【2025年下半期】プラントエンジニアの転職市場トレンド|年収や必要資格、おすすめの転職先まで
- 慢性的な人手不足で「超売り手市場」
- 発注者・事業会社への転職増
- デジタル人材のニーズも増
有効求人倍率は上昇傾向。しばらく続く「売り手市場」

- 半導体や自動車産業のさらなる成長に加え、脱炭素に向けたプラント需要も高まる一方、労働人口の減少やなり手不足による人材不足が加速。
- カーボンニュートラル事業への早期参入を目指す発注者や再生可能エネルギー事業会社でも採用が強化され、請負企業側からの転職者が増えるなど、設計・施工管理ともに転職市場は活況が続く。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(設計は「「製造技術者(開発)」、施工管理は「建築・土木・測量技術者」のデータを参照。いずれもプラント設計/プラント施工管理以外の職種も含まれる)
※設計の()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」の「プラント設計技術者」のデータを参照(令和5年度実績)。
プラントエンジニアは慢性的な人手不足

- プラント需要は増加する一方、そもそもプラント業界を志望する学生は少なく、新卒採用で十分な若手を確保できない企業も多い。
- 加えて、プラントエンジニア経験者も高齢化や異業界への転職による人材流出が進んでいるため、人手不足が深刻化。

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こうした背景から、プラントエンジニア経験者の市場価値は非常に高く、エンジニアリング会社はもちろん、発注者や再生可能エネルギー事業会社など、プラントに関わるあらゆる業種に転職が可能です。
求人数も横ばいか増加傾向です。
今熱い!プラントエンジニアの転職市場、2大トレンド

- 大前提として、人手不足で市場価値の高いプラントエンジニア経験者は、どんな業種にも転職可能。なかでも直近では、上記2つの分野で特にニーズが高まっている。
トレンド(1)脱炭素に向けて発注者・事業会社の求人が増加

- 工場の安定稼働や、脱炭素社会の実現に向けた新エネルギー/再生可能エネルギー関連のプラント建設の需要が高まる。
- 結果、プラントエンジニアリング企業はもちろん、メーカーなどの発注者や再生可能エネルギーに取り組む事業会社でも、プラントエンジニアの求人が増加中。

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特にカーボンニュートラル事業の経験者は市場価値が高まっており、新エネルギー分野のポジション/再生可能エネルギー事業会社に転職する方も増えています。
トレンド(2)デジタル人材の需要もアップ

- 老朽化した既存設備の保全・改修にともない、AIやDX(IoT)を駆使した自動化・効率化の動きが強まり、デジタル技術に長けた人材ニーズも増している。
今後はどうなる?プラント業界の将来性

- カーボンニュートラルや自動化・効率化に向けたプラント需要はしばらく続く一方、国内の労働人口は減り続けるため、人手不足は長期化する見込み。
- 長期的には国内市場は縮小する一方、途上国の電力プラントや交通インフラ整備に向けた工場建設の需要が増加。国内→海外市場へのシフトが加速するという見方も。
プラントエンジニアの平均年収は700万程度と高水準

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
- 施工管理よりも設計の方が年収が高い傾向にあるのは、設計職は施工管理に比べ、年収水準の高い発注者やプラントメーカーで働く人も多いことが起因している。
【年齢別】50代で900万近くに

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)
- 業界全体で人手不足・高齢化が深刻化している影響もあり、60代でも現役世代並の高水準。
【業種別】300万~1000万超と大きな格差あり
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- 元請けプラントエンジニアリング企業で年収が高いのは、長期出張が多く、その分の手当が出ることも影響している。

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半導体プラントは、昨今のAIやEV分野の急成長を受け、新規プラントの建設も相次いでいます。
結果、関連企業ではボーナスが多く出る傾向にあります。
知っておきたいプラントエンジニアのキャリアパス
経験年数に応じて責任範囲を広げていく

- 大小さまざまなプロジェクト/工場を経験しながら立場を上げていき、30代後半~40代にかけてマネージャーかスペシャリストかに分かれていく。
- 施工管理の場合、20代~30代前半で施工管理技士の資格を取得するケースも。
企業の規模・立場によってもキャリアは異なる

- 大手は扱うプラント規模が大きく、種類も多いことから、職種(業務)/案件(プラントの種類)が縦割りで細分化されている一方、中小だと一人が横断的に担当するケースも。
- 業務内容は企業の立場による違いも大きく、ピラミッドの上流ほど管理的、下流ほど実務的な業務が多くなる。


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このようにプラントエンジニアは、働く企業によって担当業務やキャリアの積み方が異なります。
一概に「特定のプラントや職種に特化している方が市場価値が高い」とは限りません。
幅広い経験を評価する企業もあり、あくまで大切なのは応募先企業・ポジションとの親和性です。
転職して年収や働き方を改善する道も

- 同一企業内では関わる案件、年収レンジなどに限界があるため、転職によって案件の種類や幅、年収や残業時間、出張回数などを改善できることも。

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一般的に受注側より発注側、中小より大手の方が、働き方・年収ともに改善するケースが多いでしょう。
すでに元請けや発注者で働いている場合、業界内でより大手か、再生可能エネルギーなどの成長分野に強い企業に転職するほか、コンサルや商社、海運などへ転身する選択肢も。
転職で年収が平均約20万円アップ!

※アンドプロ調べ
転職をもっと有利に!企業が高く評価するプラントエンジニアの人材像は?
プラントエンジニアは転職自体は難しくないものの、さらなる好待遇につなげるために、あると有利な能力・知識・経験をそれぞれ紹介します。
これだけは必須!プラントエンジニアの3つの能力

プロジェクト管理能力
- 役職や企業の立場が上がるほどマネジメント業務が多くなるため、キャリアアップには必須。
折衝力
- プラント建設・改修には多くの立場・職種の人が関わるため、互いの要求を理解し、落とし所を探る場面は多い。
安全意識
- プラントは高温・高圧、危険物質を扱うケースも多いため、安全意識は人一倍求められる。
高評価につながる2つの知識・スキル

特定領域の知識
- プラントの種類によって設備内容や設計・施工時の留意点も異なるため、特に専門性が高い下記の知識・経験は高評価につながりやすい。

語学力
- 海外案件も多いため、語学力があるとキャリアの選択肢が広がる。
設計やPMの経験があると強い!

設計
- プラント設計の経験があると、図面理解スキルの証明になるため、高評価につながるケースがある。
PM
- プロジェクト全体をまとめるPMの経験があれば、プラントエンジニアとしての一定の経験・スキルの証明になる。元請けや発注者では特に高評価。
プラントエンジニアの転職成功のカギ
転職難易度は全体的に低めだが…

- 人手不足の売り手市場のため、転職難易度は全体的に低め。特に元請け→元請けなど、ピラミッドの同階層間の転職や、元請け→発注者など、階層を一つ上げる転職はとてもしやすい。
- 一方、階層を飛び越える転職は、業務内容やプラント規模のギャップが大きく、難易度がやや高まる。少しずつ企業規模や立場を上げていくのが無難。
これで失敗しない!転職理由別のおすすめ転職先
プラントエンジニアによくある転職理由別に、おすすめの転職先を紹介します。
働き方(残業/出張)を改善したい

- 立場上、納期管理が厳しく残業が発生しやすい受注側に比べ、クライアントにあたる発注者は残業時間が少ない傾向に。
- 出張に関しても、あくまで管理的な立場にあたるため、回数や期間は少なく・短くなる傾向あり。
ENEOS、東京ガス、JERA、三菱ケミカルグループ、住友化学、旭化成、東レ、ルネサスエレクトロニクス、ソニーセミコンダクタソリューションズ
年収アップしたい

- 受注側でも、より大手(ピラミッドの上流)であれば利益率が高く、年収も高くなりやすい。
- 発注者の年収は企業によりけりだが、エネルギー業界はインフラにあたるため給与水準は高め。また、受注側に比べ残業時間が少ないため、時給単価では年収アップしやすい。
日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリング、栗田工業、メタウォーター、JFEエンジニアリングなど
経営・将来性が不安/成長産業にチャレンジしたい

- 世界的に脱炭素の動きが強まっているため、新エネルギー/再生可能エネルギー(カーボンニュートラル)関連に強い企業は今後成長が見込まれる。
- とはいえ新エネ/再エネは新興マーケットゆえに不安な場合、石油化学系の安定した事業基盤があり、かつ成長産業にも参入している企業も選択肢の一つ。

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再エネ領域は、カーボンニュートラル事業の経験があればなお良しですが、プラント業界での実務経験があれば、別領域からでも転職は可能です。
ENEOS、東京ガス、JERA、ユーラスエナジー、ENEOSリニューアブルエナジー、グリーンパワーインベストメント、NTTアノードエナジー、auリニューアブルエナジー
異業種にチャレンジしたい

- すでに元請けや発注者で働いている場合、エンジニアとしての技術力はもちろん、業界の知識やコネクションなどが評価され、コンサルや商社にも転職できるケースが増えている。
- 海運業界はLNG・石油輸送のための造船・港湾設備の運用・管理などでプラント業界での経験を活かせるほか、グローバル化の影響で安定性が高く、年収も高い。
三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅
マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、デロイトトーマツコンサルティング、アクセンチュア、アビームコンサルティング
日本郵船、商船三井、川崎汽船、NSユナイテッド海運、飯野海運、明海グループ、栗林商船、乾汽船、東海汽船、共栄タンカー

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50代以降は、PM経験を評価してもらいやすい再エネ関連のベンチャーや、外資の有期雇用契約(プロジェクト単位での契約)などもおすすめです。
上記はあくまで傾向であり、実際の状況は企業ごとに異なります。アンドプロではヒアリングをふまえ、あなたのご希望に合った転職先候補をご紹介します。
いつがおすすめ?転職のベストタイミング
「PJ終了3カ月前」が動きやすい

- プラントエンジニアリング企業の場合、資格ありきの受注ではないため、工事会社に比べると転職時期は柔軟。

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プラントエンジニアは人手不足につき、通年で求人を出している企業が多いため、求人数が増える時期などは特にありません。
プラントエンジニアの転職活動Q&A
プラントエンジニアの転職活動について、よくある質問をまとめました。
Q.職務経歴書の書き方は?
Q.志望動機はどう書く/伝える?
Q.面接でよく聞かれる質問は?
あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい
私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
プラント業界を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。
採用企業側とも一気通貫で向き合う専任コンサルタントが、あなたの“専門性”と可能性を丁寧に言語化。
転職をしない選択肢までも含め「最も輝ける道」をご提案いたします。
望む働き方も、叶えたい生き方も――。
私たちは同じ目線で、心を込めて伴走します。

プラント・エネルギー業界専門のコンサルタント。施工管理や設計職をはじめ、設備保全や企画・マーケティング職まで、プラントに関わるあらゆる職種の転職支援を手掛けており、これまでのご支援人数は500名以上。