
挑戦も、成長も、家族も――。地場建設会社からの転職で見つけた理想のキャリア
「通勤の車から、2キロ先に自分の現場が見える。そんな景色が好きなんです」――JFEシビル株式会社で大型物流倉庫の施工管理を担うMさんは、現場のスケールをそう表現します。地元・広島の地場建設会社から、結婚と同時に関東へ。「もっと大きな建築に挑戦したい」という思いを胸に入社6年目で現場副所長に登用され、現在は延床約12万㎡・請負数百億円規模の現場を支えています。中途入社のリアルを、率直に語っていただきました。
Mさん
JFEシビル株式会社 建築事業部 施工管理職(現場副所長・課長職)
大卒後、地元広島の建設会社で施工管理を8年経験。2015年、結婚を機にJFEシビル株式会社へキャリア採用入社。大型物流倉庫を中心に現場を経験し、入社6年目で現場副所長に登用。現在は課長職として若手育成も担う。
やりがいと将来の安心を求めた決断
Q:前職でのご経験と、転職を考えられた際に最も大切にされていた軸を教えてください
Mさん:前職は地場の建設会社で、大学卒業後8年働きました。保育園や老人ホームなど、地域の暮らしに近い建物を建てることが多くて、小規模の現場を所長と私の2人で全部やっていました。地域の暮らしを支えているやりがいがあった反面、経験を重ねるうちに、もっと大きい、大規模な建築に挑戦してみたいという思いが強くなっていったんです。加えてちょうど結婚を控えたタイミングでもあり、収入面での安心も欲しかった。妻は九州出身で、関東は二人とも初めて。不安はありましたけど心機一転、という感じです。
Q:数ある建設会社の中で、最終的にJFEシビルへの入社した「決め手」は何でしたか?
Mさん:生まれ育った広島県福山市に、親会社であるJFEスチールの製鉄所があるんです。JFEシビルも「鉄鋼土建事業部」という事業部で製鉄所内の保全管理を担っており、知り合いから「人を募集しているよ」と聞いたのがきっかけでした。大型施設を手がけていますし、先ほどお話しした「収入面での安心」を満たせる盤石な経営基盤があることもわかっていたので、希望していた環境があるはずだと期待して飛び込みました。

広島県福山市のJFEスチール 西日本製鉄所(JFEシビル株式会社提供)
いきなり主任に抜擢。桁違いのスケールで再確認した「大切なこと」
Q:入社後は、どんな仕事からスタートしたのですか?
Mさん:29歳と比較的若手での中途入社でしたが、2つ目の現場である大規模物流倉庫の建設で主任レベルの仕事を任せてもらいました。前職では経験できなかったスケールの仕事ですぐに責任あるポジションに挑戦できたのは、すごく良かったですね。カルチャーの違いも当初覚悟してましたが、そもそも当時から中途社員の比率が高く(現在は約40%)、全国に製鉄所がある関係で各地方の建設会社から来た社員も多くてすぐに馴染むことができました。
ただ、仕事面ではギャップもありました。前職では大きくても数億円ぐらいの規模の建築だったのが、いきなり数百億円規模になったんです。工事計画、施工方法、仮設計画——その辺の考え方が全然違って、「現場全体をもっと柔軟に考えないとまずいな」と思いました。

――その壁は、どのように乗り越えられたのでしょう?
Mさん:所長や当時の副所長など、大型現場をやったことのある人に自分からどんどん聞きに行きました。そうすると、すぐにカバーしてもらえたんです。 実は私、若い頃はものすごくコミュニケーションが苦手だったんです。前職のときから少しずつ克服してきましたが、当社の現場は協力会社の作業員さん、設計者、お施主さんと、関わる人がさらに多い。そうした方々と日々やり取りを続けていくなかで、自然とコミュニケーション能力が鍛えられ、今は200人ぐらいの前で朝礼をしても全然緊張しません。逆に、こういう会議室でのインタビューの方がよっぽど緊張します(笑)。
また正直に申し上げると、私が転職した10年ほど前の現場は、所長らに少し聞きづらい「昔気質」の雰囲気もありました。でも、少し勇気を出して自ら聞くことで道がひらけた。だからこそ、自分が役職に就いた今では、若手や中途の方から相談しやすい雰囲気づくりを何より心がけています。
ある程度年齢を重ねていると「いまさら聞きづらい」と思う方も多いですが、もっと気軽に聞いた方がいいと私は思っています。それができる方が、この会社では活躍できます。
2キロ先から見える現場のダイナミズム。柔軟なチームで挑む大規模建築
Q:大規模建築ならではの面白さを、どこに感じていらっしゃいますか?
Mさん:大きな鉄骨が組み上がり、短期間で建物が立ち上がっていくダイナミックさでしょうか。今は約100m×200m、5階建ての建物を建てているんですが、通勤の車から2キロ先に、現場に入れている350トン級のクレーンが見えるんですよ。「ああ、今からここに行くんだ」って感じながら出勤するのは、純粋に楽しいですよね。

JFEシビルが手掛けた超巨大物流施設「GLP圏央五霞」。長辺方向約400mにも及ぶ圧倒的なスケールを誇る(JFEシビル株式会社提供)
――そうした大きな現場を動かしていくなかで、中途入社の方の提案や意見が通る土壌はあるのでしょうか?
Mさん:コミュニケーションなしに唐突なことを言うのではなく、普段からのやり取りができていれば、聞く耳を持ってくれる会社だと思います。先ほどお話したように「昔気質」もあったのですが、確実に時代は変化しています。中途採用された人材や若手が所長、副所長に多く登用されていることもあり、現在の現場はとても柔軟です。
――その「現場の柔軟さ」を実感した、具体的な提案のエピソードを教えてください
Mさん:例えば延床約12万㎡の物流倉庫での事例です。この建物では800本以上のコンクリート柱を使いますが、通常のように工場で製作して運び込むのではなく、輸送効率を考えて現場で柱を製作する工法を採用しました。
すると新たに問題が発生しました。敷地の約3分の1を柱の製作場所として使うことになり、基礎工事で掘り出した大量の土を置く場所がなくなるのです。土を一度場外へ運び、埋め戻す際に再び持ち込むと、運搬費も大きく膨らみます。
そこで私が提案したのが、基礎づくりに鋼製型枠を使う方法です。重機が土を掘り出していくそばから、基礎・地中梁の鋼製型枠をどんどん設置し、掘った土をためずに、その場で埋め戻しながら基礎をつくっていく。土を「置いておく」工程そのものをなくしたことで、残土の問題とコストを解消できました。こうした工夫が無限にできるのがこの仕事の醍醐味であり、前例にとらわれずに検討できる今の現場を象徴していると思います。
今回の例は副所長の立場からの提案ですが、きちんとした根拠があれば部下からの意見を採用することももちろんあります。
入社6年目で副所長、40代の所長も。現場の「信頼」がスピーディーな登用を後押し
Q:入社6年目で早くも副所長に昇進されたと伺いました。何が評価されたと感じましたか?
Mさん:私自身が断定できる立場ではないのですが、主任のうちは原価管理といっても、請求書対応や見積りを取ってのコスト比較など限られた範囲です。ですから利益ではなく、品質と安全、それにコミュニケーション能力を会社が見ていると思います。加えて当社は同じ協力会社さんと長く組むことが多いので、現場の職長さんや番頭さんが、幹部に「あの監督は信頼できるよ」と声を寄せてくれるんです。多数の協力会社さんからの客観的な評価が集まるので嘘偽りがありませんし、そういったところも本社はしっかりと吸い上げてくれるのだと思いますね。
――現場での日々の信頼関係が評価に繋がりやすい風土なのですね。登用も、積極的なのですか?
Mさん:はい。先程少し触れましたが、現在は若い所長が多く、40歳で大型現場の所長を務めている者もいます。彼も私と同じ年に中途入社した優秀な人材です。周囲を見渡しても、前職の経験が画一的だったり、新卒入社の社員ばかりが優遇されたりすることはなく、現場で活躍している人材が所長や副所長といった第一線の重要なポジションを任されています。当社において、評価に対する大きな不満を感じたことはありませんね。

2026年3月に中央区日本橋へ移転した本社。開放的な雰囲気のなかで業務に取り組むことができる。
手厚い現場への支援。働きやすい環境に。
Q:建設業界の働き方は課題も指摘されるなかで、御社はいかがでしょうか
Mさん:全てというわけではないのですが、大手デベロッパーさんの案件が中心なので、4週8休を前提に工期が組まれていることが多いです。実際に、私の現場でも職員25人が完全に休みを取れていますし、私自身も家族との時間がしっかり取れています。大手から工事を任される技術力が、働きやすさに直結するサイクルになっていますね。
Q:会社としても、現場の働きやすさを後押しする仕組みがあるのでしょうか?
Mさん:はい。例えば「フロントローディング」といって、私たちが現場に配属される前に、本社の生産計画部が仮設計画やマスター工程を先行して作ってくれる仕組みに力を入れています。もちろん新しい取り組みなので、時には軌道修正することもあるんですが、現場の意見を取り入れ、どんどんブラッシュアップしていると実感します。運用を重ねることで、今後必ず現場を良くしていく制度だと期待しています。
また、資格取得の支援も手厚いです。一級建築士や一級建築施工管理技士なら試験直前に社内で特別講義があり、現場でも講義に参加できるように配慮してくれます。合格が条件ですが資格学校の費用補助もありますし、昔じゃ考えられなかったくらい環境は整っていますね。

家に届いた荷物から社会での役割を実感
Q:率直に伺います。転職して良かったと、今感じられますか?
Mさん:心から良かったと感じています。JFEシビルでは福利厚生がしっかりしていて、生活の軸が安定しているからこそ、安心して仕事に打ち込めます。現場手当や単身赴任手当などもあり、家族も満足してくれていると思います。
そして何より、自分の仕事が社会を支えていると実感できることが大きいですね。家に荷物が届いたときに、「あ、自分が担当した物流倉庫からだ」と気づくこともあります。自分が携わった大規模な建物が、人々の暮らしや社会活動につながっている。そこに大きなやりがいを感じていますね。

Q:最後に、転職を迷っている方へ、同じ中途入社の立場からメッセージをお願いします
Mさん:転職するときに考えていたのは、「もっと大きな建築に挑戦したい」「施工管理として成長したい」「仕事も家族も大切にしたい」という3つです。振り返ると、そのすべてをここで実現できました。もし今、かつての私のように新しい環境へ飛び込むことを迷っている方がいるなら、ぜひ思い切って一歩を踏み出してみてほしいです。
私自身は今後、所長となって大型プロジェクトを牽引することを次の目標に掲げていますが、同時に、これから入社される皆さんが何でも相談でき、安心して成長できるような現場の雰囲気をつくっていきたいと考えています。ぜひ一緒に、誇れる建物をつくっていきましょう。
文・撮影:酒井 悠一(アンドプロ編集部)
JFEシビル株式会社 関連情報
暮らしと現場勤務を支える福利厚生
住宅手当や現場手当、単身赴任手当、帰省交通費などを用意。現場宿舎費用は全額会社負担とし、JFE健康保険組合の保養施設も利用できるなど、生活面を支える制度が整う(各制度に適用条件あり)。
中途入社者が最前線で活躍
社員の約4割がキャリア採用。現在は40代の現場所長が中心で、30歳で中途入社し40歳で所長に登用された社員も。実力次第で早期に責任あるポジションを任される。
資格取得支援
一級建築士は試験直前の社内特別講義、試験前の勤務配慮、資格学校費用の一部補助(合格条件)など、現場にいながら挑戦できる支援体制がある。
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