【2025年下半期】自動車整備士の転職市場トレンド|年収や資格、キャリアや転職先まで
- 整備士(メカニック)の求人数は増加傾向
- 自動車整備士の「超売り手市場」は継続
- 業績好調な大手中古車販売店への転職が人気
【2025年下半期】自動車整備士は超売り手市場

2025年下半期の自動車整備士の転職市場は引き続き超売り手市場で、自動車整備士は多くの求人から転職先を選ぶことが可能です。
自動車整備士の有効求人倍率は、全職種平均職(1.29倍)の3倍以上。この自動車整備士の超売り手市場は、2025年下半期以降もしばらく続くと予測されます。
※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「機械整備・修理従事者」のデータを参照。自動車以外の整備士も含まれる)
※()内の有効求人倍率のみ、厚生労働省「職業情報提供サイト job tag」の「自動車整備士」のデータを参照(令和5年度実績)。
超売り手市場の自動車整備業界で、何が起きている?
「超売り手市場」2つの背景

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整備士ニーズ増加の背景は、大きく分けて下記の2つです。
- 自動車販売業界のビジネスモデル転換による、アフターサービス部門の拡充
- 働き方改革による増員
1自動車販売業界のビジネスモデル転換

自動車の長寿命化や車両価格高騰による購入見合わせ、不景気感などを背景に、クルマが売れない時代に。
そのため、点検・車検・修理などのアフターサービスで売上を確保する体制が必要になり、自動車整備士の求人ニーズが増えているのです。
2働き方改革による増員

働き方改革の一環で、自動車整備士一人あたりの業務量を減らす動きが強まっています。
その結果、同じ量の業務に必要な整備士の人数が増えたため、増員募集をする企業が増えているのです。
大手中古車販売店への転職者が増加中
自動車整備士の転職市場ですが、大手中古車販売店の人気が高まっています。

※アンドプロ調べ(中古車販売業界の市場規模の推移は帝国データバンク「中古車販売市場」動向調査(2022年度)より引用)
中古車の需要増と並行して、アフターサービス強化の動きが拡大しています。
特に大手中古車販売店では、販売した車両の車検・修理を積極的に受け入れていることでより整備ニーズが増えていることもあり、給与や待遇面など条件のよい求人が増えています。
【年代別で解説】自動車整備士の年収は?

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)
自動車整備士の平均年収は、民間企業で働く正社員全体の平均530.3万円より下回っているものの、直近は増加傾向が続いています。
ここからは、当社データをつかって、世代ごとの年収とキャリアアップの関係を見ていきましょう。
【年齢別】40代で500万を突破

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)
※60代はサンプル数が少ないため、参考値
自動車整備士の平均年収を年齢別に見ると、40代までは右肩上がりで増加傾向が続くものの、50代でやや落ち込む結果となりました。
これは、50代になると体力的に楽な業務へ担当が変更になったり、役職定年で管理職ポストなどを離れたりするケースが多いためです。
ここからは、年代ごとにさらにくわしい年収分布を見ていきましょう。
【20代】300~449万円がボリュームゾーン

※アンドプロ調べ
20代の自動車整備士の年収は、300-449万円に集中しています。年収が高い傾向にあるのは、大手中古車販売店に転職した自動車整備士です。
【30代】400‐549万円がボリュームゾーン

※アンドプロ調べ
30代の自動車整備士の年収は、400‐549万円がボリュームゾーンです。工場長候補などの役職求人や輸入車ディーラーへの転職、または建設機械整備に転職した方の年収が高い傾向にあります。
【40代】400‐649万円万円がボリュームゾーン

※アンドプロ調べ
40代の自動車整備士の年収は、400‐649万円がボリュームゾーンで、20代・30代に比べると分布がまばらになるのが特徴です。
30代と同じく、輸入車ディーラーや大手中古車販売店、建設機械整備に転職された方の年収が高い傾向があります。
【50代・60代】350‐599万円がボリュームゾーン

※アンドプロ調べ
50代60代の自動車整備士の年収は350-599万円がボリュームゾーンで、40代と同じく分布がまばらになるのが特徴です。
輸入車ディーラーや大手中古車販売店、建設機械整備などに転職した方が高年収です。
アンドプロでは、あなたのご経歴をふまえ、年収アップが叶いやすいキャリアや転職先のご提案をしております。お気軽にお問い合わせください。
自動車整備士の働き方
この章では、自動車整備士の将来性やキャリアパス、転職市場で求められる資格や経験について解説していきます。
自動車整備士の将来性
人手不足や次世代自動車の台頭などで、自動車整備士の将来性に不安を感じている方も少なくないでしょう。ここでは、自動車整備士の将来性について解説します。

理由(1)自動車整備の仕事はなくならないから
若者の車離れや少子化などで、将来的には自動車保有台数は減少していくと推測されています。しかし、点検や修理など整備士の仕事が完全になくなることはありません。
ただし、次世代自動車の整備に必要なIT知識や、先進技術の習得は不可欠といえるでしょう。
理由(2)大手中古車販売業界を中心に、整備士需要は拡大中だから
先述のとおり、中古車ニーズが拡大する昨今では、大手中古車販売業界を中心に、整備士需要は増え続けており、引く手あまたです。
今まで培った技術や専門性を十分に活かすことができるでしょう。
理由(3)大手中古車販売業界を中心に、整備士需要は拡大中だから
整備士業界では働き方改革が進行中。各社、残業時間短縮/年間休日数増加/DX/評価制度の設定などが進んでおり、より働きやすい環境が整いつつあります。

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今後さらに活躍したいのであれば、専門性や先進技術を身に付けたり、整備以外の業務に幅を広げていくことが重要です。
自動車整備士のキャリアパス
整備士のキャリアは、整備専門学校を経て自動車整備士の国家試験を受け、2級整備士の資格を保有した後に整備士として就職するところから始まります。


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整備士としてスタートし、エンジニアリーダーや工場長へとキャリアアップしていきます。その後、さらに整備士経験を活かしたキャリアに広げていきます。
整備士経験を活かした4つのキャリアパス

(1)フロント職になる
整備の知識をベースに、コミュニケーション能力を活かしたフロント職への転職や異動は、整備士の代表的なキャリアパスです。
インセンティブがあると年収もアップするため、目指す方が多い傾向です。
(2)営業職になる
ディーラー勤務の場合、コミュニケーション能力が評価されると、営業部門へ異動することもあります。
交渉力やマネジメントスキルが必要となりますが、整備知識を持った営業職の数は多くないので、転職でも非常に有利です。
(3)自動車整備士を極める
整備士として経験を積み、特殊整備士などの専門的な資格を取って自動車整備士としての道を極めるキャリアパスもあります。
その場合、整備士としてキャリアアップできるルートを持つ輸入車ディーラーなどに転職して、キャリアアップや給与アップを実現する方もいます。
(4)異業種のエンジニアへのキャリアチェンジ
自動車整備士としてスキル・経験を高めて、サービスエンジニア、建設機械の整備、保険会社の技術アジャスターにキャリアチェンジすることもできます。
自動車整備士としてのキャリアをベースに、自動車以外の機械の整備の知識・経験を積むことができます。
自動車整備士の転職市場で求められるのはどんな人材?
自動車整備士の転職市場で求められる人材は、「メーカー資格取得に意欲的」だったり、「コミュニケーション力」がある人です。これらがあると、転職市場でより評価されやすくなります。

メーカー資格の取得に意欲的
メーカー資格を保有していると、「きっとうちでも努力してくれるだろう」と、技術力に対する向上心や仕事への熱意が評価されやすくなります。
コミュニケーション能力
ほとんどの企業が、整備士にはコミュニケーション力が重要と感じています。
理由は、接客や仲間との協調性が必要な上、サービスフロントや営業のキャリアへの将来性も期待されるためです。

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実際、技術力に加えてコミュニケーション力があると、内定率がアップします。
自動車整備士の転職で有利な資格は

※トヨタサービス技術検定の2級以上、日産のTS1級、BMWのマイスターなど
上記のような資格を持っていると、技術力はもちろん、「仕事で必要なことに対して主体的に動ける」という評価につながります。

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自動車整備業界は、持っている資格や技術力と人物面がセットで考えられます。
国家資格、メーカー技術検定を問わず、上級資格を取った行動自体も転職の際には自己PRポイントになるので覚えておきましょう。
自動車整備士の転職成功のポイントは「資格と経験をアピールする」
自動車整備士の転職成功のポイントは、これまで自分がやってきた仕事の経験、持っている資格をしっかりアピールすることです。
「自分の経験だとそれはできて当然、資格も持っていて当たり前」と思われる方がいますが、取得した資格・技術や経験を職務経歴書に記入するだけでも、評価アップにつながります。
資格や経験を職務経歴書に書くときのポイントや例文は、下記の記事にくわしくまとめています。
アンドプロでは、履歴書・職務経歴書の書き方から面接対策まで、転職活動を丸ごとサポートしています。お気軽にお問い合わせください。
自動車整備士の転職難易度
自動車整備士の転職難易度については、希望する求人によって違いが出てきます。
【転職難易度:低】自動車整備士から自動車整備士への転職

自動車整備士から自動車整備士への転職は、比較的実現しやすいでしょう。
有効求人倍率が4倍を超えているため、経験者であれば引く手あまたで内定も獲得しやすい状態です。
【転職難易度:中】自動車整備士からの類似業界へのキャリアチェンジ

建設機械やフォークリフトの整備士などの類似業界については、自動車整備士国家資格を持つ人材を歓迎しているので、難易度はやや上がるものの、転職できる可能性は高い求人といえます。
【転職難易度:高】自動車整備士から未経験のエンジニア職種へのキャリアチェンジ

難易度が最も高いのは、未経験のエンジニア職種へのキャリアチェンジです。
たとえば、「自動車メーカーのテストエンジニアに転職したい」「自動車整備とは無関係の機械系エンジニアにチャレンジしたい」という場合です。
自動車整備士の転職に最適な時期はいつ?
自動車整備士が転職しやすい時期は、1年のうちで6月、7月、11月、12月です。

退職者が増える賞与時、決算前の売上強化期間(1~3月)の前は、人手不足のため採用のハードルも下がり、転職しやすい時期となります。
ただし、現状の自動車整備士の転職市場は年間を通じて人手不足感が強い超売り手市場であるため、「1年を通して転職者に有利」と言っても過言ではありません。
自動車整備士が転職するまでの日数はどれくらい?
アンドプロを利用して転職した自動車整備士が、求人のご案内から転職決定までに必要な期間は1カ月から2カ月程度となっています。

自動車整備士は、一般的な転職に比べてスムーズに決定することが多いのが特徴です。面接も1回で済むことが多く、一般的な転職期間(2~3カ月)と比較しても、1カ月ほど短いスパンで転職を決める方が多いです。
ただし、転職先への入社は、内定承諾の1~2カ月後で問題ありません。
【最新データ解説】自動車整備士の転職者に見られる傾向は
自動車整備士の転職では具体的にどのような傾向が見られるでしょうか。当社の持つデータをベースにして解説していきます。
自動車整備士の年齢割合

※アンドプロ調べ
少子高齢化が進むなか、各社次世代を担う人材の確保が急務。未経験・あるいは実務経験の浅い20代でも、ポテンシャルを評価してもらえるケースが多いでしょう。
自動車整備士の転職回数

一般的に、転職回数の目安は「年代÷10まで」といわれています(30代なら3回まで)。
転職回数が多い方は、自身の整備経験のなかから、企業に求められるスキルと近い実績をしっかりアピールしましょう。
あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい
私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。
自動車整備士を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。
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