
株式会社大林組に転職するには?難易度・中途採用情報と対策
日本の建設業界を牽引するスーパーゼネコンの一角である大林組は、130年を超える歴史の中で培われた確かな技術力を基盤に、「つくるを拓く」というパイオニア精神のもと、常に新たな価値創造に挑戦し続けている企業です。
近年は、従来の建設事業に留まらず、再生可能エネルギーやICT技術を活用した次世代の設計・施工管理システムなど、新領域への進出を加速させています。
大林組は、こうした事業の多様化とグローバル展開を背景に、経験豊富な人材の中途採用や、過去に同社に在籍していた社員の再雇用(アルムナイ採用)を行っています。
本記事では大林組への転職を検討されている方に向けて、同社の事業内容や中途採用の方針、求める人物像、そしてキャリアパスや処遇に関してくわしく解説します。
大林組はどんな会社?
大林組は、建築や土木といった基幹事業を通じて、国や時代を動かす社会基盤の整備に貢献してきた総合建設会社(ゼネコン)です。
その活動は、単に建物を「建てる」ことに留まらず、都市開発や新領域事業へと広がりを見せており、常に未来を見据えた挑戦を続けています。
「つくるを拓く」パイオニア精神の源流
大林組の根底にあるのは、創業以来受け継がれてきた「良く、廉く、速い」という三箴(さんしん)の精神であり、優れた技術による誠実なものづくりを通じて、空間に新たな価値を創造することを企業理念に掲げています。
この精神は、「つくるを拓く(MAKE BEYOND)」というブランドビジョンに集約され、現在の事業展開においても、既成概念に捉われず、常に新しいことへの挑戦を促す文化となっています。
建設業界におけるゼネコンの役割は、発注者から工事を直接請け負い、企画提案から、専門工事会社などの協力会社と連携してプロジェクト全体を推進する「指揮者」です。
大林組が手がけるのは、オフィスビルや高層マンション、病院、学校といった身近な建築物から、道路、トンネル、ダムなどの大規模インフラ、さらには街全体を創造する複合開発まで、多岐にわたります。
グローバルな事業展開とサステナビリティへのコミットメント
大林組は、1964年のタイ事務所開設以来、50年以上にわたり海外展開を進めてきたグローバルカンパニーでもあります。
北米、東南アジア、オセアニア、中東など世界各地に拠点を持ち、高い技術力を活かして、各国の社会インフラ整備や大規模プロジェクトに数多く参画しています。
また、社会課題の解決にも真摯に取り組んでおり、長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上をめざすESG経営を推進しています。
このビジョンでは、脱炭素社会の実現やウェルビーイング(安全・安心・快適・健康)に焦点を当て、建設物や土木構造物の長寿命化、CO2排出抑制といったソリューション提供を通じて、社会のニーズに応えることを基本戦略としています。
大林組の中途採用方針・求める人物像
大林組は、従来の建設事業の強化と、グローバル展開および新領域事業の拡大という変革期を迎えており、これらの戦略を推進するために、多様な経験をもつ中途採用を行っています。
中途採用は、各職種の経験者として「経験者採用」と、過去の経験を活かして復職する「アルムナイ採用」が用意されています。
なお2024年度の経験者の採用数は98人でした。
中途採用強化の背景
大林組が中途採用を強化する背景には、以下の要因が挙げられます。
グローバル事業の拡大と組織強化
中期経営計画において、海外事業をグループの重要な収益源の一つと位置づけており、建設事業のさらなるグローバル展開と、海外各拠点での収益基盤の多様化を支えるための組織構築を図っています。
これに伴い、海外で即戦力となる専門性の高い人材が求められています。
新領域・技術イノベーションへの挑戦
再生可能エネルギー事業(風力・太陽光・バイオマス)や、アグリビジネス、PPP/PFI事業など、建設・開発以外の「新領域事業」を第4の事業の柱として確立・拡大させています。
これらの新しい分野への挑戦には、幅広い知識と専門性を持った経験者の参画が欠かせません。
建設DXの加速
建設業の生産性向上や安全性の確保、スマートなワークスタイル実現のため、ICT、AI、ロボティクス技術の導入を加速させています。
現場でのBIM/CIM活用、デジタル技術導入、情報システム構築など、情報技術と建設技術の両方のスキルを持った情報技術者のニーズが高まっています。
求められる人材
大林組の企業行動規範には、「多様な人材が個性と能力を活かして、やりがいを持って働くことのできる職場環境をつくる」と示されており、中途採用においても、これまでのキャリアや専門性を存分に活かすことが可能でしょう。
必要なスキル・経験・マインド
大林組への転職においては、これまで培った経験から得た技術的専門性と、それをチームで活かすための人間力が見られています。
専門性と挑戦を支える技術力
「技術の大林組」として、新たな知識やスキルの吸収、技術開発への積極的な姿勢が求められます。
特にICT技術が進化する情報系では、実現したいシステム像を持ち、自ら発信できる力が大切です。
エンジニアリングや設備分野では、専門を活かしつつ他分野にも挑む応用力が重視されます。
キャリア採用では実務経験が重視される傾向があり、土木施工や機電系技術者には関連資格の保有が望まれます。
プロジェクトを推進するマインドと協調性
大規模建設には多くの関係者との連携が欠かせないため、高いコミュニケーション力やプレゼン力が求められます。
また、現場は常に挑戦の連続であるため、どんな困難にも前向きに立ち向かい、周囲と協力して解決へ導くバイタリティも重要です。
大林組の平均年収・年収モデル
大林組の過去5年間における平均年収は1,000万円台の高水準で推移しています。
年度 | 平均年収 |
|---|---|
2024年度 | 1,140万円 |
2023年度 | 1,066万円 |
2022年度 | 1,032万円 |
2021年度 | 1,025万円 |
2020年度 | 1,032万円 |
出典:大林組「有価証券報告書」
※平均年収は出典情報をもとに千円台を四捨五入
大林組の会社概要と事業内容
大林組は、長年にわたり日本の建設業界をリードしてきた実績と、未来の社会基盤を創造する革新性を兼ね備えた企業です。
会社概要と事業領域
項目 | 内容 |
|---|---|
社名 | 株式会社大林組(OBAYASHI CORPORATION) |
本社 | 東京都港区港南2丁目15番2号(品川インターシティB棟) |
創業/設立 | 創業:1892年(明治25年)1月 / 設立:1936年(昭和11年)12月 |
資本金 | 577.52億円 |
従業員数 | 9,386人(2025年3月末現在) |
事業領域 | 国内外建設工事、地域開発・都市開発・その他建設に関する事業、エンジニアリング・マネージメント・コンサルティング業務の受託、不動産事業ほか |
事業の4本柱 | 建築事業、土木事業、開発事業、新領域事業 |
成長中の注力分野
大林グループにおいて、注力している事業分野や市場の傾向について下表にまとめました。
事業分野 | 概要と市場の傾向 |
|---|---|
海外建設事業 | 北米、東南アジア、オセアニアを中心に展開し、高い技術力を活かしたインフラ整備や大規模商業施設などの建設を通じて、大林グループの重要な収益源となっている。 |
エンジニアリング事業 | 建設事業の強みと高度な専門技術を融合させ、半導体、医薬品などの生産施設、再生可能エネルギー施設建設、建物のICT化、土壌・水質汚染対策を柱として「建てる+α」の付加価値を提供している。 |
グリーンエネルギー事業 | 2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みであり、太陽光や風力、バイオマスによる発電事業を推進。国内外でカーボンフリーなグリーン水素のサプライチェーン構築実証事業にも取り組んでいる。 |
開発事業 | タイ・バンコクでの大型開発など、海外での不動産事業も拡大中。 |
大林組の役職・キャリアパス
大林組では、社員の能力開発とキャリア自律を支援するため、体系的な育成制度と、実務を通じて成長を促すジョブローテーション制度を導入しています。
昇給・昇格の仕組み
昇格や昇進は、職務内容や求められる資質に基づき、全国型職員、拠点型職員のいずれも公平に評価される体制です。
若手社員に対しては、入社直後からスケールの大きな仕事を任せることで、迅速な成長を促しています。
キャリア自律を支援する取り組み
大林組での配属先の決定やキャリア形成においては、本人の希望と適性、そして配属先のニーズで総合的に判断されます。
社員は、面談制度や自己申告制度を通じて、自身の希望やキャリアの方向性を人事部門に伝えることができ、個々人が主体的にキャリアをデザインする「キャリア自律」を支援する仕組みが機能しています。
大林組の働き方・研修制度・福利厚生
大林組は、社員が長期的に活躍できるよう、働き方改革を推進し、充実した研修制度と福利厚生を整備しています。
働き方
大林組では、建設業のイメージを変えるため、ICTによる「スマートなワークスタイル」を実現し、多様な働き方を支援しています。
時差出勤
就業規則に定める始業時刻と終業時刻について、各々2時間まで繰り上げ、または繰り下げできる時差出勤制度があり、個人の事情に応じた柔軟な働き方が可能です。
労働時間
所定労働時間は8:30〜17:15(7時間45分)です。
時間外労働はありますが、業務効率向上のためのICT化をめざすチームが組織され、生産性の向上とワークライフバランスの実現に向けた取り組みが進められています。
休暇取得
年次有給休暇は1年度につき20日付与され、1日単位だけでなく半日単位、または時間単位で取得可能です。
時間休や半休を上手く活用することで、仕事もプライベートも両立できているという利用者の声もあります。
育児・介護支援制度
短時間勤務制度として育児(小学校3年生の年度末まで)、介護(上限3年)、障がい者手帳を持つ社員を対象に利用可能であり、仕事と家庭・健康の両立をサポートしています。
大林組のキャリア支援・育成制度
大林組は、人材育成を事業の根幹と捉え、OJT(職場内教育)を主軸に、職種横断的な学びやグローバルな視野を養うための各種制度を設けています。
OJTと指導員制度
人材育成は、実務を通じて行われるOJT(職場内教育)が中心です。
指導員制度や面談制度を設け、きめ細かな指導とフィードバックが行われます。
ジョブローテーション
大林組では多くの職種にて、体系的な知識と幅広い視野を習得するためのジョブローテーションが実施されます。
- 事務職
社会人としての基礎知識やマナーを学び、社内ルールを習得するため、入社後7~10年で3つの部門(管理、営業支援、開発、生産支援、現場事務など)を経験します。 - 設備職
設計、見積、施工管理の3部門をローテーションで経験し、ゼネラリストとして必要な知識とスキルを習得した上で、スペシャリストとしての専門性を追求します。
キャリア自律と公募・トレーニー制度
社員の主体的なキャリア形成を支援するため、配属希望については、面談制度や人事部への自己申告制度を採用しています。
また、グローバルな活躍を希望する社員向けに、海外トレーニー制度を用意。語学力やマネジメント能力を高め、世界で通用する技術者をめざすことができます。
キャリア自律支援の取り組み
大林組は、社員が自らのキャリアを主体的に構築できるよう、以下のような支援を行っています。
アルムナイ採用制度
退職した社員の再雇用制度である「アルムナイ採用制度」が導入されており、過去のキャリアや社外での経験を活かして、再び活躍できる道筋が開かれています。
社員の多様な働き方を支援し、人生の段階に応じて柔軟なキャリアを選択できる環境が用意されています。
資格取得支援と自主的な学び
設計部門では、一級建築士などの資格取得を支援するプログラムが用意されています。
また、社員の自主的な学びを奨励する風土があり、設計部門内では、社員が自発的に行っている勉強会が年間100回以上開催されています。
これらの活動は、専門知識の深化だけでなく、建築ビジネスの未来について議論し、変革に挑んでいく姿勢を育んでいます。
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