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2025年下半期
MR転職市場トレンド徹底解説
2025/9/2

【2025年下期】MRの転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • MR数の減少傾向は続くが転職のチャンスは十分
  • 「スペシャリティ」「バイオ」で高いニーズ
  • 未経験領域への挑戦も◯

10年連続減少のMR…それでも転職のチャンスは十分ある

国内の製薬企業やCSO(医薬品営業受託機関)で働くMRの数は過去10年間で約1万9000人減少しました。一方、MRの求人数は過去5年間、一定の水準をキープしており、中途採用のニーズは堅調です。

MR数の減少と背景

MRの人数は、直近11年間で2万人以上減少している(2013年:6万5752人、2024年:4万3646人)

出典:MR認定センター「2025年版 MR白書」

MR数減少の3つの背景|(1)スペシャリティ領域の医薬品が主流になった、(2)情報提供チャネルが多様化した、(3)国内の事業環境が厳しくなり、営業効率化が必須になった

しかし…MR中途採用ニーズは堅調

2025年2月のMR求人数は、2021年3月比で1.2倍と好調。MRの中途採用を実施した企業数も堅調で、2024年度は全体の69%にあたる138社で中途採用を実施している。

※1:アンドプロ調べ
出典※2:MR認定センター「2025年版MR白書」

MR中途採用が堅調なワケ

MRの中途採用が堅調な5つの理由|(1)新薬上市・新規領域参入に向けた営業体制の構築、(2)海外バイオテックの日本参入、(3)注力製品の営業強化、(4)退職や社内異動に伴う欠員の補充、(5)アウトソーシング拡大によるCSOの積極採用
Point!

2025年上半期もMRの転職市場は堅調。求人数は昨年の同じ時期と比べて「横ばい~やや増」で推移すると予想されます。

スペシャリティ・バイオで採用活発

中途採用ニーズが堅調ななかで、MRの採用が活発に行われているのが、オンコロジーや自己免疫疾患、希少疾患、CNS(中枢神経系)といったスペシャリティ医薬品と、抗体医薬をはじめとするバイオ医薬品の領域です。

スペシャリティ医薬品、バイオ医薬品市場は高成長が見込まれている

国内医療用医薬品市場は、2024年から29年にかけて高い成長が予想されている|市場全体で年平均+0.9%~1.9%、スペシャリティ医薬品は+4.5%~5.5%、バイオ医薬品は+6.8%~7.8%成長見込み|市場シェアも変化し、スペシャリティ医薬品が43%から51%へ、バイオ医薬品が30%から39%へと拡大すると予想されている

出典:IQVIAジャパン発表資料(2024年11月)

国内の医薬品市場全体は今後も低成長が続く見込みですが、スペシャリティ医薬品やバイオ医薬品の市場は高い成長が予想されています。開発中のパイプラインも多く、これらの領域で今後も新薬上市が期待されます。

スペシャリティ・バイオへのシフトはさらに進む見込み。2025年~29年の上市新薬に占める割合は、スペシャリティ医薬品が65%、バイオ医薬品が45%になると予想されている。

出典:IQVIAジャパン発表資料(2024年11月)

領域未経験でも転職は可能?

スペシャリティやバイオの領域でMRの採用が活発に行われるなか、重視されるポイントの1つが特定の疾患領域での経験です。がん、免疫、希少疾患といった疾患領域やバイオ製剤の担当経験があるMRにとっては、希望の転職を叶えやすい状況にあると言えます。

必須? 歓迎? 不問?MR転職の2大評価ポイント

領域経験を必須としている求人は全体の25%(歓迎は36%、記載のない求人が39%)。大学病院・基幹病院経験を必須としている求人は、全体の44%(歓迎は19%、記載のない求人が37%)

※アンドプロ調べ

ただ、領域経験を求める求人ばかりではありません。大学病院・基幹病院の担当経験や、症例ベースでの提案経験など、企業が注目するポイントはほかにもあります。こうした経験があれば、領域経験がなくても転職実現の可能性が高まります

補足

求人票に書かれていない場合でも、経験を前提とする募集も多く見受けられます。より高い割合で経験が求められている可能性もあるといえます。

ほかにもある企業が注目するMRの経験・スキル

2大評価ポイント以外で企業が注目するMRの経験・スキル|新薬の上市/採用経験、KOL対応経験、講演会の企画/実施経験、広域エリアの担当経験、マネジメント経験、海外文献が読める英語力、症例ベースでの提案/ディスカッション経験、リモートディテーリング経験、デジタル・オムニチャネルの活用経験

転職成功の秘訣は、企業のニーズに応じて経験・スキルと実績を効果的にアピールすることです。

下の記事で職務経歴書の書き方をくわしく解説しているので、参考にしてみてください。

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採用事情から考える「MRの職務経歴書」の効果的な書き方とポイント
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MR領域未経験からの転職成功例

領域未経験から転職に成功したケースにはどのようなものがあるのでしょうか? 最近の事例を紹介します。

より重症者の役に立ちたい場合の転職成功事例|20代後半女性(内資中堅企業勤務、プライマリー、中小病院・開業医担当)は、外資大手企業(オンコロジー)へ転職。年収は510万円から580万円にアップ|採用枠の大きい求人は採用のチャンス大

コンサル
タント

組織の立ち上げや増員を目的とした採用枠の大きい求人では、ポテンシャル層にもチャンスがあります。

MRとしてキャリアアップしたい場合の転職成功事例|30代前半男性(内資中堅企業勤務、消化器、大学病院・基幹病院担当経験あり)は、外資大手企業(オンコロジー)へ転職。年収は650万円から600万円に|年収は下がったものの、将来の可能性は広がる形に

コンサル
タント

領域未経験からの転職では一時的に年収が下がることもありますが、オンコロジーを経験することで将来の可能性は広がります。

会社の将来が不安な場合の転職成功事例|40代前半男性(内資中堅企業勤務、中枢神経系、大学病院・基幹病院担当経験あり)は、希少疾患を扱う外資系企業へ転職。年収は800万円から920万円にアップ|疾患は違っても、専門領域の経験が評価されて転職に成功

コンサル
タント

領域は違っても、中枢神経系のように専門性が高い領域の経験は評価されます。

領域未経験ならCSOも選択肢に

とはいえ、プライマリー領域の経験しかないMRにとって転職は容易ではありません。そうした場合に考えられるのが、CSOという選択肢です。

拡大するCSOの需要と背景

稼働コントラクトMR数は、2019年度から24年度にかけて、年平均4.4%増加。CSO活用企業数も同じく増加傾向にある

出典:日本CSO協会「『わが国のCSO事業に関する実態調査』の概要」

製薬企業側の人員削減も背景にCSOへの需要は増大しており、コントラクトMRの数も増加。採用も積極的に行われています。

需要拡大に伴い、コントラクト人材の積極採用の動きが拡大。2023年度、24年度連続で採用数が1000人を超えている

出典:日本CSO協会「『わが国のCSO事業に関する実態調査』の概要」

CSOには、メーカーにはない魅力があります。給与や福利厚生はメーカーに及ばないものの、将来のキャリア形成にとってプラスとなることも少なくありません。

キャリアの可能性を広げる
CSO転職のメリット

CSOの3つの特徴とメリット|(特徴1)自社の開発状況に縛られず、さまざまな薬剤・領域を担当できる:(メリット)経験が広がる/専門性の高い領域を経験できる|(特徴2)教育・研修が充実している:(メリット)未経験の領域に挑戦しやすい|(特徴3)マーケティング・営業支援など、多様なサービスを提供している:(メリット)キャリアパスが広がる

コンサル
タント

目先のことだけでなく、中長期的な視点でキャリア形成を考えることが重要です。

MRの将来が不安…キャリアチェンジを考えるなら?

MRや製薬業界をとりまく環境は変化の真っ只中にあり、MRという仕事の将来に不安を持つ人も少なくありません。スペシャリティ領域など今後も需要が求められる分野ある一方で、キャリアチェンジを考える人もいます。

MRのキャリアチェンジ先として検討されやすい職種には、次のようなものがあります。

MRの経験を活かしやすいキャリアチェンジ先

MRの経験を活かしやすい5つのキャリアチェンジ先|(1)医療機器営業:営業先が医師のため親和性が高い|(2)CRA=臨床開発モニター:医薬品の知識や医師とのコミュニケーション経験が活きる|(3)医療系広告代理店:医薬品営業や製薬企業勤務経験が活かせる|(4)ヘルステック企業:医薬品営業や製薬企業勤務経験が活かせる|(5)コンサルティングファーム:医療機器・製薬業界向けコンサルティングで経験を活かせる

ただし、キャリアチェンジを考える場合は、年収と年齢に注意する必要があります。

MRからのキャリアチェンジ 注意すべき点は

キャリアチェンジ時の注意点|年収は下がる可能性が高い:MRの年収は高く、福利厚生も厚いため|キャリアチェンジは早めがおすすめ:異業種・異職種への転職は、35歳以降ハードルが上がる

コンサル
タント

キャリアチェンジしたものの、「やっぱりMRに戻りたい」と後悔する人もいます。

キャリアチェンジを考える際は、自分が何を重視したいのかを明確にすることが大切です。

MRの将来性 過度に不安視する必要はない

MRをとりまく環境は、特にここ数年、大きく変化しています。規制強化で活動の幅は狭まる一方、ウェブによる情報提供が広がっていることもあり、リストラも続くなかでMRの将来性を不安視する人も少なくありません。

MRの将来性に関する不安の例|ガイドラインで情報提供が制限され、活動範囲が縮小した/訪問規制で医師面会が困難になった/MRがどんどん減っている/早期退職が相次いでいる/WEBで情報収集する医師が増加している/日本市場の成長が停滞している

一方、依然として多くの医師がMRとの面会に価値を感じているのも事実。医薬品は患者の命や健康に関わるものですから、人からきちんと話しを聞いた上で処方を判断したいというニーズも確実に存在します。今は「数から質への過渡期」にあると言え、医師のニーズに合わせて適切に情報提供できるMRは今後も生き残っていくでしょう

将来性が不安視されている反面、医師の9割以上はMRとの面会に価値を感じている|(参考)処方経験のない薬剤について、医師が頼りにしている情報源の1位はMR(2位は研究会・講演会、3位は医学誌・専門書、4位は指導医・同僚医師・添付文書・インタビューフォーム)

出典:MR認定センター「MR実態調査2022」

コンサル
タント

MRという仕事がなくなることはありません。将来性を過度に悲観することはないでしょう。

MRは製薬企業のさまざまな部門で活躍

MRのキャリアパスは、営業現場で経験を積みながらチームリーダー、営業所長、エリアマネージャー、支店長とステップアップを目指したり、特定の領域で専門性を高めてMRとして活躍し続けたりするのが一般的。

適正や希望に応じて、本社の営業部門やマーケティング部門に異動する道もあります。

製薬企業でMR認定資格保有者が従事する業務

MR認定資格保有者の約2割は、MRやその管理職以外の仕事をしている(MRが68%、管理職が10%、その他が22%)

出典:MR認定センター「MR白書」

MR認定資格を持って製薬企業で働いている人の約2割は、MRまたはMRを管理・監督する管理職以外の仕事をしています。そうした人は年々増加しており、MRは製薬企業のさまざまな部署に活躍の道があると言えます。

MR認定資格保有者がMR以外で従事する11の職種と、その割合|(1)マーケティング:72%|(2)教育研修:67%|(3)流通・流通政策:57%|(4)安全管理、品質保証、信頼保証、PV:52%|(5)メディカルアフェアーズ:48%|(6)人事・総務、経理・財務など経営管理:48%|(7)学術・学術情報:46%|(8)コンプライアンス:37%|(9)くすり相談:29%|(10)薬事:26%|(11)研究・開発:25%

出典:MR認定センター「MR白書」

職種の変更を転職で叶えるのはハードルが高いので、社内異動を目指すのがよいでしょう。

あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい

私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。

MRを熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
瀬戸川 拓也
メディカル業界

製薬業界・MR専門のコンサルタント。求職者の置かれた立場に寄り添ったキャリア提案を強みとし、ご支援実績は累計300名超。2018年度社内MVPのほか、複数回の表彰歴あり。

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