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2025年下半期
研究(製薬)転職市場トレンド徹底解説
2025/9/4

【2025年下期】研究(製薬)の転職市場トレンド | 年収やキャリアパスも徹底解説

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 新規モダリティ開発でバイオベンチャーが採用拡大
  • 経験やスキル重視の採用へシフト
  • 専門知識を活かしたキャリアチェンジも〇

モダリティ多様化で採用ニーズは堅調

製薬の研究職の求人件数は、ここ2年ほど横ばいで推移しており、採用ニーズは堅調です。

製薬研究職の求人数は、直近2年で横ばいに推移|2023年4月を100とした場合の25年4月の求人数は、基礎研究・プロセス研究・前臨床研究分野で100以上をキープ。薬理研究ではやや減少傾向に。

創薬モダリティの多様化を背景に、細胞や遺伝子といった新規モダリティに専門性を持つ人材へのニーズがメーカー、バイオベンチャーともに拡大特に、こうした分野の研究開発の主要な担い手であるバイオベンチャーが積極的に採用を行っています。

こうした傾向は今後も続きそうで、求人数は当面、横ばい~やや増加で推移していくと予想されます。

製薬研究職の採用ニーズが堅調なワケ

製薬研究職の採用ニーズが堅調な2つの理由|(1)創薬モダリティの多様化:細胞、遺伝子、核酸など新規モダリティの開発が活発化しており、専門知識・経験・スキルを持つ人材へのニーズが拡大|(2)バイオベンチャーの採用増加:新規モダリティの主要な研究開発の担い手であるバイオベンチャーが、採用を拡大している

低分子も依然として有力な創薬モダリティであり、メディシナルケミストの求人も引き続き出ていますが、ニーズはかつてほど大きくはありません。

ただ、核酸や中分子の分野では、メディシナルケミストを採用したいという企業も増えています。

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求人数は堅調ですが、企業の採用ニーズが「ポテンシャル」から「即戦力」へシフトしており、研究経験や専門性がこれまで以上に重視される市場になっています。

研究職の将来は?キャリアを考える上で注目しておきたいこと

研究は製薬産業にとって価値創出の源泉であり、将来的にも一定の人材への需要が見込まれます。

一方、ライフサイエンスの分野は日進月歩で、創薬研究をとりまく環境も大きく変化しています。企業側では、注力領域およびモダリティの見直しやそれに伴う研究体制の再編といった動きもあります。AIやロボティクスの活用も進むとみられ、キャリアを考えるにあたっては注目しておきたいところです。

製薬研究職をとりまく環境の変化が、人材需要や働き方に影響を与える可能性がある|変化の例:科学技術の進歩、企業の注力領域・モダリティの変化、企業の研究体制再編、AIやロボティクスの普及、オープンイノベーションの活発化、早期退職・人材流動性の上昇など

研究職のキャリアパスと年収は?

製薬研究職のキャリアパスは、研究業務に従事しながら経験を積み、30代後半から40代前半のタイミングでマネジメントまたはスペシャリストに分かれるのが一般的です。

製薬研究職は、研究部門でキャリアを歩む人がほとんどですが、研究経験や専門知識を活かして次のような職種にキャリアチェンジする道もあります。

キャリアチェンジの可能性がある職種

ライセンシング
事業開発
臨床開発
製造
メディカルサイエンスリエゾン(MSL)
メディカルコピーライター
ヘルスケア領域のコンサルティングファーム

なかでもMSLはサイエンスバックグラウンドが求められるため、研究で培った医学的・科学的な知識を活かしやすい職種です。医師と科学的な対話を行う仕事なので、高度な専門知識に加えてコミュニケーション能力が求められます。

製薬研究職のキャリアパス

製薬研究職のキャリアパス|研究部門の研究員として入社し、30代後半~40代前半を目安に、マネジメント職またはスペシャリスト職にキャリアアップする|他の部門へのキャリアチェンジも可能だが、社内異動が中心で狭き門となっている|キャリアチェンジ先の例:ライセシング、事業開発、開発、メディカル(MSL)

最近では大手企業への転職や社内でのキャリアアップだけでなく、メーカーで経験を積んだ後、バイオベンチャーで裁量を持ちながら最先端技術を学び、スキルを磨く人も増えています。

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市場価値がスキルや経験に直結する今、キャリアの多様化が進んでいます。

年収は高水準、メーカー・40代で1000万円超も

研究職の年収は、一般的な給与所得者の平均と比べて高水準です。

メーカーの場合、20代で400~700万円、30代で500~800万円、40代で800~1200万円が目安です。

製薬研究職の年収の目安(メーカー)|20代は400万円~700万円、30代は500万円~800万円、40代は800万円~1200万円

年収は メーカー>ベンチャー>創薬支援

年収の水準はメーカー、バイオベンチャー、創薬支援企業の順で高く、メーカーでは中堅より大手のほうが高い傾向にあります。

メーカーとバイオベンチャーを比べると、おおよそ100~200万円の差があり、創薬支援企業はそこからさらに100~200万円低いのが相場です。

研究職の年収は企業によって異なり、創薬支援企業→バイオベンチャー→メーカーの順に高くなるピラミッド構造になっている|各企業間で、それぞれ100万円~200万円ほどの差がある状況

研究職の転職、求められるスキルや経験は?

製薬研究職は非常に専門性が高い仕事です。そのため、転職は極めて個別性が高く、企業のニッチなニーズと自身の専門性がマッチするかどうかが最も重要。少しでもずれてしまうと大手メーカー出身者でも転職に苦労するケースが少なくなく、求人が多い=選択肢が豊富ということではありません。

一方、研究職が転職やキャリアアップをする上で、共通して求められるスキル・経験もあります。

製薬研究職の転職は専門性のマッチングが最重要

転職やキャリアアップに成功するには、企業が求める専門性と自身の専門性との、細かなマッチングが必要|多くの企業で共通して求められる・あると便利な経験・スキルは次の5つ|(1)コミュニケーション力、(2)プロジェクトリード力、(3)英語力、(4)研究業績、(5)博士号

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オープンイノベーションが広がっていることもあり、社外と共同で研究を進められるコミュニケーション能力やプロジェクトリード力は、今後より求められるようになるでしょう。

製薬研究職で転職を成功させるには

製薬研究職のよくある転職理由別に、最近の転職成功事例を紹介します。

自身の専門性をさらに活かしたい場合の転職成功事例|30代前半女性(準大手メーカー勤務、薬理研究職)は、大手メーカーの薬理研究職へ転職。年収は660万円から800万円にアップ

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新卒時代に不採用となった憧れのメーカーに挑戦。大学院や前職で培った高い専門性が評価され、転職が実現しました。

早期退職に応募し、次の会社を探していた人の転職成功事例|50代前半男性(大手メーカー勤務、薬理研究職)は、バイオベンチャーへ転職し、研究(管理職クラス)を担当。給与はほぼ変わらない水準を維持

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早期退職が行われると求職者が増え、競争率が高くなる一方、大手メーカーの早期退職者を狙って採用を強化するベンチャーもあります。
コンサルタントの助言を受け、ベンチャーも選択肢に加えた結果、自身の専門性を最大限活かせる企業に無事転職することができました。

アカデミアでの将来に不安を感じ、企業で働きたいと考えている場合の転職成功事例|40代前半男性(大学勤務、基礎研究)は、バイオベンチャーの研究員へ転職。年収は600万円をキープ

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アカデミアから企業への転職はハードルが高いです。
この方は当初、メーカーを希望していましたが、コンサルタントのアドバイスを受けてベンチャーに希望をシフトした結果、企業への転職を叶えました。

派遣テクニシャンを卒業して研究がしたい場合の転職成功事例|30代後半女性(創薬支援企業勤務、テクニシャン(派遣))は、バイオベンチャーのテクニシャン兼研究員へ転職。年収は340万円から390万円にアップ

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テクニシャンから研究員への転身も難易度が高いです。
この方の場合、テクニシャン業務からスタートしつつ、研究職に挑戦できる求人がタイミングよく出ており、転職に成功しました。

MSLへキャリアチェンジしたい場合の転職成功事例|30代後半女性(内資メーカー勤務、研究職)は、外資メーカーのMSLへ転職。年収は720万円から880万円にアップ

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「研究よりも人と話す仕事のほうがいい」と思う方は、MSLへのキャリアチェンジを検討するのもよいでしょう。
疾患領域の知識とコミュニケーション能力を活かすことができます。

メディカルコピーライターへキャリアチェンジしたい場合の転職成功事例|30代前半男性(内資メーカー勤務、研究職)は、医療系広告代理店へ転職しメディカルコピーライターに。年収は450万円から540万円にアップ

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医薬品のプロモーション資材の原稿執筆などを行うメディカルコピーライターは、英語力やサイエンスのバックグラウンドが活かせる仕事です。
文書作成などの作業が得意な方に向いています。

Point!

製薬研究職の求人は「1ポジション1採用」が多く、転職成功には情報収集とタイミングを逃さないスピードが鍵となります。「知った時には遅かった」ではもったいない。早期に専門コンサルタントへ相談し、最適なキャリア選択肢を広げましょう。

あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい

私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
製薬業界を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。

採用企業側とも一気通貫で向き合う専任コンサルタントが、あなたの“専門性”と可能性を丁寧に言語化。
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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
田尻 将之
メディカル業界

製薬業界専門のコンサルタント。製造・品質・CMC関連職の支援を強みとしており、ご支援人数は累計100名以上。管理職などハイクラス層へのキャリア提案も得意とする。2025年度1Q、社内準MVP受賞。

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