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2025年下半期
臨床開発転職市場トレンド徹底解説
2025/9/3

【2025年下期】臨床開発の転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 治験環境の平常化でニーズに落ち着き
  • スキルや専門性の高いCRAは需要継続

臨床開発モニター(CRA)の求人は減少傾向 転職のハードルが上がっている

CRAの求人はここ2年ほど減少傾向が続いています。

CRAの求人は、新型コロナウイルス感染症の流行で延期・中断されていた治験が再開されたことを背景に、2021年春ごろから増加し、2023年夏ごろまで高い水準で推移。未経験や若手層も含めて積極的な採用が行われていました。

しかしその後、治験環境は平常化し、求人は減少傾向に。企業の採用ニーズも落ち着いています。

CRAの採用ニーズは、コロナの流行で延期・中断されていた治験が再開されたことにより、2021年春~2023年夏にかけて採用が拡大していたが、その後は縮小傾向に。2025年3月時点の求人数は、採用拡大前の2021年3月と比べても、約20%減少している。

※アンドプロ調べ

Point!

求人は一定の水準をキープしそうですが、バブルともいえる状況だった2~3年前と比べると、転職のハードルは上がっています。

一時活発化した未経験者や第二新卒者を対象とした採用も縮小していくでしょう。

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タント

2025年下半期も求人数はほぼ横ばいで推移すると予測しています。

CRAの将来性は?

CRAの主な仕事であるモニタリングはGCP省令に基づいており、治験を行う上で欠かすことができません。これを担当するCRAも治験にはなくてはならない存在で、将来的にもニーズの高い仕事だといえます。

一方で、医薬品開発をとりまく環境は大きく変化しています。CRAはCROを中心にその人員規模を拡大させてきましたが、量的な需要が今後も続くかというと不透明です。

CRAの将来性で注目しておきたい3つのポイント

CRAの将来性を見るうえで、注目しておきたい3つのポイント|(1)新薬開発の動向:スペシャリティ領域が新薬開発の中心になり、小規模の治験が増加|(2)開発コストの削減:研究開発費が高騰する一方で収益環境は厳しくなり、モニタリング業務もより生産性が求められるように|(3)デジタル化・IT化:デジタルやITを活用した効率化が進展。少ないCRAで治験が行えるように

日本では昨今、主に海外の新興バイオファーマが開発した新薬が入ってこない「ドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグ」が問題となっています。

国はドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグの解消に向け、治験環境の改善などに取り組み始めています。これが実際に治験の誘致につながればCRAの需要に影響を与える可能性がありますが、現時点で見通せません。

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日本では毎年100を超える新規有効成分が新たに治験に入っており、新薬開発は依然として活発に行われているのも事実です。

スキルや専門性のあるCRAは、引き続きニーズがあります。

CRAのキャリアアップ、求められる経験・スキルは?

CRAが働く場所は、主に製薬企業(メーカー)かCROのどちらか。どちらに所属しているかによって、仕事内容やキャリアパスは異なります。

メーカーとCRO CRAの仕事の違い

メーカーとCROでは、仕事内容・担当する試験が異なる|メーカーの仕事内容:治験計画の作成から当局対応、申請まで、幅広い業務を経験できる|メーカーが担当する試験:自社開発の医薬品。特定領域の開発に深く関われる|CROの仕事内容:モニタリング業務が中心|CROが担当する試験:さまざまな製薬企業が開発する医薬品。幅広い疾患領域の試験を経験できる

臨床開発の分野ではアウトソーシングが一般的となっており、CRAもメーカーで勤務している人よりCROで働く人の方が圧倒的に多くなっています。

メーカーが自社でモニタリング業務を行うかどうかは、各社の方針によります。一定のCRAを雇用して自社で行うところから、完全にアウトソーシングする企業までさまざまです。

補足

同じメーカーでも、1人のCRAが担当する業務の幅は内資のほうがより広い傾向にあります。外資の場合は業務が細分化され、担当も明確に分かれていることが多いです。

【メーカー】CRAのキャリアパス

メーカーのCRAは、現場で経験を積んだあと、試験の運営管理を行うスタディマネージャーや、ピープルマネージメントを行うラインマネージャーへと進むのが一般的です。

メーカーにおけるCRAのキャリアパスは、まずCRAの経験を積んだのち、30代前半までを目安としてラインマネージャーまたはスタディマネージャーへとキャリアアップするのが一般的。その後、「専門職(クリニカルサイエンティスト)」や、「管理職(プロジェクトマネージャー)」など、より上流・全体を統括する職種へ移っていく。なお、その他の職種に移る選択肢もある(薬事、PV・PMS、DM・統計解析、QA・QC・監査、MSLなど)。

メーカーは研究から販売まで自社で行っているため、幅広いキャリアパスがあります。開発戦略を立案するクリニカルサイエンティストや、製品のライフサイクル全体を統括するプロジェクトマネージャーといった仕事に進む人もいれば、開発関連を中心にほかの職種に移る人もいます。

【CRO】CRAのキャリアパス

CROの場合、スタディマネージャーやラインマネージャーに進むところまでは同じ。その先は受託プロジェクトを全体的に管理するプロジェクトマネージャーなどが選択肢となりますが、狭き門です。

CROにおけるCRAのキャリアパスは、まずCRAの経験を積んだのち、30代前半までを目安としてラインマネージャーまたはスタディマネージャーへとキャリアアップするのが一般的。その後、プロジェクトマネージャーへとキャリアアップする。その他の職種に移る選択肢もあるが、具体的な職種は勤務先が受託するサービスによって異なってくる(例:DM・統計解析、PV・PMS、メディカルライティングなど)。

モニタリング業務以外に、DM・統計解析、PV、メディカルライティングといった業務を受託しているCROも多く、そうした道に進むこともあります。

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開発戦略の立案やライフサイクル全体の統括など、メーカーでなければできない仕事もあります。

また、同じ呼称でも仕事内容がメーカーとCROで違う職種もあり、注意が必要です。

キャリアアップ・転職のために身につけておきたい4つの経験・スキル

CRAのキャリアアップや転職で求められる経験・スキルには次のようなものがあります。

CRAがキャリアアップや転職で求められる4つの経験・スキル|(1)グローバル治験の経験:国内で行われる治験の6割以上がグローバル治験であり、キャリアアップや転職を目指すうえで今や必須に|(2)英語力:メーカーではTOEIC750~800点が目安。CROでも今後問われるようになる可能性も|(3)スペシャリティ領域の治験経験:薬剤・疾患に対する専門性や、複雑な試験での実務経験などが評価されやすい|(4)試験の立ち上げ経験:実施施設の選定や立ち上げは、試験の成否を左右する重要な工程であり、キャリアアップや転職でも重視される

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内資メーカーで幅広い業務経験を持つCRAでも、グローバル治験の経験がないために外資メーカーへの転職が叶わなかった事例があるほど、グローバル治験の経験は重要です。

CRAは高年収

CRAは高年収の仕事です。

CRAの多くが働くCROの年収レンジは、おおよそ400~900万円。内資に比べて外資のほうがレンジが広く、年収も高い傾向にあります。

メーカーの年収はさらに高く、外資系の場合、20代で600~900万円、30代で900~1200万円が相場です。

CRAの年収は、外資・内資で異なる|外資の場合、若手CRA(新卒~4年目)は400万円~550万円、中堅CRA(5年目~7年目)は550万円~750万円、シニアCRA(8年目以降)は750万円~900万円|内資の場合、若手CRAは400万円~550万円、中堅CRAは550万円~650万円、シニアCRAは650万円~750万円


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年齢や経験・スキルが同じでも、内資CROと外資CROでは200~300万円ほど年収に差がつくことも珍しくありません。ただ、最近では内資CROも待遇の改善を図っています。

転職理由別 転職成功事例

CRAのよくある転職理由別に、最近の転職成功事例を紹介します。

CRAの転職成功事例(年収を上げたい場合)|20代後半男性(内資CRO勤務、年収450万円)は、外資CROへ転職したことで、年収580万円に(130万円アップ)。

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年収アップを狙うなら、外資への転職がおすすめです!

ただ、内資とは文化や制度も異なるので、それにフィットできそうか慎重に考えたほうがよいでしょう。

CRAの転職成功事例(メーカーで働きたい場合)|30代後半男性(内資CRO勤務、年収700万円)は、外資メーカーへ転職したことで、年収715万円に(15万円アップ)。

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CROからメーカーへの転職は、CROへの転職に比べて難易度が高まります。

グローバル試験や立ち上げの経験、英語力など、求められるスキルや経験を具体的にアピールすることが成功のカギです。

CRAの転職成功事例(働き方を変えたい場合)|30代前半女性(内資CRO勤務・フル出社、年収550万円)は、外資CROへ転職したことでフルリモート勤務に。年収も640万円となり、転職前から90万円アップ。

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就業制度や労働時間などは企業によってさまざま。くわしく知りたい場合は、キャリアアドバイザーに相談すると良いでしょう。

CRAの転職成功事例(CRAサポートへキャリアチェンジしたい場合)|30代前半女性(内資CRO勤務・CRA、年収560万円)は、外資メーカーへ転職しCRAサポート職へ。年収も650万円となり、転職前から90万円アップ。

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CRAとして施設立ち上げを行った経験を活かし、キャリアチェンジに成功しました。

CRAの転職成功事例(MSLへキャリアチェンジしたい場合)|30代後半男性(内資CRO勤務・CRA、年収630万円)は、外資メーカーへ転職しMSL職へ。年収も680万円になり、転職前から50万円アップ。

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MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)は、主に専門医に対して科学的・医学的な情報提供を行う職種。コミュニケーション能力と疾患に関する専門的な知識を活かし、キャリアチェンジを実現しました。

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
香本 牧子
メディカル業界

製薬業界専門のコンサルタント。20年以上業界に特化しており、ご支援実績は累計500名超。豊富なネットワークを活かし、専門職やマネジメント層のキャリアプラン提案も得意とする。社内MVP、準MVPなど複数回の表彰歴あり。

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