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2025年下半期
プラントエンジニア転職市場トレンド徹底解説
2025/9/16

【2025年下半期】プラントエンジニアの転職市場トレンド|年収や必要資格、おすすめの転職先まで

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 慢性的な人手不足で「超売り手市場
  • 発注者・事業会社への転職
  • デジタル人材のニーズも

有効求人倍率は上昇傾向。しばらく続く「売り手市場」

プラントエンジニアの転職市場は、有効求人倍率・有効求人数ともにコロナ前の水準に回復。人手不足感が強まり、売り手市場に|設計職の有効求人倍率は2.45倍、有効求人数は15484件|施工管理の有効求人倍率は6.88倍、有効求人数は58013件
  • 半導体や自動車産業のさらなる成長に加え、脱炭素に向けたプラント需要も高まる一方、労働人口の減少やなり手不足による人材不足が加速
  • カーボンニュートラル事業への早期参入を目指す発注者や再生可能エネルギー事業会社でも採用が強化され、請負企業側からの転職者が増えるなど、設計・施工管理ともに転職市場は活況が続く

※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(設計は「「製造技術者(開発)」、施工管理は「建築・土木・測量技術者」のデータを参照。いずれもプラント設計/プラント施工管理以外の職種も含まれる)
※設計の()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」の「プラント設計技術者」のデータを参照(令和5年度実績)。

プラントエンジニアは慢性的な人手不足

プラントでは、高齢化(定年退職)や異業界への転職が進んでいる一方で、なり手不足によって若手を確保できず、人手不足が慢性化。膨らむ需要に、人での供給が追いつかない状況に。
  • プラント需要は増加する一方、そもそもプラント業界を志望する学生は少なく、新卒採用で十分な若手を確保できない企業も多い
  • 加えて、プラントエンジニア経験者も高齢化や異業界への転職による人材流出が進んでいるため、人手不足が深刻化

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こうした背景から、プラントエンジニア経験者の市場価値は非常に高く、エンジニアリング会社はもちろん、発注者や再生可能エネルギー事業会社など、プラントに関わるあらゆる業種に転職が可能です。

求人数も横ばいか増加傾向です。

プラントエンジニアは、人材不足で引く手あまたなため、どんな業種にも転職可能|転職先の例:エンジニアリング会社・発注者・再エネ事業会社

よくある転職理由とおすすめの転職先

アンドプロでは、プラント業界専門のコンサルタントが、あなたのご経験やスキルを最大限に活かすためのキャリアプランや、ご希望に合った転職先をご紹介します。

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今熱い!プラントエンジニアの転職市場、2大トレンド

特にニーズが高まっているプラント業界の2大トレンド|(1)発注者・事業会社の求人が増加、(2)デジタル人材のニーズも増加
  • 大前提として、人手不足で市場価値の高いプラントエンジニア経験者は、どんな業種にも転職可能。なかでも直近では、上記2つの分野で特にニーズが高まっている

トレンド(1)脱炭素に向けて発注者・事業会社の求人が増加

プラント業界で人材ニーズが高まっている理由1|工場の安定稼働や、新エネ/再エネ参入関連でプラント建設の需要が増加。その結果、エンジニアリング企業に加え、発注者・事業会社の求人も増加している。
  • 工場の安定稼働や、脱炭素社会の実現に向けた新エネルギー/再生可能エネルギー関連のプラント建設の需要が高まる。
  • 結果、プラントエンジニアリング企業はもちろん、メーカーなどの発注者や再生可能エネルギーに取り組む事業会社でも、プラントエンジニアの求人が増加中

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特にカーボンニュートラル事業の経験者は市場価値が高まっており、新エネルギー分野のポジション再生可能エネルギー事業会社に転職する方も増えています。

トレンド(2)デジタル人材の需要もアップ

プラント業界で人材ニーズが高まっている理由2|既存設備の改修にともなう自動化・効率化の需要が増加。その結果、デジタル人材のニーズが増加している。
  • 老朽化した既存設備の保全・改修にともない、AIやDX(IoT)を駆使した自動化・効率化の動きが強まり、デジタル技術に長けた人材ニーズも増している

今後はどうなる?プラント業界の将来性

2025年下半期時点の、プラントエンジニアの将来性は良好|良好な理由(1)脱炭素や自動化・効率化でプラント需要は今後も続く、(2)海外案件が増える見方もある
  • カーボンニュートラルや自動化・効率化に向けたプラント需要はしばらく続く一方、国内の労働人口は減り続けるため、人手不足は長期化する見込み
  • 長期的には国内市場は縮小する一方、途上国の電力プラントや交通インフラ整備に向けた工場建設の需要が増加。国内→海外市場へのシフトが加速するという見方も。

プラントエンジニアの平均年収は700万程度と高水準

プラントエンジニアの平均年収は、設計職で747.0万円、施工管理で674.3万円。全職種の平均である530.3万円よりも高い水準となっている。また、設計・施工管理ともに平均年収は毎年増加傾向にある|参考・設計職:2019年は611.4万円、2020年は602.8.万円、2021年は652.5.万円、2022年は690.9万円、2023年は718.7万円、2024年は689.4万円、2025年上半期は747.0万円|参考・施工管理:2019年は639.6万円、2020年は622.0万円、2021年は634.5万円、2022年は635.5万円、2023年は651.4万円、2024年は637.3万円、2025年上半期は674.3万円。

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)

  • 施工管理よりも設計の方が年収が高い傾向にあるのは、設計職は施工管理に比べ、年収水準の高い発注者やプラントメーカーで働く人も多いことが起因している。

【年齢別】50代で900万近くに

プラントエンジニアの年齢別の平均年収は、50代で約900万円に到達。どの年代でも全職種平均を超えている(参考:20代は510.1万円、30代は662.7万円、40代は701.4万円、50代は896.4万円、60代は922.0万円)

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)

  • 業界全体で人手不足・高齢化が深刻化している影響もあり、60代でも現役世代並の高水準

【業種別】300万~1000万超と大きな格差あり

業種別プラントエンジニアの年収相場|プラント設計会社・専門工事会社:300万円~700万円、二次請け:400万円~900万円、元請け・産業機械メーカー:500万円~1000万円、発注者:500万円~1400万円|プラント業界は発注者を頂点としたピラミッド構造になっており、上流ほど年収が高くなる。また、同業種でも大手ほど年収が高い。
  • 元請けプラントエンジニアリング企業で年収が高いのは、長期出張が多く、その分の手当が出ることも影響している。

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半導体プラントは、昨今のAIやEV分野の急成長を受け、新規プラントの建設も相次いでいます。
結果、関連企業ではボーナスが多く出る傾向にあります。

知っておきたいプラントエンジニアのキャリアパス

経験年数に応じて責任範囲を広げていく

プラントエンジニアのキャリアパスの例|入社~5年目では、まず担当者を経験したのち、リーダー/主担当を経験したり、施工管理技士の資格取得を目指す|6年目~10年目でさまざまなプロジェクトを経験し、15年目以降で「専門性を高める」方向と、「管理職(PMなど)」にキャリアが分岐する。
  • 大小さまざまなプロジェクト/工場を経験しながら立場を上げていき、30代後半~40代にかけてマネージャーかスペシャリストかに分かれていく
  • 施工管理の場合、20代~30代前半で施工管理技士の資格を取得するケースも。

企業の規模・立場によってもキャリアは異なる

企業規模によって、業務・案件は異なる|大手企業の場合:扱うプラントが大規模なのが特徴。業務は細かく分業されている|中小企業の場合:扱うプラントが中小規模であり、業務/案件を横断的に兼任するケースがある
  • 大手は扱うプラント規模が大きく、種類も多いことから、職種(業務)/案件(プラントの種類)が縦割りで細分化されている一方、中小だと一人が横断的に担当するケースも。
  • 業務内容は企業の立場による違いも大きく、ピラミッドの上流ほど管理的、下流ほど実務的な業務が多くなる
業種による業務内容の違い|上流の発注者に近づくほど、業務内容が実務的なものから管理的なものに変化する|実務的な業種から順に、プラント設計会社・専門工事会社→二次請け→元請け・産業機械メーカー→発注者

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このようにプラントエンジニアは、働く企業によって担当業務やキャリアの積み方が異なります

一概に「特定のプラントや職種に特化している方が市場価値が高い」とは限りません。
幅広い経験を評価する企業もあり、あくまで大切なのは応募先企業・ポジションとの親和性です。

転職して年収や働き方を改善する道も

転職して年収や働き方を改善する道もある|上流や大手企業ほど、待遇・労働環境が改善しやすい
  • 同一企業内では関わる案件、年収レンジなどに限界があるため、転職によって案件の種類や幅、年収や残業時間、出張回数などを改善できることも。

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一般的に受注側より発注側中小より大手の方が、働き方・年収ともに改善するケースが多いでしょう。

補足

すでに元請けや発注者で働いている場合、業界内でより大手か、再生可能エネルギーなどの成長分野に強い企業に転職するほか、コンサルや商社、海運などへ転身する選択肢も。

転職理由別のおすすめ転職先はこちら

転職で年収が平均約20万円アップ!

プラントエンジニアは、転職すると年収が平均で21.0万円アップする(転職前から1.03倍アップ)。特に発注者への転職で上がりやすい傾向あり。

※アンドプロ調べ

転職をもっと有利に!企業が高く評価するプラントエンジニアの人材像は?

プラントエンジニアは転職自体は難しくないものの、さらなる好待遇につなげるために、あると有利な能力・知識・経験をそれぞれ紹介します。

これだけは必須!プラントエンジニアの3つの能力

プラントエンジニアの3つの基礎能力|(1)プロジェクト管理能力、(2)折衝力、(3)安全意識
プロジェクト管理能力
  • 役職や企業の立場が上がるほどマネジメント業務が多くなるため、キャリアアップには必須
折衝力
  • プラント建設・改修には多くの立場・職種の人が関わるため、互いの要求を理解し、落とし所を探る場面は多い
安全意識
  • プラントは高温・高圧、危険物質を扱うケースも多いため、安全意識は人一倍求められる

高評価につながる2つの知識・スキル

高評価につながる2つの能力・スキル|(1)特定領域の知識、(2)語学力
特定領域の知識
  • プラントの種類によって設備内容や設計・施工時の留意点も異なるため、特に専門性が高い下記の知識・経験は高評価につながりやすい。
領域別の、専門性の高い知識・経験とは?|食品領域:HACCP準拠の設備に関する知識・経験|医薬品領域:GMP準拠の設備に関する知識・経験|石油・化学領域:高温高圧・危険物質を扱う設備に関する知識・経験
語学力
  • 海外案件も多いため、語学力があるとキャリアの選択肢が広がる

設計やPMの経験があると強い!

重宝される2つの経験|(1)設計、(2)PM
設計
  • プラント設計の経験があると、図面理解スキルの証明になるため、高評価につながるケースがある。
PM
  • プロジェクト全体をまとめるPMの経験があれば、プラントエンジニアとしての一定の経験・スキルの証明になる。元請けや発注者では特に高評価。

プラントエンジニアの転職成功のカギ

転職難易度は全体的に低めだが…

転職難易度の傾向|業務内容が違うため、プラント設計会社や専門工事会社からいきなり発注者へ移るような、階層を飛び越える転職は難しい|基本的には、プラント設計会社・専門工事会社から二次請け、二次請けから元請け・産業機械メーカー、元請け・産業機械メーカーから発注者といった形で、少しずつ上流にシフトしていくのが無難
  • 人手不足の売り手市場のため、転職難易度は全体的に低め。特に元請け→元請けなど、ピラミッドの同階層間の転職や、元請け→発注者など、階層を一つ上げる転職はとてもしやすい
  • 一方、階層を飛び越える転職は、業務内容やプラント規模のギャップが大きく、難易度がやや高まる少しずつ企業規模や立場を上げていくのが無難。

これで失敗しない!転職理由別のおすすめ転職先

プラントエンジニアによくある転職理由別に、おすすめの転職先を紹介します。

働き方(残業/出張)を改善したい

働き方を改善したい場合、おすすめの転職先は「発注者」
  • 立場上、納期管理が厳しく残業が発生しやすい受注側に比べ、クライアントにあたる発注者は残業時間が少ない傾向に。
  • 出張に関しても、あくまで管理的な立場にあたるため、回数や期間は少なく・短くなる傾向あり。
主な発注者企業

ENEOS、東京ガス、JERA、三菱ケミカルグループ、住友化学、旭化成、東レ、ルネサスエレクトロニクス、ソニーセミコンダクタソリューションズ

年収アップしたい

年収アップしたい場合、おすすめの転職先は「より大手の企業」や「発注者」
  • 受注側でも、より大手(ピラミッドの上流)であれば利益率が高く、年収も高くなりやすい。
  • 発注者の年収は企業によりけりだが、エネルギー業界はインフラにあたるため給与水準は高め。また、受注側に比べ残業時間が少ないため、時給単価では年収アップしやすい
プラント業界の主な大手企業(受注側)

日揮、千代田化工建設、東洋エンジニアリング、栗田工業、メタウォーター、JFEエンジニアリングなど

経営・将来性が不安/成長産業にチャレンジしたい

経営・将来性が不安/成長産業にチャレンジしたい場合、おすすめの転職先は「新エネ/再エネ領域」
  • 世界的に脱炭素の動きが強まっているため、新エネルギー/再生可能エネルギー(カーボンニュートラル)関連に強い企業は今後成長が見込まれる。
  • とはいえ新エネ/再エネは新興マーケットゆえに不安な場合、石油化学系の安定した事業基盤があり、かつ成長産業にも参入している企業も選択肢の一つ。

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再エネ領域は、カーボンニュートラル事業の経験があればなお良しですが、プラント業界での実務経験があれば、別領域からでも転職は可能です。

再生可能エネルギーに強い主な企業

ENEOS、東京ガス、JERA、ユーラスエナジー、ENEOSリニューアブルエナジー、グリーンパワーインベストメント、NTTアノードエナジー、auリニューアブルエナジー

異業種にチャレンジしたい

元請け/発注者に在籍していて、異業種にチャレンジしたい場合、おすすめ転職先は「コンサル/商社/海運」など
  • すでに元請けや発注者で働いている場合、エンジニアとしての技術力はもちろん、業界の知識やコネクションなどが評価され、コンサルや商社にも転職できるケースが増えている
  • 海運業界はLNG・石油輸送のための造船・港湾設備の運用・管理などでプラント業界での経験を活かせるほか、グローバル化の影響で安定性が高く、年収も高い
主な商社

三菱商事、三井物産、住友商事、伊藤忠商事、丸紅

主なコンサルティングファーム

マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、デロイトトーマツコンサルティング、アクセンチュア、アビームコンサルティング

海運業界の主要企業

日本郵船、商船三井、川崎汽船、NSユナイテッド海運、飯野海運、明海グループ、栗林商船、乾汽船、東海汽船、共栄タンカー

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50代以降は、PM経験を評価してもらいやすい再エネ関連のベンチャーや、外資の有期雇用契約(プロジェクト単位での契約)などもおすすめです。

上記はあくまで傾向であり、実際の状況は企業ごとに異なります。アンドプロではヒアリングをふまえ、あなたのご希望に合った転職先候補をご紹介します

いつがおすすめ?転職のベストタイミング

「PJ終了3カ月前」が動きやすい

プラントエンジニアのおすすめ転職スケジュール|現在担当しているプロジェクトの終了3ヶ月前に転職活動をスタートし、引き渡しのタイミングで内定・入社できるとスムーズ
  • プラントエンジニアリング企業の場合、資格ありきの受注ではないため、工事会社に比べると転職時期は柔軟

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プラントエンジニアは人手不足につき、通年で求人を出している企業が多いため、求人数が増える時期などは特にありません

プラントエンジニアの転職活動Q&A

プラントエンジニアの転職活動について、よくある質問をまとめました。

あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい

私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
プラント業界を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
関本 隆志
プラント・エネルギー業界

プラント・エネルギー業界専門のコンサルタント。施工管理や設計職をはじめ、設備保全や企画・マーケティング職まで、プラントに関わるあらゆる職種の転職支援を手掛けており、これまでのご支援人数は500名以上。

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