【2025年下半期】組み込みエンジニアの転職市場トレンド|年収や将来性、キャリアパスや転職先まで解説
- 超売り手市場で転職しやすい状況続く
- 特に自動車・半導体・防衛でニーズ高
- IoT化、EV・SDV化で将来性も◎
ソフト主体の現代では、製造業全体で引く手あまた

- 「ハードがソフト化する」現代では、自動車をはじめ、あらゆる製品がソフトウェアで定義され、その性能こそが他社との差別化(競争力強化)につながる。
- その設計・開発の中核を担う組み込みエンジニアの人材ニーズは、製造業全体で急激に高まっており、各社人手不足の状況。他職種に比べても転職しやすい「超売り手市場」が続いている。

※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「「製造技術者(開発)」のデータを参照。組み込みエンジニア以外の設計・開発職も含まれる)
※()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」の「システムエンジニア(組込み、IoT)」のデータを参照(令和5年度実績)。
【要注目!】今、特に熱い成長産業3つ

注目業界(1)自動車・車載製品

- 世界的なEV・SDV化にともない、車載OSやADAS、OTA技術などの開発ニーズが高まっており、完成車メーカー/部品メーカーともに各社積極採用中。

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直近ではEV低迷もささやかれていますが、脱炭素化社会の実現に向け、EVシフトの流れは不可逆的なものです。
EVの普及によりSDV化もますます加速するため、中長期的に見ても、自動車分野で組み込みエンジニアの人材ニーズが減ることは考えにくいでしょう。
注目業界(2)半導体

- デジタルシフト・電動化の加速やAI技術の進展にともない、半導体ニーズは急増中。製造装置メーカーをはじめ、組み込みエンジニアの採用枠は常時多い。

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製造装置メーカーなど、業績が好調な企業では賞与アップが続き、平均年収も鰻登りです。
ただし、半導体はあらゆる電子機器に不可欠だからこそ、直近ではトランプ関税で採用活動を停止する企業も出るなど、景気の影響をダイレクトに受ける点には注意が必要です
注目業界(3)防衛

- 国の防衛関係予算の増額にともない、2024年頃から電機・重工メーカー各社で採用数が増加傾向。
- 他業界に比べ世界経済の影響を受けにくく、近隣諸国との緊張感の高まりや米国からの防衛力強化要請などの影響で、今後も伸びが予想される。
ソフトの時代に終わりは来ない?組み込みエンジニアの将来性

- IoT化、EV・SDV化はまだまだ発展途上であり、製品の価値に直結する組み込みソフトウェアの開発競争は、今後も激しさを増す見込み。
- さらに、昨今勢いを増すAI・機械学習関連の技術は組み込みソフトウェアと不可分のため、その影響でさらなるニーズの高まりも予想される。
業界ごとの差が大きい!組み込みエンジニアの平均年収

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
- 世界的なIoT化やEV・SDV化の流れを受け、半導体や自動車関連のメーカーを中心にベアや賞与アップが実施される企業も多く、全体の水準を押し上げている。
【年齢別】50代で1000万近くに

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)
- 全職種平均と同様に、20代から50代にかけて増加。40代に大きく伸び、50代にかけて1000万に到達するケースも。
【業種別】上位3業種は800万超

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
- 製造業においてピラミッドの上流に位置する完成車/総合電機/製薬・医療機器メーカーは、製品単価や利益率の高さから、平均年収も高い傾向がある。

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年収は企業による差が大きいものの、一般に成長産業や大企業ほど高く、プレイヤー人材よりも管理職の方が高い傾向があり、組み込みエンジニアも例外ではありません。
転職で年収が約60万円アップ!

- 大前提、年収テーブルは企業によってまちまちだが、特に完成車メーカーや部品メーカーなど、自動車関連メーカーで上がりやすい傾向あり。
- また、同じ役職・グレードで内定をもらうにしても、面接時の評価がよければ、より高い等級・クラスでのオファーが獲得できるケースも。


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面接の評価を上げるためには、「ご自身の経験・スキルと応募先で求められる経験・スキルがマッチしていること=即戦力であること」をきちんと伝えることが大切です。
アンドプロでは、ご自身の経験・スキルを最大限にアピールし、高評価につなげるための面接対策も行っていますので、お気軽にお問い合わせください。
下流から上流へ。組み込みエンジニアのキャリアパス

- 組み込みエンジニアのキャリアは下流フェーズから始まり、徐々に上流フェーズおよびコードレビューや指導を経験していくのが一般的。
- ときには別製品への異動も経験し、10年目前後でテックリードやアーキテクトとして技術選定なども担うスペシャリスト職になるか、PMとして人材・予算計画などに関わる管理職になるかに分岐する。
年収・働き方改善や将来性不安で転職する人も

- 組み込みエンジニアは、活躍できる場が幅広く多様だからこそ、業種・企業による年収・残業時間の違いを実感しやすい職種。そのため、より高い年収や働きやすい環境を求めて転職を検討する人も少なくない。
- 組み込みソフトウェアは自社で扱うハードウェアに依存するため、「自社の業績が振るわない」「関わる製品が下火になっていて将来性が不安」といった転職理由も多い。

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組み込みエンジニアの場合、これまで経験してきた言語や担当工程の親和性があれば、別製品を扱う異業種の企業にも転職することができます。
自社製品が下火で不安な場合、経験・スキルを活かせる成長産業を検討してみましょう。

転職経験のある組み込みエンジニアは、どれくらい?

※アンドプロ調べ
- 老舗の大手企業に代表される製造業では、従来より長期就業の考え方が根強く残っていたが、近年では徐々に転職が一般的になってきている。

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転職回数は一般的に、「年代÷10」までが目安です(30代なら3回まで)が、それより多い場合でも、やむを得ない転職理由を伝えれば問題ありません。
C/C++以外の言語は?市場価値の高い組み込みエンジニアの要件

C言語/C++
- 組み込み開発でひろく一般的に使われるC言語/C++は、必須スキル。
コミュニケーション能力
- 製品化までには、ハードを手がける電気・機械系エンジニアをはじめ多くの職種と関わるため、調整力や折衝力などのコミュニケーション能力も不可欠。
上流・マネジメント経験
- 特に30代半ば以降は、下流工程の経験だけでは評価されづらくなる。それ以上の昇進・年収アップを狙うには、上流工程やマネジメント経験が求められる。

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特に自動車、半導体、防衛などの成長産業は、開発工程が複雑かつ先端技術が集まることから、AI技術によるコーディングやテストの自動化も進みやすい傾向に。
そのため、上流工程の経験やプロジェクト/メンバーマネジメントの経験がより強く求められます。
自動車分野で重要!3つの経験・スキル


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自動車分野でのキャリアアップや転職をお考えの場合、上記3つに関する経験・スキルも評価されやすいでしょう。
MATLAB/Simulink
- 開発期間の短縮と品質向上を目指したリアルタイムシミュレーションおよび検証のため、自動車業界でひろく使用されているこれらのツール(言語)の使用経験は、評価につながる。
CI/CD
- 自動車の組み込み開発では、品質向上、迅速な統合・アップデート、チーム間の協力、規制遵守が求められる。そのため、テスト、統合、セキュリティチェックなどを自動化するCI/CD環境での開発経験は、重宝されやすい。
ISO 26262
- 自動車の電子制御システムや自動運転技術の高度化にともない、機能安全の確保が求められるなか、ISO 26262に関する知識や、それに準拠した開発経験(対応)は重要度が高い。
組み込みエンジニアに、資格は不要?

組み込みエンジニアとしてのキャリアで重要な要素はあくまで実務経験であり、資格の有無や内容が評価につながるケースはまれです。
ただ、転職時、独学で勉強している技術に関する資格(情報技術者試験など)や、競技プログラミングのハイスコアなどを持っている場合、自己研鑽の姿勢や技術力の高さが伝わり好印象になる可能性があるため、職務経歴書などに記載しておくとよいでしょう。

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ここで挙げた経験・スキルはあくまで一例です。
組み込みエンジニアの就業先は多岐にわたるからこそ、求める人物像も企業によって千差万別です。
アンドプロでは、応募先に応じたアピール内容をご提案いたします。
組み込みエンジニアの転職難易度・成功のカギ
おさえておきたい2つの傾向

- 大前提、組み込みエンジニアの転職は「経験・スキル(言語や担当フェーズ)がマッチするか」によるところが大きく、転職難易度は企業によってまちまちだが、以下の2つの傾向がある。
傾向(1)人手不足ゆえに全体的なハードルは低め

- ふくらむニーズ(増える求人数)に対して人手不足のため、全体的な転職難易度は比較的低め。経験・スキルがマッチすれば、別製品を扱う異業種にも転職可能。
実際、まわりは何歳で転職している?

傾向(2)半導体業界は、やや難易度高め

- 例外的に転職難易度がやや高いのは、半導体関連の企業。先端技術を扱う成長産業ゆえにレベルの高い人材が集まりやすく、必然的に選考ハードルも高まる。
選考通過率を高めるためのポイント

- まず書類選考では最低限のスキルマッチが行われ、面接ではその技術の深さや、主体性が改めて確認される。
- また、エレメカ系の他職種との連携も重要になるため、面接ではコミュニケーション能力も評価基準になる。
書類選考(職務経歴書)のポイント
- 開発したソフトウェアの内容に加え、開発環境や担当フェーズについてもくわしく記載する。
- のちの面接でもくわしく聞かれるため、担当業務やPJごとに、成果に向けた取り組みや工夫についても書いておくと◎。
面接のポイント
- 面接に落ちる理由としてよくあるのが、「結論を最初に話せない」「質問意図とズレた回答をしてしまう」というもの。結論ファーストで、的確かつ端的に答えるのがポイント。
- 主体性や技術の深度を測るため、成果に向けた取り組みや工夫のほか、入社後に磨きたいスキルや挑戦したいことなどもよく聞かれるため、書類作成段階できちんと言語化しておくこと。
働きながらの書類作成や面接対策は、なかなか時間が取れないものです。アンドプロでは、求人探しから内定まで一連の転職活動をフルサポートしておりますので、ぜひご活用ください。
組み込みエンジニアの転職活動Q&A
組み込みエンジニアの転職ノウハウについて、よくある質問をまとめました。
Q.志望動機はどう書く/伝える?
あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい
私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
組み込みエンジニアを熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。
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私たちは同じ目線で、心を込めて伴走します。

メーカー(機械・電気)専門のコンサルタント。組み込みエンジニアや機械系、電気系エンジニアをはじめ、営業職や物流・購買部門まで幅広い職種で転職支援を手掛けており、これまでのご支援人数は300名以上。2023年度、社内準MVP受賞。