【2025年下期】臨床開発の転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説
- 治験環境の平常化でニーズに落ち着き
- スキルや専門性の高いCRAは需要継続
臨床開発モニター(CRA)の求人は減少傾向 転職のハードルが上がっている
CRAの求人はここ2年ほど減少傾向が続いています。
CRAの求人は、新型コロナウイルス感染症の流行で延期・中断されていた治験が再開されたことを背景に、2021年春ごろから増加し、2023年夏ごろまで高い水準で推移。未経験や若手層も含めて積極的な採用が行われていました。
しかしその後、治験環境は平常化し、求人は減少傾向に。企業の採用ニーズも落ち着いています。

※アンドプロ調べ
求人は一定の水準をキープしそうですが、バブルともいえる状況だった2~3年前と比べると、転職のハードルは上がっています。
一時活発化した未経験者や第二新卒者を対象とした採用も縮小していくでしょう。

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2025年下半期も求人数はほぼ横ばいで推移すると予測しています。
CRAの将来性は?
CRAの主な仕事であるモニタリングはGCP省令に基づいており、治験を行う上で欠かすことができません。これを担当するCRAも治験にはなくてはならない存在で、将来的にもニーズの高い仕事だといえます。
一方で、医薬品開発をとりまく環境は大きく変化しています。CRAはCROを中心にその人員規模を拡大させてきましたが、量的な需要が今後も続くかというと不透明です。
CRAの将来性で注目しておきたい3つのポイント

日本では昨今、主に海外の新興バイオファーマが開発した新薬が入ってこない「ドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグ」が問題となっています。
国はドラッグ・ロス、ドラッグ・ラグの解消に向け、治験環境の改善などに取り組み始めています。これが実際に治験の誘致につながればCRAの需要に影響を与える可能性がありますが、現時点で見通せません。

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日本では毎年100を超える新規有効成分が新たに治験に入っており、新薬開発は依然として活発に行われているのも事実です。
スキルや専門性のあるCRAは、引き続きニーズがあります。
CRAのキャリアアップ、求められる経験・スキルは?
CRAが働く場所は、主に製薬企業(メーカー)かCROのどちらか。どちらに所属しているかによって、仕事内容やキャリアパスは異なります。
メーカーとCRO CRAの仕事の違い

臨床開発の分野ではアウトソーシングが一般的となっており、CRAもメーカーで勤務している人よりCROで働く人の方が圧倒的に多くなっています。
メーカーが自社でモニタリング業務を行うかどうかは、各社の方針によります。一定のCRAを雇用して自社で行うところから、完全にアウトソーシングする企業までさまざまです。
同じメーカーでも、1人のCRAが担当する業務の幅は内資のほうがより広い傾向にあります。外資の場合は業務が細分化され、担当も明確に分かれていることが多いです。
【メーカー】CRAのキャリアパス
メーカーのCRAは、現場で経験を積んだあと、試験の運営管理を行うスタディマネージャーや、ピープルマネージメントを行うラインマネージャーへと進むのが一般的です。

メーカーは研究から販売まで自社で行っているため、幅広いキャリアパスがあります。開発戦略を立案するクリニカルサイエンティストや、製品のライフサイクル全体を統括するプロジェクトマネージャーといった仕事に進む人もいれば、開発関連を中心にほかの職種に移る人もいます。
【CRO】CRAのキャリアパス
CROの場合、スタディマネージャーやラインマネージャーに進むところまでは同じ。その先は受託プロジェクトを全体的に管理するプロジェクトマネージャーなどが選択肢となりますが、狭き門です。

モニタリング業務以外に、DM・統計解析、PV、メディカルライティングといった業務を受託しているCROも多く、そうした道に進むこともあります。

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開発戦略の立案やライフサイクル全体の統括など、メーカーでなければできない仕事もあります。
また、同じ呼称でも仕事内容がメーカーとCROで違う職種もあり、注意が必要です。
キャリアアップ・転職のために身につけておきたい4つの経験・スキル
CRAのキャリアアップや転職で求められる経験・スキルには次のようなものがあります。


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内資メーカーで幅広い業務経験を持つCRAでも、グローバル治験の経験がないために外資メーカーへの転職が叶わなかった事例があるほど、グローバル治験の経験は重要です。
CRAは高年収
CRAは高年収の仕事です。
CRAの多くが働くCROの年収レンジは、おおよそ400~900万円。内資に比べて外資のほうがレンジが広く、年収も高い傾向にあります。
メーカーの年収はさらに高く、外資系の場合、20代で600~900万円、30代で900~1200万円が相場です。


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年齢や経験・スキルが同じでも、内資CROと外資CROでは200~300万円ほど年収に差がつくことも珍しくありません。ただ、最近では内資CROも待遇の改善を図っています。
転職理由別 転職成功事例
CRAのよくある転職理由別に、最近の転職成功事例を紹介します。


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年収アップを狙うなら、外資への転職がおすすめです!
ただ、内資とは文化や制度も異なるので、それにフィットできそうか慎重に考えたほうがよいでしょう。


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CROからメーカーへの転職は、CROへの転職に比べて難易度が高まります。
グローバル試験や立ち上げの経験、英語力など、求められるスキルや経験を具体的にアピールすることが成功のカギです。


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就業制度や労働時間などは企業によってさまざま。くわしく知りたい場合は、キャリアアドバイザーに相談すると良いでしょう。


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CRAとして施設立ち上げを行った経験を活かし、キャリアチェンジに成功しました。


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MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)は、主に専門医に対して科学的・医学的な情報提供を行う職種。コミュニケーション能力と疾患に関する専門的な知識を活かし、キャリアチェンジを実現しました。
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製薬業界専門のコンサルタント。20年以上業界に特化しており、ご支援実績は累計500名超。豊富なネットワークを活かし、専門職やマネジメント層のキャリアプラン提案も得意とする。社内MVP、準MVPなど複数回の表彰歴あり。