
挑戦をするための覚悟と環境――「次の成長」を考える人に、変革期のオムロンという選択肢
制御機器・ヘルスケアなど多彩な事業を展開するオムロン株式会社。構造改革という痛みを経て「13の注力事業」を明確化し、2030年以降は「データソリューション事業」を第二の柱とする経営戦略を打ち出しました。V字回復のシナリオに向けて、キャリア採用も活発化させていくようです。
生まれ変わろうとしている“新生オムロン”は、どんな人財を求めているのか。採用責任者の本音を伺いました。
新村 輔(しんむら・たすく)さん
オムロングループ グループ採用責任者。国家資格2級キャリアコンサルティング技能士
キャリア入社後、個社人事、HR企画(人財戦略立案・推進等)、人事オペレーションマネジメントなど人事領域を横断的に経験。現在はオムロンリクルーティングセンタのマネジメントを担い、新卒・キャリア採用から人財流動施策まで、グループ全体の人財獲得戦略を統括している。
構造改革を経て、新たな一歩へ。「13の注力事業」に資源を集中
Q:オムロンは今、大きな変革期にあるとお聞きしました。現在の状況を教えてください
オムロンは創業期以来と言っても過言ではない大きな「変革の真っ只中」にあります。2024年2月から2025年の9月まで、2,000名の希望退職を募るという非常に苦しい決断を含む構造改革に取り組んで来ました。
そして構造改革期間の終了に合わせて、2030年までに、売上の約8割を占める13事業に、"ヒト・モノ・カネ・情報"を集中投下するとともに、データソリューション事業を次の柱へ育てる成長シナリオ「中期ロードマップ」を打ち出しました。売上高で1兆2,000億円程度(現状比で1.5倍)、営業利益率は12%(営業利益で1,400億円程度、現状比で3倍弱)という意欲的な数字を目指しますが、構造改革を通して、その覚悟は社内にも共有されています。社員も「これまでにない大胆な打ち出し」と前向きに受け止めていると感じます。
現在は、構造改革を経て、大きな転換点を迎えています。抜本的な肉体改造を行い、リハビリを経て新たな一歩を踏み出すところ、といえるかもしれません。混乱の中で、もがきながら新たなステージに移行している最中です。すでにオムロンは、新たな研究開発拠点(パワーエレクトロニクスセンター)の開設や、ITとOTの統合を目指した戦略的パートナーシップの締結など、既存事業の強化と新規ソリューション創出に向けた取り組みを具体化しています。
また、「GEMBA DX」の実現に向けた組織再編をはじめ、データソリューション事業でも新たな挑戦が動き出しました。
この1年に起きている一連の変化は、変革を本気でやり切るという経営の覚悟の表れでもあります。

Q:キャリア採用を強化されている背景を教えてください
現在、当社の年間採用数は約250名規模で、年にもよりますが、中途採用が新卒採用を上回る状況が続いています。事業環境の変化スピードが加速しており、外部の専門性や経験を取り込むことが不可欠になっているからです。
たとえば、以下の2つの領域では外部人財への期待が非常に高まっています。
1: 制御機器(FA)事業の高度化・拡張
オムロンの強みは、センサー単体、コントローラー単体といった部分最適ではなく、工場のライン全体を入口から出口までトータルでカバーできる点にあります。
しかし、製造業の変革は急速です。たとえば自動車産業ではEV化が一気に進み、生産プロセスそのものが大きく切り替わっています。
こうした顧客課題の転換に対応し続けるためには、外部からの最新知見や専門的な経験を持つ人財の参画が不可欠となっています。
2:データソリューション事業の創出・拡大
当社はFA領域を中心に、現場から膨大な“生データ”を取得できる環境を持っています。
これらのデータは、
- 品質改善
- 設備の予兆検知
- 生産計画の最適化
など、次世代のソリューションを生み出すうえで大きな可能性を秘めています。
また、ヘルスケア領域においても医療データが蓄積されており、AI・機械学習・ビッグデータ解析による新たな価値創造が進むフェーズに入っています。
データは今後の競争力の源泉となる“資産”であり、全社横断でデータ活用力を強化することが不可欠です。そのためにも、現在オムロンのなかにはない、あるいは不足している知識や経験を持つ専門人財の力をぜひお借りしたいと考えています。

変化を前向きに捉える人に来てほしい
Q:どのような人財を求めていますか?
まず前提として、専門性の合致は必要です。キャリア採用ではまず専門領域の確実なフィットが前提になります。ご自身の培ってきたスキルと、オムロンで発揮していただきたいスキルがマッチしていることが必要です。
その上で、オムロンは今、トランジション期にあります。すでに整った環境で成果を出すのではなく「全員で社会価値を考え具現化するためのソリューションを創造する」フェーズにあります。
よって変化を前向きに捉える人、ベンチャーのようなスピード感・感覚を持っている人に仲間になってもらいたいと考えています。そのために、スキルのマッチングは大前提にしつつも候補者の志向性・変化対応力・価値観まで理解した上でのマッチングが重要になります。アンドプロには “今のオムロンで変革を生み出せる人かどうか”を見極めてほしいと思っています。アンドプロにはそれができると考えていますし、候補者の方もぜひ信頼して気軽に話してもらえればなと思います。
Q:活躍する人財のイメージをもう少し具体的に教えてください
専門性を軸にしつつ、チームで仕事ができる人ですかね。正直に申し上げると、いわゆる「JTC」といわれるような日本のメーカーによく見られる特徴がオムロンにもあります。そのよい部分は活かしつつ、変えることは変えていくというバランスを意識することが活躍のカギかもしれません。また、前提としてオムロンが草創期から大切にしている「事業を通して社会にいかに価値を生むか」という価値観に共感してもらっていることは重要ですね。
すでに続々と外部から新たな仲間がジョインしてくれています。従来のようにメーカーからの転職もあれば、ITコンサルタントの方もいればベンチャー企業からいらっしゃる方も増えています。社内の雰囲気も徐々に変わってきた印象です。
オムロンはかつて「永遠のベンチャー企業」と呼ばれていました。その創業スピリットが、今まさに再び強まっているようにすら思います。

「孤立させない」オンボーディングと「永遠のベンチャー企業」の復活
Q:中途入社者の定着について、どのような取り組みをされていますか?
中途採用者を「孤立させない」という思想が根底にあります。中途入社者には必ず、伴走者(メンター)と育成責任者(多くは部門長)の2名体制を設定します。1on1や日報など、部門に合わせたスタイルでサポートしています。
また、「現場には言いづらい声」を拾うために、オンボーディングサーベイを導入しました。人事が介入できる仕組みを整備することで、問題の早期発見と対応が可能になっています。
Q:組織文化や社風について教えてください
構造改革を経て、危機感と当事者意識が全社的に高まりました。辻永順太社長と若手の「車座対話」という取り組みでは、若手社員から社長へ本音をぶつける場を設けています。また、社長と社員がフランクに交流できる社内SNSである「Jun-Channel」を作り、双方向コミュニケーションを促すなど、フラットな風土を強化している最中です。
管理職に「挑戦してみる」若手でも安心して挑戦できるルール
Q:キャリアパスや評価制度について教えてください
オムロンは10年以上前から「ジョブ型人事制度」を導入しています。管理職は完全ジョブ型で、年功序列の要素はゼロです。リーダー層もジョブ基準へ移行済みです。
キャリアパスとしては、スペシャリストの専門ラインとマネジメントラインがあり、行き来も柔軟に可能です。ただし、スペシャリスト認定は厳格です。
特徴的な取り組みとして、当社独自の「リチャージ・リチャレンジ」制度があります。これは、若手のマネジメント挑戦・抜擢を加速させる仕組みとして設計されています。
マネジメントへの登用は大きな成長機会ですが、負荷も大きく、適性が見極めにくい側面があります。
そこで、もし「合わない」「負担が大きい」と感じた場合には一旦もとの役割に戻れる制度を導入しました。さらに、戻った後も研修などを経て再挑戦が可能という“セーフティネット”を用意しています。
これにより、マネジメント職が「失敗できない一方通行」にならず、若手が安心して挑戦できる環境が整備されています。多くのメーカーでは40代での管理職登用が一般的ですが、当社では制度上は28歳から管理職に就くことも可能で、30代の管理職はザラにいます。
ジョブ型の人事制度により、能力・成果に応じて成長機会を早期につかめる点が、キャリア形成の大きな魅力でしょう。

Q:報酬と働きやすさのバランスはいかがでしょうか?
評価に応じてメリハリの効いた処遇を行う制度になっています。管理職では同じ等級でも評価によって数百万円の差がつくこともあります。成果を出すほど報われる"ベンチャー的な考え方"を、大企業的なシステムの上に構築しているイメージです。
一方、安定して力を発揮してもらうための支援を行う仕組みについてもきちんとした制度を設けています。男性育休取得率は72%(全国平均が40.5%)で、必ず上司が制度を案内し、「育休を取りやすい空気」をつくる義務があります。スーパーフレックスやホームオフィス制度など、柔軟な働き方も十分に整っています。
「1から作る成長」が待っている。変革の瞬間に立ち会える場所
Q:最後に、応募を考えている候補者の方へメッセージをお願いします
今のオムロンは、まさに生まれ変わろうとしているタイミングです。構造改革という痛みを経て、社員ひとりひとりが「顧客起点」「価値創出」を改めて真剣に考え始めました。
まだ変革は道半ばです。だからこそ、新たに創れるものが大きい。出来上がった企業では味わえない「1から創る成長」をつかめると思います。
専門性を武器に、組織を動かし、自分のキャリアを切り拓きたい人にとって、ここは間違いなくチャンスの場所です。ぜひ、私たちと一緒に新しいオムロンを創っていきましょう。

文:伊藤 崇浩(アンドプロ編集部)/撮影:長友 春佳
オムロン(株) 関連情報
数字で見る、オムロンの「採用」と「働き方」
✓中途人財を積極採用し、外部の知見を取り入れる
- 年間採用数:約250名(近年は中途採用が新卒を上回る)
- 入社3年以内離職率:新卒採用の3年離職率は10%。キャリアもほぼ同等だが非公開。1年あたりの自己都合退職率は全社員の2.4%
✓圧倒的な働きやすさを実現
- 男性育休取得率:72%(2024年度)
- 働き方:スーパーフレックス制度、ホームオフィス制度、副業制度
- キャリア制度:ジョブ型人事制度(管理職は完全ジョブ型)、リチャージ・リチャレンジ制度
受賞歴

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