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2025年下半期
研究・開発(化粧品)転職市場トレンド徹底解説
2025/9/4

【2025年下期】研究・開発(化粧品)の転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 安定需要で求人は「売り手市場」継続
  • 販路拡大・商品多様化で重要性UP

化粧品業界 研究・開発の転職は「売り手市場」

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新しい商品を作れるのが「研究・開発」の魅力…でも転職は難しい印象です。

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難関なイメージもありますが、業界全体の最新トレンドは求職者が有利な「売り手市場」。研究職も同様の傾向です。

化粧品業界・その他職種の転職市場はこちら
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化粧品業界 研究・開発職「基礎研究」「処方開発」の違いとは?

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まずは2つの職種に求められる業務の分類についておさらいです!

研究・開発職には、2つの方向性がある|(1)基礎研究:新しい成分の発見や、皮膚への影響など実験での探求に焦点をあてている。大手企業がほとんどで、求人数は少ない|(2)処方開発:商品企画系部署からの製品アイデアを、調合により具体的な商品にする。大手・中小・OEM企業など多くの企業で求人があり、求人数も多い

注:従業員1000人以上の規模を「大手企業」と仮定

Point!

成分や効能を探求する「基礎研究」は、主に大手企業に限られている一方、成分を組み合わせて形を作る「処方開発」は多くの企業に求人があり、採用意欲も高い状況です。

なぜ企業の採用意欲が高い?化粧品業界の最新動向解説

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なぜ化粧品業界の転職は売り手市場なのでしょうか?

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背景を知るために業界の現状を見ていきましょう!

コロナ禍の外出制限がとけた2022年以降、化粧品業界の市場規模は回復基調にあります。各企業は安定した需要を背景に今後の業績を支える人材を求めています。

化粧品業界が「売り手市場」である理由

理由① 回復傾向の国内市場
理由① 回復傾向の国内市場

市場規模は回復傾向
メイク需要回復・インバウンドも追い風

理由② 安定した収益基盤
理由② 安定した収益基盤

「基礎化粧品」の売上が7割以上
流行に左右されない安定した収益基盤

理由③ 販売業者数の増加
理由③ 販売業者数の増加

参入業者は右肩上がりで求人数も増加
中途採用は売り手市場が継続

理由④ 複合的な要因
理由④ 複合的な要因

複合的な要因で人手不足
求人数は前年比で増加傾向

Point!

コロナ禍から回復し、化粧品の根強い需要が再確認されました。参入のしやすさから事業者も増加傾向。それゆえ、業界単位の求人は求職者有利の「売り手市場」となっています。

※1、2 出典:経済産業省「生産動態統計 調査」(2024年)
※3 出典:厚生労働省「令和5年度衛生行政報告例」
注※2:表内では、同統計の「頭髪用化粧品」を「ヘアケア」、「皮膚用化粧品」を「スキンケア」、「仕上用化粧品」を「メイクアップ」、「特殊用途化粧品」を「その他」、「香水・オーデコロン」を「フレグランス」に読み替える

化粧品業界の将来性は?懸念要素も解説

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次に業界の将来性を占う3つの要素を見ていきましょう!

国内市場は成長傾向にあり、2026年には過去最高額水準に到達する見通し。27年以降もさらなる成長が予測されている|成長の主な要因は2点|(1)男性化粧品の需要増、(2)メイクアップ化粧品の需要増

※1 出典:経済産業省 商務・サービスグループ『化粧品産業の持続的な発展における今後の方向性に関する調査』(2024年)
※2、3 出典:経済産業省「生産動態統計 調査」(2024年)

国内事業規模は、2026年には過去最高だった2019年水準に回復すると予想され、その後も長期的に事業拡大が見込まれます。メイク需要の回復や、メンズメイクの急伸もそれを支えます。

化粧品業界は、販売チャネルの多様化で競争が加速。次の2つの要因で売上が伸びている|(1)EC販売が伸長:2024年の売上は9709億円(過去5年間で47%増加)|(2)韓国・台湾・東南アジアなど、アジア諸国からの輸出入が伸長:2024年の輸入額は1415億円(過去5年間で34%増加)、輸出額は1251億円(過去5年間で36%増加)

※1 出典:経済産業省「令和5年度電子商取引に関する市場調査 報告書」(化粧品・医薬品のEC市場規模)
※2 出典:財務省「貿易統計」

実店舗の売上比率が高い化粧品市場ですが、コロナ禍を経てEC販売も徐々に定着化。SNSを通したインフルエンサーブランドが注目されています。また、「韓国コスメ」の流行などでアジア圏の輸入額も増加。国内市場の競争は激しさを増しています。

海外関連売上が不安定であり、先行き不透明な状態|(背景1)中国経済の低迷:2024年の中国人来訪客は約698万人で、5年前から27%減少|(背景2)貿易リスクの拡大:為替相場の不安定な状況や、関税による影響がみられる

※ 出典:日本政府観光局「訪日外客統計」

一方、中国の景気減速や関税による貿易摩擦リスクにより、海外の売上は先行き不透明です。東南アジア諸国などへの輸出先分散やリスクヘッジが今後のカギとなります。

化粧品業界 研究・開発職の将来性は??

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次に、研究・開発職における将来性や中途採用の傾向について解説していきます。

研究・開発職の重要性を高める4つのトレンド|(1)SNS:ソーシャルメディアのトレンドの影響によって、開発サイクルが短期化|(2)D2Cモデル:消費者直販モデルの台頭によって、開発サイクルが短期化|(3)メンズコスメ:男性肌に関する研究が増加|(4)パーソナライズサービス:消費者ごとにカスタマイズされた処方開発の必要性が発生

SNS発信のトレンドやD2C(直接販売)モデルの台頭で開発サイクルが短くなっています。

加えて、メンズコスメ定着化による男性肌の研究や、消費者ごとにカスタマイズされた「パーソナライズサービス」の処方開発など、新製品開発における研究職への期待は高まっています。

さらに、シェアが一部の企業に集中していないことも、研究系職種に期待が集まる理由の一つです。

化粧品業界のメーカーごとの国内シェア|資生堂グループ13.2%、花王グループ12.1%、コーセーグループ7.3%、P&G3.7%、ポーラ・オルビス3.0%、その他60.7%

注:2019年時点での割合

出典:経済産業省「化粧品産業ビジョンの策定について」(令和3年4月)

化粧品の国内シェアはトップクラスの資生堂・花王ともに1割ほど。製品開発によってどのメーカーもチャンスがあるため、研究・開発の重要性は引き続き変わらないでしょう。

化粧品業界 研究・開発職の中途採用傾向は?

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中途採用の傾向は企業群ごと3つに分けられます。

大手企業でニーズのある人材

中途採用の傾向:大手企業は求人数が少ない|3つの傾向:(1)内部異動・欠員補充が多い、(2)高い専門性と成果が前提、(3)英語論文の読解力があれば有利に

求人枠が少なく競争率は高め。即戦力 + 英語や論文実績など“プラスα”を持つ人が選ばれやすい。

中堅企業などでニーズのある人材

中途採用の傾向:中堅企業・OEM企業は求人数が多い|3つの特徴:(1)処方開発求人がほとんど、(2)OEM企業は量産関連の経験を歓迎、(3)顧客対応含めた幅広い経験を歓迎

経験者を中心に幅広く採用。「多品種・短納期」に対応できる能力が評価されやすい。

スタートアップ企業でニーズのある人材

中途採用の傾向:スタートアップ企業は求人数が多い|3つの特徴:(1)処方開発求人がほとんど、(2)化粧品以外の商品開発経験も評価される、(3)領域特化した研究職求人もある

理系の学歴・職歴であれば経験が浅くても挑戦OKのケースが多い。

注:従業員1000人以上の規模を「大手企業」と仮定

Point!

新卒から人材を育てられる大手企業や有力な中小企業では「欠員募集」が多く、時期によって求人内容は大きく変わります。最新トレンド詳細は専門のコンサルタントへ相談するのがおすすめです!

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化粧品業界研究・開発職の年収は?キャリアパスは?

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やはり年収は気になります。研究職でキャリアを積んでいくと、どんな未来が待っているのかな…?

化粧品業界 研究・開発職の年収目安は?

研究・開発職の年収は、職種によって異なる|基礎研究職の場合、20代は400万円~600万円、30代は600万円~800万円、40代は800万円~1000万円|処方開発職の場合、20代は350万円~500万円、30代は500万円~700万円、40代は700万円~900万円

化粧品業界は100年以上の歴史がある企業も多く、年齢に応じて給料が上がりやすい安定的な待遇が特徴です。

2024年に当社のサービスを通して転職を希望した方のデータを見ても、同様の傾向が読み取れます。

化粧品業界の平均年収は551万円(給与所得者全体の平均は530万円)|職種によっても異なり、基礎研究職は平均658万円と高め、処方開発職は平均529万円と平均的な給与水準

※1 アンドプロ調べ 
※2出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」正社員(正職員)の平均給与

化粧品業界 研究・開発職 年代別平均年収

年代別の平均年収|25~29歳は422.6万円、30~34歳は478.0万円、35~39歳は595.8万円、40~44歳は690.6万円、45歳以上は990.4万円

アンドプロ調べ 

化粧品業界研究職の方の平均収入は、基礎研究職が約658万円、処方開発職が約529万円と平均~やや高く、年齢に応じて上昇していることがわかります。
企業数が多く、年収や待遇にも幅があるため、能力が高い人材は転職によって待遇改善がかないやすい業界であるといえます。

化粧品業界「基礎研究職」のキャリアパス

基礎研究職は、学生時代から学んだ知識や技術を活かし、皮膚や化学成分を研究。よりよい商品づくりの基礎を担います。
論文作成、学会発表などアカデミックな要素が強く、研究者として研究機関に招へいされる可能性もあります。

基礎研究職のキャリア例|20代:理系大学、大学院卒業後に入社。実験、論文作成補助を担当。必要スキルは、研究に必要な基礎能力・コミュニケーション能力|30代:チームリーダーや主任研究員として、新規素材・独自技術の研究開発や、後輩指導を担当。必要スキルは、専門分野への深い知見・プロジェクトマネジメント能力|40代以降はキャリアパスが「研究グループリーダー」と「首席研究員」に分岐する。研究グループリーダーは、研究戦略立案や予算管理を担当。必要スキルは、研究開発力やマネジメント能力。主席研究員は研究の企画・主導を担当。必要スキルは、高度な専門知識。

化粧品業界「処方開発職」のキャリアパス

処方開発職は、商品企画部署からの要望を「化粧品」の形に作り上げます。知識はもちろん、要望を実現するための連携能力も重要となります。
連携能力を評価され、企画系の管理職に進む可能性もあります。

処方開発職のキャリア例|20代:理系大学、大学院を卒業後入社し、処方試作や安全性テストを担当。必要スキルは、研究に必要な基礎能力・コミュニケーション能力|30代:チームリーダー・主任開発者として企画部との協業や製品開発の主導、後輩指導を担当。必要スキルは、原料知識・製剤への知識応用・商品化に向けた他部署との協業能力|40代以降はキャリアパスが「開発部門管理職」と「企画系部署管理職」に分岐する。開発部門管理職は、開発体制の管理維持やマネジメントを担当。必要スキルは、事業内容に沿った開発企画力、マネジメント能力。企画系部署管理職は、開発知識応用やマネジメントを担当。必要スキルは、開発企画力とマネジメント能力。

化粧品業界 研究・開発職の転職で求められるスキルと実績とは?

企業側は、転職者に募集ポジションに応じた経験と実績を求めるとともに、「チームプレーを重視する業界文化」に適応できる人材を望んでいます。

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よし!転職にチャレンジしてみよう。私の経歴や能力で採用されるかな?

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採用担当者が求めている人物像を、評価ポイントから見ていきましょう!

特に書類選考で重視されること

書類選考では 「年代に応じた実績」 と 「応募先企業のスキル期待値」 のバランスで通過の可否が検討されます。

求められる業務経験の目安

20代 自立して業務可能か
30代 上記+リーダーとして業務主導
40代~上記+マネジメント

注:基礎研究職は年齢幅+10歳も検討可

企業群別、スキルの検討ライン|大手企業:ヒット商品の開発経験と大きな売上貢献実績がある|有力中堅企業・OEM企業:開発や売上でのチーム貢献実績がある|中堅企業・OEM企業:業務経験を通じた化粧品開発プロセスの理解がある|スタートアップ:化粧品への強い関心と何らかの商品開発経験、理系の学歴または職歴がある

研究・開発の経験値を示す具体的成果(新技術の導入や処方改良による削減コストなど)を盛り込んだ書類に仕上げることがポイントです。

特に面接選考で重視されること

特に面接選考で重視される3つのこと|(1)これまでの業務進行方法、(2)論理的思考力、(3)職務経歴の確認

面接選考では 

  1. 自社の業務進行に馴染めるか
  2. 論理的に要点を整理し、一貫性ある回答ができるか 
  3. 職務経歴書の内容を根拠やエピソードを踏まえて具体的に語れるか 

3点がひと続きで確認されます。

基礎研究職では研究プロセスでの仮説構築や、最新研究のキャッチアップも重視。

処方開発職では企画系部署との連携があるため、コミュニケーション能力も重視されます。

その他重視されること

その他重視されること|社内ニーズにフィットしているか:欠員募集では、欠員の役割を担える人をピンポイントで採用する場合がある|SPIの実施:基礎的能力や協調性を測る選考が実施される場合が多い

特に大手企業では欠員募集が多いため、「ピースを埋めるピンポイントな人材か」各求人で独自の視点があることが多くあります。

選考におけるSPIの実施率が高く、ここでも「チームの一員として動けるか」判断されることも特徴の一つでしょう。

Point!

各社の「業務の進め方」や「社内の人材ニーズ」はご自身で調べることが難しい場合もあるため、業界での支援実績があるエージェントに尋ねてみるのもひとつの手です。

化粧品業界の研究・開発 転職で有利な資格は

語学スキルは外資系企業の場合、有利になることがあります。

一方、「日本化粧品検定」などの民間検定は合否を左右する評価にはならないケースが多く、基本的には業務経験の評価が中心となります。

TOEICのスコアは、750以上が求められる(800以上であれば尚可)。場合によって、中国語検定や韓国語検定なども需要がある。

【転職成功例】化粧品業界 研究・開発職 未経験も可能?年収UP事例は?

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求人の数が多すぎて、実際にどれが自分に合っているかわからないな…

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企業側のことも熟知しているエージェントに相談してみてください!数ある求人から希望に合ったものを見つけられた方々をご紹介します!

希望通りに採用された実例から、成功のポイントを解説します。

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業界未経験者の採用ハードルは高いですが、食品業界での高い実績と大学で学んだ化学の知識がポテンシャルも加味した企業ニーズとマッチし、未経験ながら採用となりました。

さらに大手で活躍したい場合の転職成功事例|30代後半(中堅化粧品メーカー勤務、基礎研究職(細胞培養))は、大手化粧品メーカーへ転職し基礎研究職に。年収は500万円から650万円にアップ。転職成功の勝因は、企業ニーズとの細かいマッチ。

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ライフイベント離職者が発生した大手企業から基礎研究メンバーの募集が掛かり、年代やチーム内での役割・過去の研究内容など細かいニーズがマッチ採用となりました。

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企業側のニーズを把握し、ご自身の経歴や実績を的確にアピールすることが重要です。上記記事に詳細なテクニックが書かれていますのでぜひチェックをしてみてください。

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
小幡 瑞季
メーカー(消費財)

消費財メーカー専門のコンサルタント。化粧品業界を中心に管理職から若手まで幅広くサポート実績があり、ご支援人数は累計500名超。社内MVP、準MVPなど複数回の表彰歴あり。

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