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AIや残業規制の影響も解説施工管理の将来性は?今後の需要と働き方
2026/08/27 公開

施工管理の将来性は?需要拡大の理由やAI・働き方改革の影響を解説

目次

AIやDXにより現場の省人化やデジタル化が進んでいます。業界全体が変化していくなか、施工管理として長く働き続けることはできるのか、仕事内容や労働環境はどう変わるのかなど、施工管理の将来性が気になる人もいることでしょう。

この記事では、最新の業界動向とデータに基づいて、施工管理の今後の需要や、AI・働き方改革がもたらす影響を解説します。施工管理としての市場価値を高める方法もご紹介しますので参考にしてください。

施工管理の需要は高まっている

施工管理 最新の有効求人倍率|6.95倍(全職種:1.20倍)

※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「建築・土木・測量技術者」のデータを参照。設計職や測量士も含まれる)

国内の建設需要は、インフラ整備や防災対策など多様な需要により、堅調に推移しています。2025年の建設投資見通しは75兆5,700億円、前年度比3.2%増となりました(国土交通省「令和7年度建設投資見通し」)。

建設投資見通しの推移|(参考)21年度 62兆6,500億円(政府 24.53兆円、民間建築補修(改装・改修) 6.03兆円、民間住宅 15.35兆円、民間非住宅 16.74兆円)、22年度 66兆9,900億円(政府 22.53兆円、民間建築補修(改装・改修) 9.47兆円、民間住宅 15.97兆円、民間非住宅 19.02兆円)、23年度 70兆3,200億円(政府 25.34兆円、民間建築補修(改装・改修) 9.36兆円、民間住宅 17.41兆円、民間非住宅 18.21兆円)、24年度 73兆200億円(政府 26.21兆円、民間建築補修(改装・改修) 12.41兆円、民間住宅 16.55兆円、民間非住宅 17.85兆円)、25年度 75兆5,700億円(政府 25.21兆円、民間建築補修(改装・改修) 13.05兆円、民間住宅 16.36兆円、民間非住宅 20.95兆円)

※出典:国土交通省「建設投資見通し

その一方で、「2024年問題」と呼ばれる時間外労働の上限規制の適用開始や、「2025年問題」に代表される高齢化(就業者数の減少)などの影響により、建設業界は深刻な人手不足が続いています。

当然、人手不足なのは施工管理も例外ではありません。事実、施工管理の有効求人倍率は6.95倍と超売り手市場になっており、専門的な知識・スキルを持った施工管理経験者の需要が高まっています。

施工管理の今後の需要と将来性

前述したように多様なニーズから建設需要は堅調に推移しており、施工管理の需要は今後も拡大することが予想されます。また、その将来性も明るいといえるでしょう。

建設業界の成長はしばらく続く見込み

代表的な建設ニーズ|インフラ整備、防災対策、ビル・工場の新設・改修、物流施設、データセンター

高度経済成長期に集中的に造られた道路や橋梁、上下水道といったインフラの多くが、現在一斉に寿命を迎えている状態です。また、日本は地震や豪雨などの自然災害が多いため、迅速なインフラ整備や防災対策が求められています

加えて、首都圏や地方中核都市での駅前再開発プロジェクトも相次いでおり、老朽化したオフィスビルや商業施設などの改修や、エネルギー効率改善のためのリノベーションのニーズも拡大しています。

そのほか、物流施設やデータセンターの建設需要も増加しており、建設業界の成長はしばらく続く見込みです。

人手不足により施工管理の需要は今後も拡大

建設業界の需給ギャップ|省人化や労働環境の改善が進むも…|続く建設需要、工期の適正化、資材費の価格転嫁、DX、高齢化による就業者減|人口流出が激しく人材供給が間に合わない!

国土交通省が発表した資料(「最近の建設行政について」資料1)によると、建設業界の就業者は、55歳以上が36.7%29歳以下は11.7%となっています。全産業の平均(55歳以上が32.4%、29歳以下は16.9%)と比べても高齢化は深刻で、慢性的な人手不足の大きな要因になっています。

建設業界各社も、省人化や労働環境の改善に向けて、DX推進や工期の適正化などに取り組んでいますが、高齢化による労働人口流出のスピードはすさまじく、需給ギャップの解消は一朝一夕には難しいのが実情です。そのため、今後も施工管理の需要は増えていくと予想されます。

コラム

「経験・資格」という高い参入障壁

施工管理は、数ヶ月勉強したからといってすぐに現場を回せる仕事ではありません。職人さんとの関係構築や天候、資材の遅れを加味した工程の組み直しなど、「現場での泥臭い経験」がなければ務まらない職種です。

さらに、大規模な工事現場に配置が義務付けられている「監理技術者」になるためには、実務経験年数を満たした上で国家資格(1級○○施工管理技士)を取得する必要があります。

このように、他業界からの未経験者がすぐに戦力にはなれないという「高い参入障壁」があるからこそ、施工管理経験者の市場価値が落ちることは考えにくいでしょう。

AIやDXで施工管理の仕事はどう変わるのか

建設DXで「作業」は自動化される

業務領域

AI・ITツールが代替できること/人間(施工管理)にしかできないこと

書類・データ管理

AI・ITツール:写真の自動整理、日報の半自動化、図面の3Dモデル化(BIM/CIM)


人間(施工管理):現場の状況を考慮した最終的な「確認・承認」

工程・スケジュール管理

AI・ITツール:過去のデータに基づく工程表の自動生成、進捗のグラフ化


人間(施工管理):天候不良や資材遅延といったイレギュラーへの対応と再調整

コミュニケーション

AI・ITツール:チャットや共有アプリによる情報伝達の効率化


人間(施工管理):職人のモチベーション管理、施主・近隣住民との丁寧な交渉やきめ細かい配慮

安全・品質管理

AI・ITツール:ドローンやカメラによる危険箇所・施工ミスの自動検知


人間(施工管理):リスクの最終判断、職人への指導、安全意識の啓発

「AIやDXの進展で施工管理は不要になるのでは?」という声もありますが、施工管理の仕事が完全になくなるとは考えられません

たしかに、BIM/CIMやドローンによる測量、施工管理アプリによる写真・帳票の自動整理など、建設DXは急速に進展しており、図面・書類の作成や日報入力といった事務作業の多くはAIやITツールに代替されつつあります。ですが、それは施工管理の仕事を奪うものではありません

AIは施工管理の負担を減らすサポーター

「頑固な職人さんにどう動いてもらうか」「危険な兆候を察知して、現場の安全をどう確保するか」。このような人の感情に配慮したコミュニケーションや、トラブルに対する現場でのとっさの意思決定は、AIには代替できないものです。

むしろ、AIやDX化により、施工管理が「人と現場のマネジメント」に専念できるようになれば、長時間労働の是正にも直結します。AIやITは施工管理の負担を減らす強力なサポーターであり、施工管理にもAIやITと共存し、活用するスキルがますます求められるようになるでしょう。

残業規制(2024年問題)で変わった施工管理の働き方

業界全体で労働環境の改善が進んでいる

2024年4月より、建設業にも「時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間)」が適用されました。これにより、各社は生き残りをかけて省人化や労働環境の改善に取り組んでいます。

また、休日の確保に向けて「4週8閉所(4週間のうち、8日間は工事を行わないこと)」の取り組みも広がっています。週休2日を確保できるよう、業界全体が変わろうとしており、大手ゼネコンや優良なサブコンでは、すでに完全週休2日制が当たり前になりつつあります

建設ディレクターとの分業化も

近年では、建設ディレクターという職種を設け、写真整理や施工記録、ICT施工支援といった施工管理のノンコア業務を切り出して担ってもらうケースも増えています。こうした分業化により施工管理の負荷を軽減、残業時間を大幅に削減している企業もあります。

今後、待遇面や働き方の抜本的な改善が一層加速していくと見られ、施工管理の業務はさらに効率化していくと考えられます。

働き方の「二極化」が起きている

一方で、資材費・人件費の高騰で経営が悪化し、省力化や労働環境の改善を進められない企業もあり、業界内で「働き方の二極化」が起きているのが実情です。

そのため、長期的に働ける環境を求めて、業績が安定しており待遇もよい企業への転職が増えています

アンドプロでは、建設業界専門のコンサルタントが施工管理の転職市場動向を詳しくお伝えします。最新情報を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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施工管理としての市場価値を高めるには

働き方の二極化とDX化が進むなか、市場価値を高めて「より高い年収、より良いポジションで求められる施工管理」になるにはどうすればいいのでしょうか。ここでは施工管理の市場価値向上につながる視点やスキル、資格についてお伝えします。

施工管理に必要な視点を身につける

施工管理の4大管理と求められる視点|工程管理、原価管理:人、モノ、金を動かし、決められた工期と予算内でプロジェクトを黒字化させる経営的視点|安全管理、品質管理:人命を守り、建造物のクオリティを担保する技術的・倫理的視点

改めて言うまでもありませんが、施工管理とは建物の建設工事や道路・トンネル・橋を作る土木工事、電気設備工事などの現場を管理・監督する仕事です。

そのため、建造物のクオリティや現場の安全を担保する技術的・倫理的視点だけでなく、人、モノ、金を効率的に動かす経営的視点が求められます。

施工管理としての市場価値を高めるには、多くの経験を積み、案件の規模と責任範囲を大きくしていきながら、これらの視点を身につけることが大切です。

これからの施工管理に必要なスキルを身につける

施工管理に求められるスキル|(1)調整力・交渉力、(2)段取り力、(3)高いITリテラシー

施工管理は数千万円〜数十億円の予算と多くの人員を動かして、決められた工期・予算内で安全に工事を完了させるプロジェクトマネージャーです。今後、DX化や働き方改革がさらに進んでも、求められるスキルが本質的に変わることはないでしょう。

現場をまとめ上げて工事を遅延なく進める「調整力・交渉力」や「段取り力」が求められることはもちろん、これからの施工管理にとって「高いITリテラシー」を身につけることは特に重要といえます。

1調整力・交渉力

現場で指示を出すだけでなく、職人のモチベーションを維持しながら施主の難しい要望に対応するといった「板挟みの状況」をうまくまとめ上げる調整力・交渉力は、施行管理として最も重宝されるスキルです。関係者と円滑な関係を築いて現場をうまく回していける人は、どの企業からも高く評価されるでしょう。

2段取り力

工事を円滑に遅延なく進めるには段取力が不可欠です。働き方改革が進められている今、その重要性はますます高まっています。たとえば天候や資材の遅延リスクを事前に予測し、対応策を用意して効率よく現場を回すなどの段取り力は、そのまま施工管理としての評価に直結します

3高いITリテラシー

DX化に積極的に取り組む企業が増えている今、現場のIT化を推進してくれる人材の市場価値が高まっています。そのため、高いITリテラシーを持ち、BIM/CIMや施工管理アプリなどの新技術を「業務を効率化するもの」として柔軟に取り入れて活用できる人は、多くの企業で高く評価されます。

資格があれば市場価値はさらに高まる

資格

担当できる役割・工事規模

1級○○施工管理技士

  • 役割:監理技術者、特定建設業の専任技術者になれる
  • 工事規模:あらゆる規模の工事を担当できる

2級○○施工管理技士

  • 役割:主任技術者、一般建設業の専任技術者になれる
  • 工事規模:中小規模(請負金額4,000万円未満/建築一式工事の場合は6,000万円未満)が中心

施工管理として市場価値を高め、キャリアアップするには、施工管理技士という国家資格が求められます。監理技術者・主任技術者といった建設現場で責任のあるポジションに就くために必要な資格で、会社によっては資格取得が昇進・昇格の要件になっている場合もあります。

施工管理技士の資格には、建築や土木、管工事など7つの専門分野があり、それぞれ1級と2級があります

公共工事を受注する際、1級施工管理技士がいれば審査の際に高い加点がなされるため、1級の資格保有者は企業にとって貴重な人材であり、市場価値も年収も高くなります。会社によっては、1級を保有しているだけで毎月数万円の資格手当が支給されるケースもあります。

また、2級の資格保有者も転職市場で「即戦力」として評価されるため、待遇の良い企業へのステップアップが可能です。

施工管理としてのキャリアを確かなものにするために

環境が整った企業へ転職するのもひとつの方法

前述したとおり、建設業界では待遇面や働き方の抜本的な改善を進める動きが広がっていますが、一部には経営的な問題などから省力化や労働環境の改善を進められない企業もあり、「働き方の二極化」が起きています。

施工管理としてキャリアを積み、長く活躍するためには、労働環境や待遇の改善が進んだ企業に転職するのもひとつの方法です。

具体的には、同業種であっても規模が大きい企業のほうが業績が安定しており、DX化が進んで、働きやすい環境が整っている傾向があります。

また、デベロッパーやメーカーなどの発注者、ゼネコンなど業界ピラミッドの上流に位置する企業ほど年収が高く、働き方改革も進んでいる傾向があります。プラント領域の大手エンジニアリング企業やスーパーゼネコンに転職すれば、大幅な年収アップが見込めるほか、CM会社(※)へシフトするのも有効なキャリア戦略です。

※CM(コンストラクション・マネジメント)…発注者側の立場から、設計や計画立案のほか、コストや品質、スケジュール、情報管理を行う。

大手以外でも働きやすい企業は増えている

とはいえ、大手だけがおすすめというわけではありません。大手以外でもDX化や建設ディレクターの導入などに積極的に取り組み、働きやすい環境を整備している企業が増えています

人手不足により転職のチャンスが広がっている今、業務の効率化や労働環境の整備に積極的に取り組む企業を見極め、そうした企業に転職することで、施工管理としての将来性を確かなものにできる可能性が高まるといえるでしょう。

アンドプロでは、年収アップをはじめ、あなたの希望に合ったキャリアプランや求人をご提案します。お気軽にお問い合わせください。

転職で業界ピラミッドの上流を目指すには?

施工管理 応募先別の転職難易度|全体的に転職難易度は低い。ただし上流ほど採用倍率は高い。階層を飛び越えるのは難易度が高い|転職難易度の高い順:発注者、スーパーゼネコン、地場ゼネコン、サブコン、ハウスメーカー、専門工事会社、リフォーム会社

人手不足で転職しやすい状況になっているとはいえ、転職の際には関わってきた案件の種類・規模の親和性が問われます。そのため、たとえばハウスメーカー(木造)からゼネコン(RC造)への転職など、案件の種類が異なったり、扱う案件の規模感(受注金額)が大きく違う場合、転職の難易度は高くなる傾向です。

業界ピラミッドの上流を目指すなら、まず現職よりも少し大きな案件を扱う企業に転職して段階的に経験の幅を広げていくことをおすすめします。

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