【2025年下半期】設備管理(ビル管理)の転職市場トレンド|年収や資格、キャリアや将来性まで
- 高齢化による人手不足感が強まる
- 未経験者<経験者の採用ニーズ高
- 大手や系列系への転職が増
高齢化による人手不足で、転職は今がチャンス!

- 低賃金などを背景に、業界全体が若手の確保に苦戦しており、高齢化が進む。一方、中小企業の倒産、DXやロボット活用による省人化の影響もあり、求人数は横ばい。
- ただし、近年は大手デベロッパーによる再開発案件が増えており、新規物件の獲得による増員を行う企業も多くなってきている。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「定置・建設機械運転従事者」のデータを参照。建設機械運転工や玉掛け作業員なども含まれる)
※()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」の「ビル施設管理」のデータを参照(令和5年度実績)。
設備管理の転職市場、2大トレンド

トレンド(1)経験者の採用ニーズが高まる

- 頭数の確保に向け、未経験者が積極採用される一方、その指導・管理を含め即戦力となる経験者の採用ニーズが高まっている。
トレンド(2)大手や系列系への転職が増加

利益率の高い大手(元請け)の管理会社や、親会社からの案件を確保できる=経営が安定しやすい系列系の管理会社への転職が増加。

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大手や系列系の管理会社に転職すれば、年収や労働環境も改善する可能性が高いでしょう。
今後はどうなる? ビル管理業界の将来性

見通し(1)中長期的には求人ニーズは落ち着く

- 人口減少が加速する中、DXやロボット活用も進んでいるため、中長期的にはより少ない人手で仕事ができるようになる可能性も。
- ただし、建物がある限り不可欠な仕事のため、需要が完全になくなることは考えにくい。
見通し(2)都市と地方で需要の格差が広がる?

- 再開発が進む都市部と人口流出が進む地方で、物件の建設・管理ニーズの格差がさらに広がる見通し。

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実際、設備管理の求人は、首都圏や大阪などの都市部エリアの求人がほとんど。
応募先によっては、転居もあわせて検討する必要があるでしょう。
平均年収は他職種と同水準だが、年収アップは十分可能

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
- ビル管理は典型的な労働集約型産業。利益率が低く、サービス内容の差別化も難しく価格競争が起こりやすいため、特に中小企業では年収も上がりづらい。
- 一方、大手系列系や元請け管理会社などでは、PM/FM業務がメインで利益率が高く、DXや省人化も進みやすいため、近年ベースアップにより平均年収も伸びてきている。

特に系列系の管理会社は親会社であるデベロッパーやゼネコンの案件を安定的に受注でき、給与水準も親会社の影響を受けやすい。
そのため、平均年収が高くベースアップも進みやすい。
実際、PMやFMは平均年収も高め

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
※「マンション管理」はサンプル数が少ないため参考値。
- 設備管理の平均年収を職種別(業務内容別)に見ると、PMやFMは発注者や元請け管理会社で働く人の割合が高いこともあり、設備管理全体の平均を大きく上回っている。
【年齢別】40代の650万円がピーク

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)
- 他職種と違い、40代で大きく伸びる一方、50代であまり伸びないのが特徴。非正規雇用で働く人も多いことが影響している可能性あり。
- 経験年数による業務内容の差が比較的少なく、管理職ポストも限られることも、50代で伸びない理由の一つ。
【業種別】ピラミッドの上流ほど高い

- 「設備管理」全体の平均年収は低めだが、業種や企業規模によって年収レンジに差がある。
- ピラミッドの上流ほど利益率が高く、その分年収も高くなる。

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設備管理が年収アップを実現するためには、資格の取得や転職などの手段があります。くわしくは次の章で解説します。
年収を上げるには? 稼げる設備管理になる条件
まずはキャリアパスを知る

- 設備管理のキャリアは、新たな資格を取得しつつ、業務範囲を広げていくのが一般的。
- 30代後半以降は、いちスタッフとして実務経験を積むほか、副所長や所長などの管理職になる道も。

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「三種の神器」や、選任、副所長/所長の経験があると設備管理としての市場価値が高まり、年収アップにつながります。
ぜひ積極的にチャレンジしていきましょう。
転職も年収アップの一つの手段

- 人員や仕事量が売上に直結するビルメンテナンス会社に比べ、保守点検を外注し、PM/FM業務をメインで行う元請け管理会社(ビルマネジメント会社)は利益率が高く、その分年収も高くなる。
- また、メンテナンス会社の中でも、大手ほど年収が高く、人員に余裕があって残業も発生しづらい傾向あり。
若手なら設備保全や営業にもキャリアチェンジできる

- 20代の若手ならば、プラントの設備保全などへのキャリアチェンジも比較的しやすい。30代以降で挑戦する場合、電気主任技術者などの高難易度資格が求められる。
- 火災報知器や非常ベル、監視カメラやカードリーダーなど、ビル関連の設備を扱うメーカーでは、ビル管理会社相手に設備導入や点検の売り込みをするため、コミュニケーション能力があると◎。
アンドプロでは、あなたの経歴・スキルをもとに、設備管理に特化したコンサルタントがより良いキャリアをご提案します。職務経歴書の作成や面接対策といった転職活動のサポートも行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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設備管理は転職回数が比較的多い職種のため、転職回数が選考結果に影響するリスクは比較的低めです。
ただし、「不満があればすぐ辞めそう」と思われないよう、転職理由を聞かれた際は、やむを得ない事情を伝えるようにしましょう。
転職も有利に! 企業が求める設備管理の人材像は?
企業が評価する「市場価値の高い設備管理」になるために必要なスキル・資格・経験を、それぞれ紹介します。

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下記のような資格・経験・能力があれば、より条件のよい企業に内定をもらえる可能性も高まります。
キャリアアップに「三種の神器」は欠かせない!

- ビルメン「三種の神器」(建築物環境衛生管理技術者、第三種電気主任技術者、エネルギー管理士)は、「4点セット」(第二種電気工事士、危険物取扱者乙種4類、2級ボイラー技士、第三種冷凍機械取扱者)に比べ、業務範囲が広がる。
- 1~3万円程度の資格手当が追加で支給されることも多く、年収アップにもつながる。
設備管理として評価につながる経験は?

選任
- 設備管理としての能力・スキルの高さの証明に。特に電気主任技術者の選任経験は、高難度のため高評価。
高難度物件
- トラブル時の被害が大きい医療施設やデータセンターなどの管理経験も、プラス評価につながる。
オーナー折衝
- コミュニケーション能力の高さを証明でき、特に所長候補やPM/FMポジションでは強く求められる。
所長/副所長
- スキルの高さに加え、リーダーシップやマネジメント能力が評価される。
さらなる高評価につながる2つの能力

コミュニケーション能力
- 少ない固定メンバーで仕事をする上で、最低限のコミュニケーション能力は必要。
- 元請け管理会社でPM/FM業務を担当する場合、オーナー折衝も発生するため必須。
主体性(課題解決力)
- ルーチンワークが多いからこそ、「省エネ対策の立案」など、自ら課題を見つけ、改善に向けた動きができる人材は重宝される。
難しい? しやすい? 設備管理の転職成功のカギ
設備管理の転職難易度は?

- ビルメンテナンス会社→ビルメンテナンス会社など、ピラミッドにおける同じ階層間での転職なら内定は出やすい。
- ビルメンテナンス会社→元請け管理会社への転職も可能だが、経験・資格に加え、コミュニケーション能力が求められる。
- 工場の設備保全やビル関連の設備を扱うメーカーにキャリアチェンジする場合、20代までであればポテンシャルや人柄重視、30代以上は経験や保有資格の内容重視の傾向が強い。

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発注者への転職は一般的に難しいですが、現在元請け管理会社で働いている方であれば、可能性はゼロではありません。
これで失敗しない! 転職理由別のおすすめ転職先
設備管理によくある転職理由別に、おすすめの転職先を紹介します。
1年収アップしたい

- デベロッパーやゼネコン、鉄道会社といった親会社がオーナーになるため、案件獲得のための価格競争が起こらず、年収も高くなりやすい。
- 福利厚生も親会社に準じて充実している傾向があるが、担当物件が親会社の所有物件に偏ったり、PM/FM業務などのデスクワークも多い点には注意。
三井不動産ファシリティーズ、三菱地所プロパティマネジメント、野村不動産パートナーズ、東京不動産管理、NTTファシリティーズ、NECファシリティーズ、伊藤忠アーバンコミュニティ、東急コミュニティ、西武不動産ビルマネジメント
2仕事量や残業を減らしたい

- 系列系管理会社は親会社から「できる限り早い」対応が求められるケースもある一方、公共施設の案件も多い独立系管理会社は、比較的残業が発生しづらい傾向あり。
- 二次請けのビルメンテナンス会社は点検・不具合対応がメインなので残業は発生しづらい。ただし、案件獲得のために価格競争に巻き込まれやすく、年収は低くなりやすい。
ザイマックス、シービーエス、秀和ビルメンテナンス、セイビ、太平エンジニアリング、ハリマビステム
3PM/FM業務にチャレンジしたい

- 親会社やオーナー企業への報告・提案などのPM/FM業務にチャレンジできる。
- デスクワークに慣れるまでは、残業が発生する可能性あり。
4担当物件の幅を広げたい

- 公共施設を含め、系列系が受注しない物件を幅広く経験できる。
- 企業によって受注する物件に偏りがあるところもあるため、応募前に要チェック。
いつがおすすめ? 転職のベストタイミング

- 基本的には欠員補充の募集のため、目当ての企業があれば求人情報をこまめにチェックしておくのが◎。
- 年度末に物件の更新をする企業が多いため、年末~3月にかけて、新規の契約が決まった企業の求人が増える可能性あり。
上記はあくまで傾向であり、実際の状況は企業ごとに異なります。アンドプロではヒアリングをふまえ、あなたのご希望に合った転職先候補をご紹介します。
設備管理の転職活動Q&A
設備管理の転職ノウハウについて、よくある質問をまとめました。
Q.職務経歴書の書き方は?
Q.志望動機はどう書く/伝える?
Q.自己PRはどう書く/伝える?
Q.面接でよく聞かれる質問は?
Q.退職理由/転職理由はどう伝える?
Q.内定が出たらどうすればいい?
Q.退職手続きは何をすればいい?
あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい
私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
設備管理を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。
採用企業側とも一気通貫で向き合う専任コンサルタントが、あなたの“専門性”と可能性を丁寧に言語化。
転職をしない選択肢までも含め「最も輝ける道」をご提案いたします。
望む働き方も、叶えたい生き方も――。
私たちは同じ目線で、心を込めて伴走します。

建設・不動産業界専門のコンサルタント。中でも設備管理(ビル管理)の転職支援を強みとしており、これまでのご支援人数は300名以上。2020年度/2021年度、社内MVP受賞。