
1カ月で景色が変わる、最先端のど真ん中で。ボッシュで体感する技術者としての真の裁量と高揚感
自動運転やSDV(車のソフトウェア化)を念頭に「100年に一度」の変革期にある自動車業界にあって、圧倒的な存在感を放つボッシュ。国内完成車メーカー出身の金子さんは、世界最大のメガサプライヤーならではのやりがいやフィールドの広さを語る一方で、外資系の「意外な素顔」に驚いたといいます。ボッシュ特有のスピード感や熱量とは。ADASの開発をけん引する金子さんに伺いました。
金子裕太(かねこ・ゆうた)
クロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部 ADASシステムソフトウェア&サービス部門プロジェクトマネージャー
日系OEMで7年操舵システム開発に従事。2022年にボッシュ入社後は複数のプロジェクトに関わり、現在はADAS技術のPMを担う 。
「1カ月で景色が変わる」。最先端のど真ん中に立つ高揚感
Q:これまで手掛けてきたプロジェクトと、現在の職務について教えてください
現在も所属するクロスドメインコンピューティングソリューション(XC)事業部で、いくつかのプロジェクトを渡り歩いてきました。最初はクラウド上のリアルタイムな地図情報を運転に活用する技術(CMS)の開発を1年半担当し、 次に緊急停止システム(エマージェンシーストップ)の開発に従事しました。現在は、「L2+クラス」という自動運転に近いシステムのプロジェクトマネジメント(PM)を担っています 。
Q:L2+といえば、ADAS(高度運転支援システム)のなかでも非常に注目されている領域ですね
やりがいは非常に大きいです。中国や北米の企業と、誰が一番早く自動運転を達成するかを競っている状態です。この世界は1カ月も経てば「他社が以前できなかったことを、今はもう実現している」というスピード感で動いています。そのプレッシャーは相当なものですが、社内からの期待の裏返しでもあると考えています。自分たちの開発が、会社の未来を左右する。だからこそ、自分たちが狙い通りに動くシステムを完成させた時の快感は格別です。

Q:未知を切り拓くという高揚感はどのような場面で感じられますか
一つはフットワークの軽さですかね。昨年(2025年)末に、あるパートナー企業が開発した自動運転技術を試乗しに、急遽中国へ行ってきました。これはみんなで現物を見たほうがいいねと、ものの1週間で出張が決まって、都合がついた7人ほどが参加しました。一介の社員が自分の意思で突然海外に視察に行くなんて、簡単にはできないと思います。最先端の真ん中で競争しているからこその熱量や腰の軽さは、ここでしか味わえないものだと思います。
「ここなら新たな技術を世に出せる」。“イレギュラー”な面接で抱いた確信
Q:新卒で日系の完成車メーカー(OEM)に入社されたそうですが、なぜボッシュへと転じたのですか
大学院の修士課程から一貫して「ステアバイワイヤ」と呼ばれる、電気信号で操舵を制御する次世代システムの開発に携わっていました。配属も希望通りで、約7年間にわたりその分野のスペシャリストとしてキャリアを積んできました 。
転職を考え始めたのは、自分が携わった新しいシステムを世に出そうとするなかで、組織の「保守的な姿勢」を感じるようになったことがきっかけです。
いくつか候補があるなかで、ボッシュの面接が印象的でした。質疑応答で進むはずが、当時のマネージャーから「自分たちがやりたいこと」を売り込まれるような形になって、面接時間のほとんどが終わってしまいました。新しい技術を本気で世に出そうとしている熱意がダイレクトに伝わってきました。ここなら自分の経験を活かしつつ、最先端の技術をスピーディーに市場に浸透させていける。そう確信したのが最大の理由です。

WLBは最高だが、やるときはやる。入ってわかった「外資系の素顔」
Q:日系企業から外資系への転職でしたが、働き方の違いなどはどう感じましたか?
外資のなかでも特にドイツが本社ということで、入社前はワークライフバランス(WLB)でいうと「ライフ」を重視するというイメージが強かったです。それは半分当たりで、半分は違っていました。
実際にフレックス制やリモートワーク、福利厚生を含めて制度は整っていますし、不満を感じる要素はほぼありません。マネジメント層が率先してめりはりある働き方を背中で示しているので、メンバーも非常にやりやすいです。
一方で、「やる時は徹底的にやる」という泥臭い一面もあります。私たちは「ブートキャンプ」と呼んでいるのですが、プロジェクトの正念場では、文字通り全員でアクセルを全開にする期間を設けます。平日は夜遅くまで議論し、時には土曜日も出勤して集中的に開発を進めます。「ここを突破すれば未来が変わる」という共通認識のもと、チーム全員が自発的に熱量を注いでいきます。大変な面もありますが、高い士気のなかで働けるのは楽しいです。前職では残業はあっても休日出勤はほとんどなかったので、そこは驚きました。

Q:昇給や評価制度、キャリア形成についてはいかがでしょうか。
昇給のスピードという意味でいうと、年齢はほぼ関係ないという実感があります。もちろん経験の積み重ねも貴重なので、年功的な要素も一定あるとは思いますが、結果を残せばその分だけ評価されるという余地は大きいと感じます。
キャリア形成の大きな特徴は「自分のやりたいこと」を主軸に組み立てる文化が徹底されている点です。前職ではある程度決まったキャリアプランがありましたが、ボッシュでは面談のアジェンダも「自分がどうなりたいか」を話すところからスタートします。
エンジニアからPMへと転身したのも自分の意思です。前職時代にチームの働き方やマネジメントに疑問を感じていたことがあり、「自分がマネージャーとして実践できる立場に身を置きたい」と希望しました。個々のポテンシャルを最大化させ、チームの力を引き上げることに挑戦したいなと。
世界の市場と「自分」がつながる実感。エンジニアの成長後押しする舞台
Q:ボッシュに向いているのは、どういう人でしょうか
まずは「自分の声をしっかり発信できる人」かと思います。自分でやるべきことを見つけ、手を挙げて取りに行ける自立性が不可欠です。会議でも議論が活発になり、収拾がつかなくなる時があります。現在はPMとして全体の方向性をまとめていく立場にあり、それぞれの考えの良し悪しを勘案しながら落としどころを探るのは、苦労する部分でもあります。
同じ文脈で、日本企業のような「手取り足取りの育成」はあまり期待できません。研修やスキルアップの制度・支援は充実しているので、それらを自主的に活用してキャッチアップする姿勢が求められます。

Q:英語力が必須とのことですが、不安を感じられる求職者もいるかと思います
ボッシュ・ジャパン全体で8割、XC事業部で7割ほどが日本人であり、顧客のメインが国内である現場もたくさんあります。一方でドイツ本国とのやり取りを含め、会議や商談をこなせる英語力は必須となります。
ただ特に我々のような開発を行う部署では、まずはスキルや経験が最優先です。一定の英語力のベースは必要だとは思いますが、入社後に社内での研修や支援制度を使って徐々に身につけていきながら、OJTで実戦慣れしていくという方もいます。最初から英語をネイティブのように操れないと活躍ができないというわけではありません。
Q:改めて、ボッシュというフィールドの魅力を教えてください
まずは「世界の今」をリアルタイムで肌に感じられることですね。中国や北米、欧州といった各地域にチームがあり、それぞれの市場で何が起きているか、競合が何を実現したかというトレンドを日常的に知ることができます。これは日本企業にいた時とは比較にならないほどの情報量です。技術者にとっては非常に大きなメリットだと思います。
また、ボッシュは特定のOEMに縛られないサプライヤーだからこそ、多様な思想に触れられる面白さがあります。各社それぞれ重視するポイントが異なり、直接対話することで「このメーカーはここを価値と考えているのか」と、新たな視点を得られる機会が豊富です。
自分が開発に携わった技術やシステムが、日本では未発売でも、ドイツの公道を走っているかもしれない。そんなグローバル企業ならではのわくわく感を一緒に楽しんでくれる方と、ぜひご一緒できたらと考えています。
文:佐藤将人(アンドプロ編集部)/撮影:番場一浩
ボッシュ 関連情報
数字で見るボッシュ社
圧倒的なスケールと未来への巨額投資
- グローバル売上高:約15.4兆円(915億ユーロ)
- 研究開発費:約1.2兆円(73億ユーロ/年)※売上高の約8%を研究開発に投資
- 従業員数:約43万人。日本国内でも約6,400人が活躍
- 有休消化率:約100%
- 平均残業時間:月10時間
- 自律的キャリア形成:社内公募制度(内募制)
人事責任者編インタビューはこちら

アンドプロの 3つ の強み

業界/職種専任のプロによる納得の支援
企業の"本音"をもとにあなたの強みを見出す
未来を見据えた本質的なキャリアサポート


