思ってしまう人も多いかもしれません。
ただ、実際のところ自己PRに書くのは「普通のこと」で問題ありません。
下記の記事では、若手キャリア支援のプロから聞いた、企業に刺さる「強み」の考え方や盛り込むエピソードの洗い出し方を紹介しているので、チェックしてみましょう。
【Q&A】履歴書の自己PRに関する、よくある疑問
この章では、履歴書の自己PRに関するよくある質問に回答します。
Q. 面接では、履歴書の内容をそのまま伝える?
A. 面接も内容は同じでOK。長さは1分程度で
面接で自己PRを聞かれたときも、応募書類に記入した内容と同じものを答えてOKです。
ただし、話す時間の目安は1分程度のため、文字数だと300字ほどにまとめる必要があります。
履歴書に記入した内容をコンパクトにまとめつつ、面接の場では「どのような思いで仕事をしていたのか」といったスタンスや意気込みなど、マインド面の内容を補足すると説得力が増すので意識してみましょう。
▼面接での自己PRの答え方について、くわしくは…
Q. 志望動機や特技、長所との違いは?
A. 伝える内容・役割が異なるので注意
志望動機や特技、長所は、いずれも自分の強みなどをアピールする欄ですが、下記のように伝える内容・役割が異なります。
▼各欄で伝える内容・役割の違い
自己PR |
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志望動機 |
|
特技 |
|
長所 |
|
特に違いがわかりにくいのが、自己PRと長所です。
自己PRは「企業が求めていることを、自分が満たしているとアピールする」もの。それに対して長所は「企業からは求められていないが、自分の優れている点を売り込む」ものです。
自己PRには書けなかった強みをアピールする欄として、長所欄を活用するといいでしょう。
▼長所の書き方と例文について、くわしくは…
履歴書のほかの欄の書き方もチェック!
自己PR以外の欄の書き方・例文を下記の記事にまとめています。まだ記入していない場合は、こちらもチェックしてみてください。
▼「志望動機」の書き方
▼「趣味・特技」の書き方
また、下記の「履歴書の書き方ガイド」では、「本人希望欄」や「扶養家族欄」なども含めた、履歴書にあるすべての欄の書き方を解説しています。封筒の書き方や送付状の作り方など、企業への提出マナーについても紹介しているので、よければ確認してみてください。
(文:アンドプロ編集部)

株式会社クイックに新卒入社。20年以上にわたりコンサルタントとして転職支援に携わり、企業の採用戦略にも精通している。コーチングの手法を取り入れ、求職者と伴走しながら個人の可能性を引き出すキャリアコンサルティングが強み。求職者からの信頼も厚く、転職後のキャリア相談の依頼も多い。現在は最高人事責任者として、自社の採用・育成・評価制度を牽引。新卒・中途採用の面接官も務める。キャリアコンサルティング技能士の資格も保有している。
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