【2025年下半期】施工管理の転職市場トレンド|資格や年収、キャリアや将来性、おすすめ転職先まで
- 高齢化による人手不足で「超売り手市場」
- 中小→大手への転職増
- デベロッパーなど発注者の求人も増
有効求人倍率は6.88倍。しばらく続く「超売り手市場」

- 建設投資は横ばいな一方、少子高齢化による就業者数の減少や「時間外労働の上限規制」の適用開始などの影響により、人手不足の状況は変わらず。「超売り手市場」はしばらく続く予想。
- デベロッパーをはじめとする発注者の求人が増えるなど、人材の流動性も高まっており、転職市場はかなりの活況。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「建築・土木・測量技術者」のデータを参照。設計職や測量士も含まれる)
※()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」のそれぞれ「建築施工管理技術者」「土木施工管理技術者」のデータを参照(令和5年度実績)。
なぜ活況?施工管理の転職市場、2大トレンド

トレンド(1)大手・ 安定企業への転職が増加傾向に

- 業績拡大/悪化(倒産)する企業の二極化が進み、業績安定・好待遇な大手への転職が増加。
トレンド(2)デベロッパーなど発注者の求人ニーズが高まる

- デベロッパーなどの発注者に求められる要件は、スマートシティや環境配慮など年々複雑化。再開発案件も増加・大型化しており、さらなる業績拡大のためには、生産性を向上し、高難度のプロジェクトを柔軟かつスピーディに推進できる体制が不可欠。
- そのため、デベロッパーをはじめとする発注者各社では「自社内に専門的な知識・技術を持つ施工管理経験者を置きたい」という求人ニーズが高まっている。
▼デベロッパーについてくわしく
デベロッパー大手一覧|主要企業9社を紹介
デベロッパー9社の売上高ランキング
今後はどうなる?建設業界の将来性

- 国内の建設需要は、インフラ整備や防災対策のほか、老朽化施設の改修やエネルギー効率向上のためのリノベーションなど、堅調に推移。
- スーパーゼネコンやプラントエンジニアリング御三家(※)を中心に、途上国のインフラ整備やプラント建設・改修などの海外案件も増えているため、建設業界の成長はしばらく続く見込み。

※プラントエンジニアリング御三家:日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリングの3社
省人化や労働環境の改善が進むも、需給ギャップは埋まらず

- 建設業界各社では省人化や労働環境の改善に向けて、DXや資材費の価格転嫁、工期の適正化などの取り組みが徐々に進みつつある。
- その一方、高齢化による労働人口流出のスピードはすさまじく、堅調に推移する建設需要に対し、需給ギャップの解消は一朝一夕には難しいのが実情。人手不足は慢性化しており、人材ニーズは依然として非常に高い。
平均年収は600万円超と高めの水準

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
- 建設業界全体での働き方改革の影響もあり、平均年収は毎年増加傾向。
▼施工管理の年収についてくわしく
施工管理の年収を徹底分析
【年齢別】50代で750万に到達

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)
- 40代~50代にかけては、現場所長や部課長といった役職に就くケースも増えるため、平均年収が大きく伸びている。
【職種別】職種による差は最大70万円ほど

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
※「その他」には計装制御、消防設備、昇降機、内装、造園、解体などの施工管理を含む。
- 職種≒資格によって扱う案件の種類や規模が違うため、年収にも差が出る。土木工事は大規模・長期間の公共工事案件が多いため、年収も高くなりやすい。
▼職種別の年収についてくわしく
【職種別】施工管理の平均年収ランキング
【業種別】300万円〜1500万円と大きな差あり

- デベロッパーなどの発注者や、ゼネコンなどのピラミッドの上流に位置する企業は利益率が高いため、年収も高くなる傾向がある。
- ハウスメーカー、リフォーム会社などのBtoC企業に比べ、ゼネコンなどのBtoB企業は客単価が高いため、年収も高くなりやすい。
プラント領域では発注者で働く人も多く、またプロジェクト単価も高いため、ほかの業種に比べると平均年収が高くなる傾向あり。

コンサル
タント
プラント領域に興味がある場合、特に電気や管、土木の資格・経験がある方であれば転職しやすいでしょう。
▼さらにくわしく
デベロッパー平均年収ランキング
【業種別】施工管理の平均年収ランキング
ゼネコン/サブコンではさらに年収アップも

- ゼネコンやサブコンは、専門工事会社に比べ利益率が高く人件費を確保しやすいため、近年ベースアップが進んで平均年収も増加傾向。
- 従来からゼネコンよりも残業時間が長くなりがちなサブコンでは、サービス残業の解消によって残業代の支給が増え、ゼネコンよりも年収が高くなるケースも。
▼ゼネコン・サブコンの年収についてくわしく
ゼネコン平均年収ランキング
サブコン平均年収ランキング
アンドプロでは、年収アップをはじめ、あなたの希望に合ったキャリアプランや求人をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
資格取得や昇進のタイミングは?知っておきたい施工管理のキャリアパス

- 施工管理のキャリアは、案件規模を大きくしながら、責任範囲も広げていくのが一般的。
- 40代・50代以降は、現場での業務から管理的・指導的立場へと軸足を移していく。

コンサル
タント
確実なキャリアアップのためには、20代のうちに一級施工管理技士の資格を取得しておくのがベストです。
転職で待遇改善・案件幅を広げる道も

- 同じ職場内で経験できる案件の規模や種類は限られるため、より大手の企業や、特定領域の案件を得意とする企業に転職することで、経験の幅を広げることができる。
- 現職よりも規模の大きな企業であれば、年収や残業時間も改善しやすい。

コンサル
タント
建設業界各社では労働環境の改善に取り組んでいることもあり、コロナ禍以降は「過酷な環境から抜け出すための転職」以上に、「より好条件の職場を探す転職」を目指す方が増えています。
転職経験のある施工管理はどれくらい?

※アンドプロ調べ

コンサル
タント
施工管理は転職回数が比較的多い職種のため、転職回数が選考結果に影響するリスクは比較的低めです。
ただし、「不満があればすぐ辞めそう」と思われないよう、転職理由を聞かれた際は、やむを得ない事情を伝えるようにしましょう。
施工管理からキャリアチェンジするなら…おすすめの職種や資格は?
労働環境の改善が進んでいるとはいえ、ワークライフバランス改善のため、キャリアチェンジを考える人が一定数いるのも、施工管理の特徴のひとつ。
施工管理のキャリアを活かしやすい職種や、取っておくと有利な資格を解説します。
キャリアを活かせる職種・業界

- デベロッパーや不動産管理/営業をはじめ、設計・積算職や技術系公務員といった建設・不動産関連の職種であれば、施工管理としてのキャリアが活かしやすい。
ポテンシャル評価につながる資格

- 建築士や技術士、宅建士といったキャリアチェンジ先の職種に関連した資格を取得しておくと、ポテンシャルを評価されやすい。
キャリアチェンジにベストな年齢

- 不動産業界の中でもデベロッパーなどの企画開発系の業種や職種、設計職などは業務内容の違いが大きい。そのため、教育コストや長期就業の観点から、キャリアチェンジはできれば20代、遅くても30代半ばまでが現実的。
- 一方、積算職は施工管理の経験を活かしやすく、FMなどの不動産管理系の業種・職種も門戸が広いため、40代以降のキャリアチェンジもしやすい。
市場価値を高めるには?企業が求める施工管理の人材像
施工管理としての市場価値を高めるために必要なスキル・資格・経験を、それぞれ紹介します。
これだけは必須!施工管理の2つの能力

コミュニケーション能力
- 施主や職人、周辺住民などさまざまな立場・年齢の関係者と関わるため、コミュニケーション能力(特に調整力やリーダーシップ)は必須。
管理能力
- 原価管理(予算管理)は会社の利益に直結するため、特に年次が上がるほど重視される。
キャリアアップに欠かせない!施工管理の資格とは?

一級施工管理技士
- 大規模案件や監理技術者を担える一級施工管理技士は、知識・技術力の高さの確固たる証明に。
一級建築士
- 図面理解が深まり顧客からの信頼性も上がるなど、実務的なメリットがあることはもちろん、将来的に設計・開発や工事監理者といったキャリアも視野に入れることができる。
土木/プラント領域の重要資格は?

技術士・RCCM
- 土木案件の多い建設コンサルタントで働く場合、技術士やRCCMの資格は必須。難易度が高いため、他業種でも高評価。
監理技術者(機械器具設置・清掃施設)
- 長い実務経験が必要で希少価値が高いため、特にプラント領域では高評価。
現場代理人の経験があると強い!

- 工事現場のトップを担う現場代理人の経験は、豊富な経験・スキルの証明に。
- 特に利益確保のために重要な原価管理(予算管理)の経験は、多くの企業で求められる。
※企業によっては現場代理人と現場監督を同義で使用しているケースもあります。
▼現場代理人や監理技術者についてくわしく
現場代理人の必須規定をわかりやすく解説|資格・常駐・兼務は?
【要件一覧つき】監理技術者になるために必要な資格・実務経験まとめ
施工管理の転職難易度や成功のカギ
施工管理の転職難易度は?

- 転職では案件の種類・規模の親和性が重視されるため、例えばハウスメーカー(木造)→ゼネコン(RC造)などへの転職、あるいは扱う案件の規模感(受注金額)が著しく異なる企業にいきなり転職するのは、難易度高め。
- より上流を目指すなら、現職よりも少し大きな案件を扱う企業に転職し、徐々に経験の幅を広げていくのが得策。
- 発注者(特にデベロッパー)は採用枠が少なく、超難関。
これで失敗しない!転職理由別のおすすめ転職先
転職理由別に、おすすめの転職先を紹介します。
1労働環境を改善したい

- 発注者であるデベロッパーやメーカーは、工期や予算のしわ寄せを受けやすい受注者に比べると、労働環境がホワイトなケースが多い。
- プラント領域や不動産管理会社は、発注者がグループ親会社になる案件も多く、外注案件よりスケジュールや予算が柔軟で働きやすい傾向がある。
三井不動産、三菱地所、東急不動産ホールディングス、住友不動産、野村不動産ホールディングス、ヒューリック、東京建物、森ビル、日鉄興和不動産
川崎重工業、カナデビア、日揮ホールディングス、千代田化工建設、栗田工業、東洋エンジニアリング、メタウォーター、タクマ、オルガノ、月島機械、水ing、JFEエンジニアリング
三菱地所プロパティマネジメント、三井不動産ビルマネジメント、野村不動産パートナーズ、NTTファシリティーズ、大林ファシリティーズ、JR東日本ビルテック、阪急阪神ビルマネジメント
2年収を上げたい

- ゼネコンやサブコンは、受注者のなかでも利益が確保しやすく、サービス残業の解消に向けた取り組みも進んでいるため、年収が高くなりやすい。
- 特にプラント領域の大手エンジニアリング企業やスーパーゼネコン、発注者に転職した場合、なかには200万~300万円上がるケースも。
- デベロッパーは収益率に比例して平均年収も高い。メーカーも年功序列で昇給するケースが多いため、40代以降で役職が付くと大きく伸びる傾向あり。
鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店、長谷工コーポレーション、戸田建設、五洋建設、熊谷組、三井住友建設、安藤ハザマ、西松建設、東急建設、奥村組、東亜建設工業、福田組、大豊建設、東洋建設、淺沼組、飛島建設
きんでん、関電工、九電工、ユアテック、トーエネック、中電工、日本電設工業、住友電設、高砂熱学工業、大気社、ダイダン、新日本空調

コンサル
タント
年収は変わらなくても、残業時間が大幅に減り、時給換算で大幅に改善する方もいます。
3キャリアアップしたい(案件規模を大きくしたい)

- 担当案件の規模を大きくしたい場合、元請けとなる大手のゼネコンやサブコンに転職するのが王道パターン。
- 橋梁工事やプラント建設など、特定分野の案件を経験し、専門性を高めたい場合、その領域に強みを持つ企業に転職するのもおすすめ。
4転勤/出張をなくしたい

- 地場のゼネコン・サブコンや専門工事会社、不動産管理会社は基本的に近場の案件を扱うため、転勤や遠方・長期間の出張は少なめ。
上記の例はあくまで一例です。アンドプロでは、IT業界専門のコンサルタントが、あなたのご経歴や専門性を最大限に活かせるキャリアプランや求人をご紹介いたします。お悩みの際はお問い合わせください。
年齢によって求められる経験・スキルは異なる
年齢 | 見られる主なポイント |
---|---|
20代 | ポテンシャルや人柄 |
30代 | 案件の種類や規模 |
50代~ | (上記に加え) |
20代
- 少子高齢化や建設業離れから新卒採用に苦戦する企業が多いため、実務経験が浅くてもポテンシャルや人柄で評価してもらいやすい。
30代~40代
- 一定以上の経験年数があるため、即戦力として評価されやすい。経験と応募先で案件の種類や規模に親和性があれば、新卒時代には入れなかったスーパーゼネコンや発注者も夢じゃない。
50代~
- 経験・スキルの親和性がより重視される。
- 管理職候補の求人では、マネジメント経験の有無や規模も評価対象に。
実際、まわりは何歳で転職している?

※アンドプロ調べ
- 高齢化や人手不足の影響もあり、6割近くが40代以上、3割近くが50代以上と、平均年齢は高め。
いつがおすすめ?転職のベストタイミング
「竣工3カ月前」が動きやすい


コンサル
タント
現在の担当案件終了後、1カ月程度まとまった休みが取れる場合、その期間で一気に転職活動を進める方も多くいます。
大手なら12月〜翌年4月がおすすめ


コンサル
タント
中小企業は通年で積極採用しているため、特に有利な時期などはありません。
施工管理の転職活動Q&A
施工管理の転職ノウハウについて、よくある質問をまとめました。
Q.履歴書の書き方は?
Q.職務経歴書の書き方は?
Q.志望動機はどう書く/伝える?
Q.自己PRはどう書く/伝える?
Q.面接でよく聞かれる質問は?
Q.退職理由/転職理由はどう伝える?
あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい
私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
施工管理を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。
採用企業側とも一気通貫で向き合う専任コンサルタントが、あなたの“専門性”と可能性を丁寧に言語化。
転職をしない選択肢までも含め「最も輝ける道」をご提案いたします。
望む働き方も、叶えたい生き方も――。
私たちは同じ目線で、心を込めて伴走します。

建設・不動産業界専任のコンサルタント。中でも施工管理、設計職の転職支援を強みとしており、これまでのご支援人数は100名以上。2023年度、社内MVP受賞。