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2025年下半期
化粧品業界転職市場トレンド徹底解説
2025/9/12

【2025年下期】化粧品業界の転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 安定需要で「売り手市場」継続
  • グローバル化、EC伸展で企業間の競争が激化

日本の化粧品市場市場概況|国内市場規模は約1兆3859億円で、2年連続増加。米中に次ぐ世界3位の規模|(参考)国内企業売上高ランキング:1位は資生堂で約9906億円、2位はコーセーで約3228億円、3位は花王で約2441億円、4位はロート製薬で約1904億円、5位はポーラ・オルビスホールディングスで約1704億円

※1 出典:経済産業省「生産動態統計 調査」(2024年)
※2 注:各企業の2024年12月期決算をベースに編集部が集計して作成

化粧品業界の転職動向 求人は「売り手市場」

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化粧品業界でもっと活躍していきたい! でもどうすればいいでしょうか?

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転職を検討するのも一つの手です。現在は「売り手市場」のため、専門性を持った人材は市場価値が高く、待遇やキャリアを上げやすい状況になっています。

参考指標となる厚生労働省発表の製造業求人数は、コロナ禍によって一時減退したものの、経済正常化により現在は安定推移

人手不足により、全職種を含めた有効求人倍率は「1.19(2025年7月・パートタイム除く常用)」と求職者に対して求人数が多い「売り手市場」となっています。この状態は2025年下期でも続く予想です。

製造業界新規求人を月平均に直したものです。全業界の折れ線グラフは参考値のため記載なくてOK (2019年)65,727 (2020年)46,062 (2021年)57,719 (2022年)66,847 (2023年)62,090 (2024年)57,690 (2025年上半期)57,924

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(産業別 製造業)」

【最新】化粧品業界転職が「売り手市場」の背景とは

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転職市場は求人数が多い「売り手市場」のようだけど化粧品業界で今、本当に動いていいの?

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あなたのスキルや専門性をどのように活かせるのか、まずは業界の「今」を見て考えてみましょう。

化粧品業界の市場規模は、2022年コロナ禍の外出制限が解けて以降堅調な回復をみせ、今後も市場規模の拡大が予想されています。

化粧品業界の国内市場は、2019年比で約79%まで回復。中国市場悪化でインバウンド売上が戻っていないものの、外出産業とともに堅調に回復。2027年には過去最高売上になる見込み|(参考)各外出産業の市場規模(2019年比):百貨店は100.3%、外食産業は134.9%、ファッション・アパレルは85.4%

回復と成長予測の要因

✓ メイク需要の回復(22年比で約20%出荷額増加)
✓ メンズ市場の開拓(コロナ禍前よりも出荷額増加)
✓ 東南アジア市場の開拓(輸出入ともに増加)

一方、東南アジア市場の商品流通やEC販売の伸長などにより、競争が激化しており、各企業は新たな商品開発や流通に貢献できる人材を求めています。

※1出典:経済産業省「生産動態統計 調査」(2024年)
※2出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」
経済産業省「商業動態統計年報」(織物・衣服・身の回り品小売業)
総務省統計局「家計調査」外食支出額
よりそれぞれ算出

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次に求人の内容にも影響する、最近の業界動向についてポイントを確認しましょう!

化粧品業界の最新動向3つのポイント

ポイント① EC化が進む

2014年から2023年の10年間で、EC化率は約2倍に。コロナ禍でオンライン販売が加速したことや、SNSから直接販売に移行するD2Cモデルも増えたことで、チャネルが拡大している|衣料品や家電と比較するとEC化率はまだ低い水準のため、今後も高まると予測されている

ポイント② 輸出入が増える

2014年から2023年の10年間で、化粧品輸出額は約4倍、輸入額は約2倍に増加。国内市場の成熟に対して、グローバルに打開策を見出す企業が増えたことや、オンライン販売の普及によって、輸出入が加速している|韓国コスメブームなど輸入も増加しており、グローバルな競争力は今後もさらに求められる見込み

ポイント③ 巨大OEM誕生(2024年)

日本コルマーホールディングスによるトキワの買収により、売上規模約1000億円のTOAグループが誕生し、市場の競争が激化|また、消費者ニーズの多様化により、多品種を短いサイクルで開発する必要性が増したことや、巨大な開発委託先が誕生したことで、競争が激化している|今後も生き残るには、各社の独自の開発力が重要なポイントとなる見込み
Point!

過去10年でオンライン販売が普及したことにより、グローバルも含めた商品展開のチャネルが多様化
商品開発は重要性を増し、今後は競争力の維持や、グローバル展開の足掛かりとしてM&Aが加速する可能性もあるでしょう。
輸出入に対応できる品質管理人材も強く求められています。

化粧品業界での求人の見つけ方

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化粧品業界で転職を考えたとき、どのように求人を選ぶべきでしょうか?

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企業数・求人数共に多いのが特徴です!
そのなかからご自身に合った業務や環境を選ぶことが大切です。

化粧品業界は2000年代の規制緩和によって参入障壁が低くなったため、国内の化粧品販売業者登録数は現在4,000を超えています。

販売ルートの多様化などで、大手以外のメーカーも存在感を増しており、求人の種類や数も増えてきています。

化粧品業界の構造と変化

国内化粧品販売企業は4000社超と、多様な求人・キャリアチャンスがある一方で、大手への転職は突出した実績が必要な状況|企業ごとの採用傾向…大手企業(全体の1%):厳選採用傾向・各業種選任の傾向、中堅メーカー・OEM(5~10%程度):求人数が多い・多様な業務経験可能、スタートアップ・中小企業(90%程度):未経験採用求人も多い
化粧品業界の売上の半数以上(60.7%)が、非大手企業。製品・ブランドが細分化されているため、大手企業による売上シェアの独占率は低い|ただし、今後競争が激化する可能性あり。各社の得意な領域の見極めが必要

出典:経済産業省「化粧品産業ビジョンの策定について」(令和3年4月)
注:2019年時点での割合

コロナ禍後の販売チャネルの2つの変化|(1)消費者行動の変化に合わせた売り場、デジタル販売が伸長(ドラッグストア、EC、D2Cなど)|(2)従来型の対面・固定客販路が鈍化(訪問販売、専門店、スーパーなど)|消費者行動の変化が販売チャネルに影響を与えている。デジタル領域などの新しい人材ニーズも増えている
Point!

消費行動の変化に合わせ、従来の流通網に変化がみられます。ご自身の見据えるキャリアと企業の将来性や業務から獲得できるスキルを見極め、求人を選択するようにしましょう。

化粧品業界の平均年収は?働き方は?

2024年~2025年上半期に弊社サービスを使って転職した化粧品業界従業者の平均年収は551万円経験年数とともに収入も上がっていくケースが多く、安定的に業務に取り組める環境といえるでしょう。

化粧品業界 職種ごとの平均年収目安

化粧品業界の職種別平均年収|全体平均:551万円(給与所得者の全体平均は530万円)、販売職:400万円、研究系職:536万円、商品企画職:554万円、品質管理系職:497万円、営業職:561万円、マーケティング職:563万円

※1 アンドプロ調べ 
※2出典:国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」正社員(正職員)の平均給与

職種別の年収例を見ると、年齢に応じて昇給し、管理職になると大きく跳ね上がることがわかります。販売職(美容部員・ビューティーアドバイザー)は現場接客の専門職のため、ベース給与面はやや伸び幅が緩やかとなります。

職種別の年収目安|営業…20代は450万円、30代は560万円、40代は650万円、管理職クラスは900万円|販売(BA)…20代は290万円、30代は360万円、40代は400万円、管理職クラスは500万円|商品企画/開発…20代は380万円、30代は500万円、40代は690万円、管理職クラスは900万円|研究開発(R&D)…20代は400万円、30代は550万円、40代は700万円、管理職クラスは950万円|品質管理・品質保証…20代は330万円、30代は420万円、40代は580万円、管理職クラスは700万円|マーケティング(ブランド・デジタル)…20代は450万円、30代は600万円、40代は730万円、管理職クラスは950万円

化粧品業界 「働き方」の変化

●給与制度に変化は?

安定的な昇給体制ではあるものの、若手の不安解消や人材流出防止のため評価制度を業務内容と成果に応じた「ジョブ型」を取り入れる企業(2021年/資生堂など)が増えてきています。

●業務環境に変化は?

「働き方改革」の一環として産育休制度の拡充はもちろん、副業の解禁(2022年/資生堂)、「どこでもWork制度」導入(2021年/花王)など大手企業でも従業員の声で、時代に合わせた柔軟な制度が採用されています。

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給与・待遇面は、企業や業務内容によってさまざまです。ご自身が希望する働き方と合わせ、求人票を確認してみましょう。

化粧品業界の転職で重視される専門性は?

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どんなスキルや専門性があると転職に有利なのかな?

化粧品業界で重視される、4つの専門性トレンド|(1)トレンド感覚×デジタルクリエイティブ(ビジュアル企画力・デジタル発信力):商品企画・開発、マーケティング、営業などで重視|(2)多彩な商品へ応用できるサイエンス志向(豊富な経験):品質管理・保証、基礎研究、処方開発などで重視|(3)高いデジタルビジネス感度(顧客との接点づくりができる人材):マーケティング、営業などで重視|(4)グローバル志向、サステナビリティなど(海外連携を推進できる人材):研究・開発、マーケティングなどで重視

化粧品業界では、SNSやECでの発信力を活かしたファン醸成や、テクノロジーを駆使した商品開発をリードできるデジタル人材と、研究開発や品質管理を基盤にグローバル規制やサステナビリティへ対応できるサイエンス人材の需要が高まっています。

今までの業務経験との掛け算でご自身の専門性について整理できていると、転職で非常に有利です。

異業界/異業種からでもチャレンジできる?

化粧品業界ではスタートアップ企業などで業界未経験者でも転職がかなうケースがあります。

異業界/異業種からの転職

重視される経歴

✓ 理系大学、大学院卒業
✓ 他の化学系職種(食品・医薬品業界)での経験値
✓ 化粧品業界への強い志向

募集枠の多い職種

✓ 処方開発職 ✓ 品質管理職

これ以外にも、企画・マーケティング職、営業職、バックオフィス系職などは近しい業界や商材の経験があれば、横断的な転職が可能となります。

興味のある方は、チャレンジしてみるのも一つの手です!

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化粧品業界転職で有利な資格は

語学スキルは外資系企業の場合、有利になることがありますが、民間検定は合否を左右する評価にはならない場合がほとんどです。基本的には業務経験での評価が中心となります。

化粧品業界の転職で有利になる語学スキル:TOEICスコア750以上(800以上であれば尚可)|中国語検定、韓国語検定なども場合によって需要あり

職理由・年齢・男女比…データで読む化粧品業界転職のリアル

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次に、実際に転職活動をする際の注意点やデータを見てみましょう!

化粧品業界転職は忙しくても平気?おすすめ時期は?

化粧品業界の転職は選考期間が比較的短く、忙しくても転職がしやすいといえます。

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忙しくて転職のために時間をとれるかな…?ほかにどんな人が転職をしているのか気になります!

活動開始から転職先決定までの平均日数は、約1カ月~2カ月と早め|人材確保激化のため早まっている|終業後を想定した夜時間の面接も実施している|一方で、大手はじっくり選考する傾向あり

化粧品業界では求職者が活動開始から採用に至るまでの平均日数は「よい人材を確保したい」狙いから1カ月~2カ月で【早い】といえます。一方、大手企業では定性的な人物評価もウェイトが高く、複数の面接官でさらに時間を掛けて選考が行われる傾向です。

採用されやすい時期はある?

日系企業と外資系企業で違いがありますが、年度明けはチャンスです。

多くの企業では年間の採用計画を立て、それに基づいて募集をスタートします。そのため年度が変わるタイミングで募集が始まり、採用枠が充足していくにつれてハードルが上がったり、締め切られるケースが多いのが特徴です。

目安となる時期

✓ 日系大手:5〜6月ごろ
✓ 外資系:1〜2月ごろ

この時期に気になる求人をピックアップするのも一つの手です!

化粧品業界転職者の男女比は?転職理由は?

転職決定者の男女比|女性が68.4%、男性が31.6%と女性が多い。職場の男女構成比によって、男性の採用に注力する場合もある。
転職を検討した理由は、給与アップを前提としないキャリアアップが最も多く、30.2%の人が回答している|転職を検討した理由の参考データ:キャリアアップが30.2%、職場環境が22.5%、年収が17.6%、会社の将来性が14.2%、家庭の都合が7.5%、ワークライフバランスが3.2%、海外で働きたいが1.2%、その他が3.6%

アンドプロ調べ

採用に男女差はある?

もともと女性比率が高い職場のため、転職決定者も女性が多くなっています(68.4%)。一方、企業側は特に男女で差を設けず採用しており、職場の構成比から男性採用に注力する場合もあります。

採用後の年収は?

転職を検討した理由は直後の年収増を条件としない「キャリアアップ」(30.2%)が最も多いですが、スキル面の評価が高い場合は結果的に年収が上がることも多いようです。

一方、異業界からの転身など、ポテンシャルを見込まれての採用では一時的に前職より低い年収になる場合もあります。

化粧品業界の転職者平均年齢は?

転職志望者の平均年齢は35.4歳、転職決定者の平均年齢は33.3歳。20代~30代の転職活動が活発になっている。

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24年に当社サービスを利用した転職希望者と転職決定者の年齢を比較すると20代~30代前半の動きが活発です。

採用企業側もトレンド変化に対応できる若手人材のニーズが強く、35歳以降の転職では高い業務成果やマネジメント経験を求められるケースが多くなっています。

35歳以降の転職

採用例は以下のような内容があります。

✓ マネジメントポジション採用
✓ 欠員募集でのピンポイント採用
✓ 外資系企業の「プロフェッショナル」採用
✓ スタートアップ企業の立ち上げメンバー採用

いずれのケースでも、これまでの業務で培った専門性が評価の中心になります。

化粧品業界の転職回数は少ない

転職決定者の半数近くが初めての転職|(参考)転職決定者の経験社数の割合:1社の人が44.9%、2社の人が22.2%、3社の人が14.8%、4社の人が9.7%、5社の人が4.0%、6社以上の人が4.5%、平均で2.25社経験

転職が決まった志望者の経験社数は平均2.25社。転職回数が2回~3回といわれるサラリーマンの平均と同水準です。

転職回数は極端に多くない限り、問題になりませんが、大手の老舗企業では年齢÷10回以上転職していると「定着が難しいのでは」との懸念から書類時点で通過が厳しくなる可能性があるようです。やむを得ない転職の場合は、エージェントに相談し、理由を伝えてもらうようにしましょう。

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転職者のデータを見ると「待遇や環境を変えたい」と思われている方は「思い立ったが吉日」。待つよりも今が動いてみるチャンスなのかもしれません!

あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい

私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
化粧品業界を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。

採用企業側とも一気通貫で向き合う専任コンサルタントが、あなたの“専門性”と可能性を丁寧に言語化。
転職をしない選択肢までも含め「最も輝ける道」をご提案いたします。

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
小幡 瑞季
メーカー(消費財)

消費財メーカー専門のコンサルタント。化粧品業界を中心に管理職から若手まで幅広くサポート実績があり、ご支援人数は累計500名超。社内MVP、準MVPなど複数回の表彰歴あり。

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