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2025年下半期
設備保全(プラント)転職市場トレンド徹底解説
2025/9/16

【2025年下半期】設備保全(プラント)の転職市場トレンド|年収や必要資格、将来性まで

今期はここがポイント
転職のしやすさ
求人数
横ばい
  • 景気に左右されず求人ニーズは堅調
  • DX・FAでハイブリッド型人材の需要高
  • AIに代替されるリスク低く将来性も◎

求人ニーズは堅調も、DX・FAで転職市場に変化あり

設備保全の最新の有効求人倍率は4.60倍、有効求人数は36599件/月。コロナ前の水準まで回復しており、人手不足感が強まっている。
  • 設備保全は工場・設備が稼働している限り、一定人員が必要な業務。そのため欠員募集が基本で景気の影響も受けにくく、求人ニーズは堅調に推移
  • ただし、コストダウンや脱炭素社会の実現に向けたDX・FAや再生可能エネルギー導入のニーズが高まるなか、技術者の高齢化が進んでおり、人手不足感は徐々に強まっている

※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(「機械整備・修理従事者」のデータを参照)

今、プラントで何が起きている? 設備保全の転職市場トレンド2つ

設備保全でおさえておきたい2大トレンド|(1)DX・FAの加速によりハイブリッド型人材の需要が増加、(2)省エネ・再エネ導入の経験も高評価

トレンド(1)DX・FAの加速で「ハイブリッド型人材」の需要アップ

人材ニーズが高まっている理由|製造業各社で人材不足の深刻化や、予知保全ニーズの高まりを背景に、DX・FAに取り組む企業が増加中。その結果、機電とITのハイブリッド型人材の需要が増加している。
  • 高齢化による人手不足の深刻化や、設備の老朽化にともなう予知保全ニーズの高まりなどを背景に、DXやFAに取り組む企業が増加中
  • その結果、従来の機械・電気系の専門知識に加え、DX関連の技術・経験(IoTやAI、ビッグデータ活用など)をあわせ持つ、「ハイブリッド型人材」の需要が高まってきている
補足

DX・FAそれ自体の経験がなくても、親和性のある計装制御の経験・スキルがあれば、適性があるとして評価につながるケースも。

トレンド(2)省エネ・再エネ導入の経験の市場価値が高まる

市場価値が高まっている理由|製造業各社で、生産性の向上や脱炭素社会の実現になどに向けて、知見のある人材のニーズが増加。省エネ・再エネ導入関連の経験があると、転職市場で高評価につながりやすくなっている。
  • 生産性の向上や脱炭素社会の実現に向け、既存設備の省エネルギー化や、再エネの導入に取り組む企業も増えており、そうした知見のある人材の市場価値も高まってきている

いつかAIに代替される? 設備保全の将来性

2025年下半期時点の設備保全の将来性は「良好」|良好な理由:(1)プラントの安全稼働が依然として企業の重要課題となっている、(2)無人化のリスクも低い
  • 工場・設備の安定稼働は企業の損益に直結する重要課題であり、今後も安定的な需要が見込まれる
  • DX(AI活用)による点検作業などの自動化も進むが、最終的な判断・改善・法定責任は人間が担わざるをえないため、完全に代替されることは考えにくい

コロナ以降は上昇中。設備保全の平均年収

設備保全の最新の平均年収は565.7万円。コロナ禍以降、毎年増加傾向にあったが、直近はやや下降傾向に|参考:2019年は532.0万円、2020年は524.5万円、2021年は551.4万円、2022年は566.2万円、2023年は565.0万円、2024年は590.0万円、2025年上半期は565.7万円

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)

  • 世界的な電動化・IoT化の流れを受け、半導体や自動車関連のメーカーを中心にベアや賞与アップが実施される企業も多く、全体の水準を押し上げている。

【年齢別】50代で750万に到達

設備保全の年齢別の平均年収は、50代でピークを迎え約750万円に。どの年代でも全職種平均を超えている|参考:20代は453.6万円、30代は577.7万円、40代は677.6万円、50代は757.1万円、60代は662.5万円

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用)

  • 全職種平均と同様に、20代から50代にかけて増加し、非正規も増える60代で若干低下。

【業種別】メーカーでも製薬が特に高い

設備保全の業種別平均年収は、業種によって最大250万円超の差がある。1位は製薬業界で712.5万円、2位は化学・鉄鋼業界で646.7万円、3位はインフラ(エネルギー会社など)業界で617.6万円、4位はプラントエンジニアリング会社で590.8万円、5位は食品・消費財業界で565.4万円、6位は重工業・農業用機械業界で557.3万円、7位は輸送用機器(自動車など)業界で530.4万円、8位はプラントO&M業界で510.0万円、9位はその他(管理会社など)業界で507.1万円、10位は半導体・電子部品・家電業界で471.2万円、設備保全全体の平均は590.0万円。

※アンドプロ調べ(全職種平均は国税庁「民間給与実態統計調査」より引用。正社員のみ)

  • メーカーの中でも、製造だけが700万円超え。次いで化学・鉄鋼やエネルギー会社などプラント規模が大きい業種が並ぶ。

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年収は企業による差が大きいものの、一般的に成長産業や大企業ほど高く、プレイヤー人材よりも管理職の方が高い傾向があり、設備保全も例外ではありません。

点検実務から計画・管理へ。設備保全のキャリアパス

設備保全のキャリアパスは、資格を取得しながら、点検実務から計画・管理へシフトするのが一般的|入社~5年目:担当者(巡回点検・故障分析)の実務をしつつ、機械保全技能士3級や第二種電気工事士の資格取得を目指す|5年目~10年目:ラインリーダー(計画保全の立案・実行)を担当しつつ、機械保全技能士1級/2級や、第三種電気主任技術者の資格取得を目指す|10年目~15年目:保全部門長/プラントマネージャー(予算・KPI管理、DX主導)を担当しつつ、特級機械保全技能士や第一種/第二種電気主任技術者の取得を目指す
  • 設備保全のキャリアは巡回点検や故障分析などの実務から始まり、上級資格を取得しながら業務範囲を広げていく・立場を上げていくのが基本。
  • 保全部門長プラントマネジャーになると、予算・KPIの策定/管理やDXのプロジェクトマネジメントなど、計画・管理業務がメインになっていく

夜勤や勤務地変更を理由に転職する人も多い

現職で「夜勤が体力的にキツい」「引っ越しはしたくない」といった悩みを抱えて、日勤のみの会社や自宅近くの会社を希望して転職する人が多い
  • 設備保全は夜勤があるケースも多く、日勤のみのポジションを希望して転職する人も多い。
  • また、工場閉鎖にともなう勤務地変更の辞令をきっかけに、今の自宅から通えるところへ転職したいという転職理由も一般的。

プラントエンジニアやビル設備管理にキャリアチェンジする人も

設備保全のキャリアチェンジ先の候補3つ|(1)プラントエンジニア、(2)ビル設備管理、(3)再エネ運営管理
  • 設備保全のなかには、維持管理よりも「つくる」側に興味が湧き、EPC領域を担うプラントエンジニア(設計や施工管理)にキャリアチェンジする人も。ただし、業務内容や働き方の違いから、20~30代までがボーダーライン
  • 40~50代になると、設備保全としての電気・空調・機械設備の知識・経験を活かせる・かつ体力的な負担が少ないビル設備管理や、再生エネ発電所の運営管理などにチャレンジする人も。

転職経験のある設備保全は、実際どれくらい?

設備保全の転職回数…4割以上が転職経験あり|(参考データ)転職が初めての人:57.1%、2回目:22.9%、3回目:20.0%

※アンドプロ調べ

  • 大手の老舗企業を中心に長期就業の考え方が根強い製造業でも、徐々に転職が一般的になってきている

設備保全の市場価値を高める経験・資格・スキルとは?

ベースとなるのは4つの分野の経験・知識

設備保全の4つの専門分野|(1)電気、(2)機械、(3)計装制御、(4)IT
  • 設備保全の業務を行う上で重要な「電気・機械・計装制御・IT」それぞれの経験・知識がどれだけあるかが、設備保全としての市場価値のベースとなる。

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企業やポジションによって、重宝される分野やそのレベル感は異なります

ご自身がなりたい将来像や応募先が求める人物像から逆算して、いずれかの専門性を突き詰めるか、あるいは総合力を高めるかなど、戦略的なキャリア設計をしましょう。

アンドプロでは、求人紹介や書類作成・面接対策だけではなく、専門性や市場価値を高めるためのキャリア設計からご相談いただけますので、ぜひお問い合わせください。

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電験などの資格や安全・改善意識も大切

高評価につながる3つの要素|(1)電気主任技術者、(2)ボイラー・タービン主任技術者、(3)安全・改善意識
電気主任技術者(電験)
  • 電気分野で最高位の資格であり、取得難易度が非常に高いため、保有者は転職市場でも高く評価され、応募先の選択肢が広がる
ボイラー・タービン主任技術者
  • 機械保全系の最高位の資格であり、試験はないものの申請条件が厳しく、保有していることで経験・スキルの豊富さをアピールできる。
安全・改善意識
  • 主体的に課題を見つけ、改善に向けた保全計画の策定・提案ができる人材は、パフォーマンスの高さを期待され重宝されやすい。

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資格が応募の必須条件になっている求人は多くありませんが、一定以上の経験年数がある(30代以上など)のに無資格だと、評価されづらくなるリスクがあります。

企業によっては資格手当が月に数千円~数万円出るところもあるため、取れるものは取っておくのがおすすめです。

設備保全の転職難易度と転職成功のカギ

設備保全の転職には3つの特徴あり

おさえておきたい3つの特徴|(1)書類選考が関門。職務経歴書は詳細に!|(2)別製品を扱う異業種にも転職しやすい|(3)40代以降は求められるレベルが高くなる
  • 設備保全は欠員募集メインのため、常に大量の求人があるわけではない=転職難易度は高いとも低いとも言い難いが、上記3つの特徴あり。

特徴(1)書類選考が関門。職務経歴書の作成は入念に!

職務経歴書作成のポイント|職務経歴書を見れば、おおよその適性・能力がわかるため、経験・スキルを詳細に記載することが重要|記載したい要素:保有資格、扱ってきた設備の種類や規模感、保全計画を主体的に作成してきたかどうか、最低限の図面理解があるか、など
  • 経験や保有資格の内容で適性や能力を判断しやすい設備保全は、書類選考で「足切り」される傾向が強いため、特に職務経歴書には経験・スキルを詳細に記載するのがおすすめ。
  • 具体的には、設備の概要や保有資格だけではなく、コスト削減・生産性向上に向けた取り組みや定量的成果、トラブル発生時のアクションや結果などもくわしく記載すると、安全・改善意識の高さやコミュニケーション能力が伝わり◎

アンドプロでは、通過率を高める履歴書・職務経歴書の書き方から、確実に内定をもらうための面接対策まで対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

特徴(2)別製品を扱う異業種にも転職しやすい

設備管理は異業種への転職も可能。「年収が上がらない」「会社・業界の将来性が不安」という場合は、異業種転職で解決することもできる|転職先の例:自動車業界、半導体業界、エネルギー(インフラ)業界
  • プラントが変わっても、設備保全の業務内容自体は大きく変わらない(知識・スキルの汎用性が高い)ため、別製品を扱う異業種にも転職しやすいのが特徴。
  • ただし、製薬業界はGMP関連の知識が応募時の必須条件になることも多いため、例外的に転職ハードルは高め

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企業規模が大きく・かつ成長産業ほど設備・DX投資に積極的で、年収も高い傾向にあります。

年収アップや設備の老朽化・将来性に不安を感じている場合、大手や自動車/半導体/エネルギー業界などを検討してみるのもおすすめです。

特徴(3)40代以上は求められるレベルが高くなる

メーカー各社では、人材は長期育成することが基本。そのため、40代以上で転職する場合は、即戦力を期待される(高い専門性やマネジメント経験が求められる)
  • 設備保全の就業先はメーカーが中心。長期育成を基本とする企業も多く、40代以降には即戦力として高い専門性やマネジメント経験が求められる傾向に。

あなただけの「理想のキャリア」を描き、実現したい

私たちがご提供したいのは、転職という“手段”そのものではありません。

プラント業界や設備保全を熟知したプロとの面談を通じて得られる気づきと、そこから未来の設計図を描いていく体験です。

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この記事の監修者
アンドプロ コンサルタント
本田 逸人
プラント・エネルギー業界

プラント・エネルギー業界専門のコンサルタント。施工管理や設計職をはじめ、設備保全や企画・マーケティング職まで、プラントに関わるあらゆる職種の転職支援を手掛けており、これまでのご支援人数は300名以上。2018年度/2020年度、社内MVP受賞。

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